■ U-20アジア杯が開幕ウズベキスタンで開催されるU-20アジア杯が開幕した。中国・キルギス・サウジアラビアと同組になったU-20日本代表は初戦で中国と対戦した。D組の日本はGLを突破した場合はC組のチームと準々決勝で対戦する。準々決勝で勝利したらU-20W杯の出場権を獲得できるがC組は韓国・ヨルダン・オマーン・タジキスタンが入った。初戦でオマーンに4対0で大勝した韓国がC組を首位で通過する可能性は高い。
日本は「4-2-3-1」。GK木村凌(日本大)。DF屋敷(大分)、高井幸(川崎F)、田中隼(柏)、松田隼(水戸)。MF山根陸(横浜FM)、松木玖(FC東京)、甲田(名古屋)、北野颯(C大阪)、横山歩(鳥栖)。FW坂本一(岡山)。10番のMF北野颯は2トップの一角と表現することも出来る。キャプテンのMF松木玖がチームの中心となる。松本山雅で活躍してJ1の鳥栖への個人昇格を果たした快速のMF横山歩は左サイドハーフでプレーする。
ベンチスタートになったのはGK彼島(流通経済大)、GK春名(水戸)、DF諏訪間(筑波大)、DF高橋・センダゴルタ仁胡(バルセロナ)、DF菊地脩(清水)、MF安部大(長崎)、MF保田(大分)、MF永長(川崎F)、MF熊取谷(明治大)、MF佐野航(岡山)、MF松村晃(横浜FMユース)、FW熊田(FC東京)の12名。当初はDF中野伸(鳥栖)が選出されていたが怪我で辞退してMF松村晃が追加招集された。MF保田などが飛び級での選出となる。
■ 2対1で何とか勝利した日本は白星スタート試合は開始早々の前半5分にDF高井幸の空振りから相手にCKを献上するとDF田中隼のオウンゴールで失点。嫌なスタートになった。その後は日本が圧倒的にボールを支配して攻め込んだ。前半の支配率は78%。シュートも13本対1本と圧倒したが前半9分のMF北野颯の決定機などたくさんあったチャンスを生かせず。前半47分にはDF田中隼のクロスからFW坂本一がヘディングシュートを放ったが決まらず。
後半開始から日本は右SHのMF甲田を下げてMF永長(川崎F)を投入。レフティのMF永長を起点に後半は右サイドからチャンスを作った。後半10分にはFW坂本一とMF横山歩を下げてMF佐野航(岡山)とFW熊田(FC東京)を投入。すると途中出場したこの2人が逆転劇の立役者になった。後半21分にMF佐野航のクロスから181センチのFW熊田がヘディングシュート。これが決まってようやく1対1の同点に追いついた。
さらに後半25分にもMF佐野航のクロスからFW熊田がシュート。最初のシュートは上手く当たらなかったがすぐにリカバーして右足でシュート。2対1と逆転に成功する。後半45分にはFW熊田がPKを獲得。MF松木玖がキッカーを務めたがキーパーにセーブされた。追加点を奪うことは出来なかったが2対1で何とか勝利した日本は白星スタートとなった。2戦目はキルギス、3戦目はサウジアラビアと対戦することになる。
■ 左利きで世代屈指のストライカーいきなりセットプレーから失点した日本は苦しい展開になった。DF田中隼のオウンゴールだったがCKを献上したプレーもDF高井幸の不用意なミスがきっかけだった。中国の選手はサイズがあってスピードもあるのでセットプレーとカウンターは気を付けないといけなかった。いきなり失点した後、なかなか同点ゴールを奪えずに苦労したがMF佐野航ならびにFW熊田の途中出場コンビが躍動。日本を救った。
ストライカーのFW熊田は2ゴールの活躍。終了間際のPKも獲得しているので短い時間で神がかり的な活躍を見せた。FC東京U-18出身で今シーズンが高卒1年目。左利きで世代屈指のストライカーと評価されている。FC東京はフォワードの層が厚いのでトップチームで出番を得るのはなかなか難しいがキャンプ期間中は結果を残して猛アピールした。得点感覚が鋭くて「The・ストライカー」と言える選手である。
2ゴールともMF佐野航が起点になった。こちらはJ2の岡山で主力になりつつある。磐田との開幕戦ではスタメン出場して1ゴール1アシストの大活躍を見せた。「MF佐野海(鹿島)の弟」になるが守備型のボランチである兄とは違って弟はテクニシャン系の選手になる。兄弟でプレースタイルは大きく異なる。2022年は高卒1年目ながらJ2で28試合に出場。3ゴール2アシストと活躍したがさらなる飛躍が期待される。
中国は早い段階で先制ゴールを奪えたこともあって5バック気味に守って来た。「5-4-1」のような布陣だった。攻撃を仕掛ける場面はほとんどなし。人数をかけて守ろうとしたのでスペースはほとんどなかった。前半のうちから右のMF甲田、左のMF横山歩の仕掛けが中心になったが日本の攻撃は単調だった。攻撃に変化を加えないといけない状況だったが左サイドハーフで起用されたMF佐野航がアクセントになった。
■ ボール支配率は77%。シュート数は25本対4本。ボランチはMF松木玖とMF山根陸のコンビとなった。他にはMF安部大(長崎)やMF保田(大分)が控えているが「MF松木玖とMF山根陸がレギュラーとして起用される可能性大」と言える。J1でも実績を積み上げている2人にかかる期待は大きい。CBの2人(DF田中隼とDF高井幸)は組み立ての部分でチームに貢献出来るタイプなので運動量が多くて得点力が高いMF松木玖はゴール前に出ていくシーンが多かった。
MF山根陸には後方でバランスをとりつつボール回しの中心になることが期待されたがそこまでボランチのところに中国のプレッシャーがかからなかったこともあって落ち着いてプレーした。正確なパスで攻撃の起点になった。残念だったのはミドルシュートがなかなか相手の脅威にならなかった点。ミドルシュートでもう少し相手ゴールを脅かすことが出来るとスルーパスなど裏へのパスは通りやすくなったはず。
次は中2日でキルギスと対戦する。もう1つの試合はサウジアラビアがキルギスに1対0で勝利したので日本とサウジアラビアが勝ち点「3」を獲得、キルギスと中国は勝ち点「0」からのスタートになったがどちらも1点差。スコアの上では僅差だった。「D組は日本とサウジアラビアの2強」と言われているがサウジアラビアを相手に0対1だったキルギスは侮れない。ただ、首位通過のためにも3点くらいは欲しい試合になる。
日本は苦しんだが終わってみるとボール支配率は77%。シュート数は25本対4本。中国のパス成功率はわずか47%のみ。CKの本数も日本が12回で中国は3回のみ。ほぼハーフコートゲームだった。この世代の日本代表(=高卒2年目の世代)は前後の世代と比べると明らかにタレントは不足しており、日本にとってはやや人材が不足している世代になるがその世代との対戦でさえ、こうなるので中国サッカーは深刻である。
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