■ J2の第2節J2の第2節。開幕戦はアウェイで栃木SCと対戦して1対1の引き分けに終わったロアッソ熊本はホームのえがお健康スタジアムでブラウブリッツ秋田と対戦した。ともにオフの移籍市場でレギュラー格の選手が半分ほど流出した。苦しいオフになったが熊本はFW石川大(鳥取)、DF大本(FC琉球)、DF岡崎慎(FC東京)などを獲得した。秋田もMF諸岡(福島)、FW丹羽(金沢)、DF河野貴(北九州)などを獲得した。
ホームの熊本は「4-4-2」。GK田代琉。DF黒木晃、江崎、相澤。MF藤田一、三島頌、竹本、平川怜。FW粟飯原、石川大、島村拓。開幕戦でレッドカードを受けたFW松岡瑠は出場停止。J3のFC今治から獲得したFW島村拓が移籍後初スタメンとなった。2018年に当時はJ2だったFC岐阜に期限付き移籍したがこの時の監督が大木監督になる。開幕戦で先制ゴールを決めたFW石川大が3トップの中央でプレーする。
アウェイの秋田は「4-2-2-2」。GK圍。DF高田椋、阿部海、河野貴、飯尾竜。MF藤山、諸岡、中村亮、三上。FW齋藤恵、青木翔。スタメン11人は開幕戦と同じ。正キーパーのGK田中雄が流出したが190センチのGK圍が開幕からスタメンで起用されている。GK圍は大津高の出身になる。DF池田樹とDF千田がW流出したCBはともに新加入のDF阿部海とDF河野貴が起用された。DF阿部海は期限付き移籍となる。
■ ともに主力が半数ほど流出した。ともに主力が半数ほど流出したので前評判は低かった。開幕前の順位予想で降格候補に挙げる人も少なくなかったがアウェイの秋田ペースとなる。持ち味であるロングボールを有効に活用したサッカーでチャンスを作った。右SBのDF高田椋のロングスローも武器になった。やや劣勢の展開になった熊本は移籍後初出場となるレフティのFW島村拓が存在感を発揮。テクニックを生かして攻撃の起点になった。
前半38分にはFW島村拓のクロスから右ウイングのFW粟飯原がヘディングシュートを放ったがキーパーの正面に飛んだ。秋田は前半45分に右SBのDF高田椋にビッグチャンスが訪れたがコース隅を狙ったシュートは惜しくも枠を捉えることは出来ず。前半は0対0で折り返した。迎えた後半8分に秋田がパスワークから右サイドを崩すとMF中村亮のクロスからボランチのMF藤山が頭で合わせて先制ゴールを奪った。
168センチのMF藤山はJ2通算3ゴール目。群馬との開幕戦はスコアレスドローに終わったのでこのゴールが秋田にとっての今シーズンの1stゴールになった。1点を追う熊本は長身フォワードのFW大崎舜やFW道脇を投入。終盤は高さを活用しようとしたが大きなチャンスは作れなかった。1対0で逃げ切った秋田が今シーズンの初勝利を手にした。秋田は1勝1分け。ホームで敗れた熊本は1敗1分けとなった。
■ J2の22クラブの中でも極めて異質なサッカー秋田は今シーズンも開幕から3試合はアウェイ戦になる。「雪の多い地域で活動している。」というハンディを背負っているが2試合を終えて1勝1分け。好スタートを切った。GK田中雄、DF千田、DF池田樹、MF稲葉という守備の中心だった選手が揃って流出したので特に守備陣が不安視されていたが2試合連続でクリーンシートを達成した。昨シーズンも終盤は絶好調だったがこれで計7試合負けなしとなった。
メンバーが大きく入れ替わったものの、昨シーズンの終盤の勢いは継続中と言える。次の3節は昇格1年目ながら開幕2連勝と好スタートを切った藤枝MYFC戦。「攻撃力の高い藤枝MYFC vs 守備力の高い秋田」という構図になるが注目の一戦と言える。興味深いカードと言えるが秋田のサッカーはかなり独特である。ハーフウェイライン付近でFKを得たときもしっかりとボールをセットしてリスタートする。
キーパーのGK圍など後ろのポジションの選手がロングキックを蹴るシーンは非常に多い。FKやスローインのときはゆっくりと時間をかけてプレーを再開するのでいわゆるアクチュアル・プレイング・タイムは非常に短い。J2の22クラブの中でも極めて異質なサッカーと言えるが「異質である点」は秋田の武器の1つになっている。他のクラブとはリズムやテンポが大きく異なるので対戦相手はペースを狂わされてしまう。
「正確なポジションをとって丁寧にショートパスをつなごうとするクラブ」がJ2でも増えてきた。「縦に速いサッカー」というのも今のJリーグのトレンドになっているがすべてのクラブが同じようなサッカーを志向して多様性が無くなると面白くなくなる。どちらかというと古典的なサッカーなので秋田のサッカーに否定的な人は少なくないと思うが独自路線であっても自分たちのサッカーを貫くのは全く悪くない。
■ 新加入でレフティのFW島村拓が大きな存在感を発揮熊本もオフにメンバーが大きく入れ替わって新しいスタートを切ったがこちらは味方同士のコンビネーションが重要。秋田のサッカーと比べるとある程度のレベルに達するまでには時間が必要と言える。トップ下でプレーするMF平川怜は今シーズンはキャプテンとして攻守の中心にならないといけないがその周りでプレーする選手に多くは新加入組 or 昨シーズンは控えだった選手である。チームはガラッと変わった。
模索段階と言えるがMF河原創やFW杉山直やFW高橋利やDF菅田やFW坂本亘など絶対的な存在だった選手がごっそりと抜けたのは残った選手ならびに新加入選手にとっては大きなチャンスである。既存の選手では大卒2年目のDF江崎とMF藤田一がレギュラーとして起用されており、大卒ルーキーのDF相澤も「3バックの左」で起用されている。さらにキーパーの大卒3年目のGK田代琉もスタメンでプレーしている。
MF河原創やFW杉山直やFW高橋利やDF菅田やFW坂本亘あたりも試合経験を積んで大きく成長した。彼らに続く選手が出てくることが期待されるがホーム開幕戦では新加入でレフティのFW島村拓が大きな存在感を発揮した。開幕戦でレッドカードを受けたFW松岡瑠に代わって左ウイングの位置でスタメン出場したが持ち味であるテクニックとアジリティとアイディアを武器にチャンスメーカーとして起用した。
2020年はC大阪U-23、2021年と2022年はFC今治でプレーした。決定力に課題を抱えている選手なのでなかなか数字は伸びず。昨シーズン限りでFC今治との契約は満了になったがそれでもJ2の熊本への加入を果たした。「契約満了→個人昇格」というのは珍しいがテクニックとアジリティとアイディアがあって攻撃センスは相当に高い。SBやWBでもプレーできる選手なのでMF三島頌やMF竹本の位置でも面白い。
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