■ J3がいよいよ開幕!J1とJ2に続いてJ3も開幕を迎えた。サッカー解説者として絶大な人気と支持を集めた元・日本代表の戸田和幸氏を監督として招聘して大きな注目を集めているSC相模原はホームの相模原ギオンスタジアムでガイナーレ鳥取と対戦した。SC相模原はオフにたくさんの選手が契約満了となってチームは大きく生まれ変わった。一方の鳥取はMF新井泰(→藤枝MYFC)やFW石川大(→熊本)など主力数名が退団した。
ホームのSC相模原は「3-4-2-1」。GK猪瀬。DF加藤大、栗原イブラヒムジュニア、山下諒。MF牧山、吉武、綿引、橋本陸、佐相、藤沼。FW松澤。メンバーが大きく入れ替わって大幅に若返ったSC相模原は9人もの大学生を獲得したがCBのDF山下諒、ボランチのMF牧山が開幕スタメンを飾った。ボランチのMF吉武は地域リーグのFC延岡AGATAからの個人昇格となる。11人のうち、9人が新加入選手となる。
対するアウェイの鳥取は「4-2-2-2」。GK井岡。DF田中恵、増谷、鈴木順、文仁柱。MF世瀬、普光院、東條、牛之濱。FW重松、大久保優。こちらもメンバーが大きく入れ替わった中、新戦力のGK井岡、DF田中恵、MF普光院、MF東條、MF牛之濱、FW重松がスタメンで起用された。MF東條は国士舘大出身で大卒1年目ながら開幕スタメンを勝ち取った。仙台から加入した24歳のGK井岡はJリーグ初出場となる。
■ 後半のアディショナルタイムに決勝ゴール!試合は鳥取ペースでスタートした。前半7分にゴール前のいい位置でFKを獲得すると新加入のMF普光院が右足で鮮やかに決めてアウェイの鳥取が先制に成功する。前半21分にはMF東條のクロスからFW大久保優が決定機を迎えた。前半36分には高い位置からプレスをかけてボールを奪うとベテランのFW重松がシュート。これが決まって大きな追加点を奪った。前半は2対0と鳥取がリードして折り返した。
2点を追うSC相模原は後半7分に左サイドからクロスを入れると右WBのMF綿引がゴール前に進出。こぼれ球をFW松澤が押し込んで1点差に迫った。昨シーズンはJFLの東京武蔵野ユナイテッドFCでプレーしたFW松澤がSC相模原にとっての今シーズン初ゴールを奪った。さらに後半18分にはカウンターからFW松澤のパスを受けたMF藤沼が絶妙なコントロールからシュートを決めて2対2の同点に追いついた。
追いつかれた鳥取だったが後半48分に途中出場したMF小澤秀のパスから同じく途中出場のMF田村亮がシュートを決めて土壇場で3対2と勝ち越しに成功する。熱戦を制した鳥取が開幕戦で勝ち点「3」を獲得した。2021年と2022年はともに12位に終わった鳥取は巻き返しを図るシーズンになるが苦しみながらも勝ち点「3」を獲得した。一方、SC相模原の戸田監督にとっては初陣となったが悔しい敗戦となった。
■ 実績のある選手が一気に増えた鳥取土曜日に行われた3試合の中でこのカードのみ14時キックオフだった。SC相模原 vs 鳥取が今シーズンのJ3のファーストゲームだった。注目の集まる一戦だったがアウェイの鳥取が制した。2対0から同点に追いつかれてしまったが後半のアディショナルタイムに決勝ゴールを奪った。アシストしたMF小澤秀はその直前に決定機を外しているが次に訪れた決定機は冷静にパスを出して決勝ゴールを演出した。
近年の鳥取は若手主体のチーム編成だった。2021年も2022年も秋以降に快進撃を見せたが時すでに遅し。若手主体ということもあって安定感がなかった。「意図してベテランの掻き集めた。」というよりは「若手がたくさん流出してその穴を埋めるために選手をたくさん獲得したらベテランが多くなった。」というのが実際のところだと思うがDF田中恵、MF普光院、FW重松など実績のある選手が一気に増えた。
チームのイメージは大きく変わったが我慢して若手を起用して育ててもすぐにお金のあるクラブに目をつけられて流出してしまう。長期的な視野でチームを作って本気でJ2昇格を目指すのであれば「若手主体のチームにはなりすぎない方がベター」と言える。流出しにくいベテラン中心の方が良くも悪くも計算は立つ。1点目はMF普光院、2点目はFW重松だったが期待の即戦力が開幕戦からしっかりと結果を出した。
31歳とベテランの域に入って来たFW重松はいきなりゴールをゲット。幸先のいいスタートを切った。近年はJ3の讃岐でプレーしていたが一発を持った選手である。無回転気味のシュートは若い頃から得意にしていた。名刺代わりの一発になった。今オフに鳥取に加入した選手はFW重松のみならず、GK井岡、MF普光院、MF富樫佑、DF田中恵など前・所属先との契約が満了になって移籍先を探していた選手が多い。
■ 戸田監督にかかるプレッシャーは大きい。戸田監督が就任して全く新しいスタートを切ったSC相模原は2022年は最下位。這い上がるしかない状況である。戸田監督とは3年契約を結んでいるので長い目で見守る必要があるがそうは言っても今シーズンからJ3も降格制度がスタートするので1年目からある程度以上の結果が求められる。良くも悪くも注目度の高い人なのでJリーグのクラブを率いるのは初となる戸田監督にかかるプレッシャーは大きい。
メンバーがこれだけ変わってJリーグで実績のある選手は数名のみ。大学生を9人も獲得して全く新しいチームになった。スタメンで起用されたDF栗原イブラヒムジュニア、FW松澤などはJリーグの経験があるが実績は皆無に近い。GK猪瀬、MF綿引、MF藤沼、MF佐相、MF橋本陸などはJリーグで一定以上の実績を持っているがまだ若い選手である。「誰が中心になって引っ張っていくのか?」が最初の注目点になる。
「理論派の解説者」と言われた戸田監督がどんなチームを作るのか?は興味深いがあれだけ現代サッカーを勉強してきた監督なので「引いて守ってカウンター」、「耐えて耐えてセットプレーからゴールを奪う。」という道を選択することはまずあり得ない。「的確にポジションを取ってボールポゼッションも出来るが前からプレスをかけてカウンターも可能」という今の主流となるスタイルに落ち着く可能性は高い。
実績の乏しい選手がほとんどなので「自分のカラーには染めやすい。」と言えるが加入した当初から言われていた通りで三菱養和SCユースのときは大型フォワードとして大きな注目を集めた21歳のDF栗原イブラヒムジュニアをCBの位置で起用した。高さと強さを併せ持った大型フォワードだったが開花はせず。決意のコンバートと言えるが191cmの長身。新しいポジションで経験を積んで新境地を開拓したいところ。
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