■ J3がいよいよ開幕!J1とJ2に続いてJ3もいよいよ開幕を迎えた。初年度のJ3で7位に終わって「1年でのJ2復帰」を逃した愛媛FCはホームのニンジニアスタジアムでいわてグルージャ盛岡と対戦した。2021年のJ3で2位となって「初のJ2昇格」を達成した岩手だったが2022年のJ2で最下位に終わって「1年でのJ3降格」となった。2022年は所属するカテゴリーが違ったのでJリーグの舞台で両チームが対戦するのは史上初めてとなる。
ホームの愛媛FCは「4-2-3-1」。GK徳重。DF吉永昇、森下怜、小川大、山口竜。MF矢田、深澤佑、曽田、佐々木匠、茂木駿。FW松田力。DF内田健、MF横谷、FW吉田眞、MF田中裕、MF近藤貴、DF栗山などベテランがたくさん退団して大きく若返った愛媛FCはDF吉永昇、DF山口竜、MF深澤佑、MF曽田の4人が新戦力となる。右SHでプレーするMF曽田は地域リーグの福山シティFCからの個人昇格となる。
アウェイの岩手は「4-1-2-3」。GK丹野。DF石田崚、甲斐、田代真、新保。MF弓削、松原亘、和田昌。FW宮市剛、ドウグラス・オリベイラ、桐。アトランタ五輪代表の松原良香監督が就任した岩手もメンバーが大きく入れ替わった。MF中村太、DF牟田、MF脇本、FWブレンネル、FWモレラトなどが退団して若手主体のチームに生まれ変わった。FWドウグラス・オリベイラはJ1の札幌からの期限付き移籍となる。
■ 予想に反して一方的な展開に試合は予想に反して一方的な展開になった。前半6分に岩手がCKを獲得すると山口から期限付き移籍のDF新保がキッカーを務めた。得意の左足で中央に鋭いボールを入れると飛び込んできた185センチのFW宮市剛が豪快に合わせてアウェイの岩手が先制に成功する。さらに前半23分にも左SBのDF新保のスルーパスから抜け出したFW桐が相手CBをかわしてから左足で冷静に決めて大きな追加点を奪った。
大卒2年目のFW桐は嬉しいJリーグ初ゴールとなった。2点を追う愛媛FCは後半開始から右SBのDF吉永昇と右SHのMF曽田を下げてDF三原秀とMF佐藤諒を投入。右サイドのテコ入れを図ったが勢いに乗る岩手は後半4分にもFWからこぼれ球をDF田代真が決めて3点目。さらに後半7分にもDF新保のFKからFW宮市剛が豪快に決めて4点目を奪った。DF新保は3アシスト、FW宮市剛は2ゴールを挙げる大活躍だった。
攻守に相手を圧倒する岩手は後半19分にもゴール前でFKのチャンスを得るとレフティのDF新保が直接決めてダメ押しの5点目を奪った。3点を追う愛媛FCは後半24分にMF茂木駿のクロスから途中出場したMF佐藤諒が頭で合わせてようやく1点を返したが焼け石に水だった。アウェイながら5対1で大勝した岩手が開幕戦で勝ち点「3」を獲得した。敗れた愛媛FCはホームで開幕戦を戦ったがまさかの大敗を喫した。
■ 5ゴールのうち、セットプレーから4つのゴール松原良香監督を招聘して社長も交代となった。J3に降格して新しい体制で再スタートを切った岩手がアウェイでゴールラッシュを見せた。過去を振り返ってみてもJ2からJ3に降格したクラブは軒並み初年度のJ3で苦戦をしている。J2からJ3に降格した14チームの中で「1年でJ2復帰」に成功したのは2016年の大分のみ。14チームのJ3初年度の平均順位も6.92位なので大苦戦しているが岩手は最高のスタートを切った。
5ゴールのうち、セットプレーから4つのゴールが生まれたが山口からの期限付き移籍となる左SBのDF新保は1ゴール3アシスト。神がかり的な活躍を見せた。2点目のFW桐のゴールは直前にFW桐がドリブルをして相手をかわしているので媒体によってはアシストが付かないことも考えられるが後半4分に生まれた3点目のDF田代真のゴールもDF新保のFKから始まっている。5ゴール全てに絡む大活躍だった。
左足のキックの正確さはC大阪U-18の頃から評価されてきた。C大阪U-23でも活躍したが昨シーズンはJ3の宮崎で活躍。27試合で1ゴール3アシストだった。DF橋本健(山口→横浜FC)が抜けた山口に復帰せずにJ3の岩手に再レンタルとなったのはかなり意外だったが初戦で大きなインパクトは残した。岩手はFW宮市剛など高さのある選手が多いチームなので彼の左足はさらに威力を発揮すると思われる。
2点目を挙げたFW桐は嬉しいJリーグ初ゴールとなった。大卒ルーキーだった2022年はJ2で11試合に出場。キレのあるドリブルが大きな武器となるが松原良香監督になって序列が上がっている模様。開幕スタメンをゲットすると1ゴール1アシストと活躍した。164センチなので小柄なアタッカーになるがアジリティを持った選手でブレイク候補の1人に挙げられる。FW宮市剛も2ゴールと素晴らしい開幕戦になった。
■ 愛媛FCにとってはショッキングな敗戦敗れた愛媛FCにとってはショッキングな敗戦と言える。1月28日(土)に行われた鳥取とのトレーニングマッチで0対6で大敗するなど不安が残る中で開幕を迎えたがあっさりと失点を重ねた。先のとおり、5失点のうち、4つがセットプレーだったが、高さのある選手はキーパーのGK徳重くらい。愛媛FCのスタメン11人の平均身長は175.00cmだった。岩手は177.27cmなので空中戦の勝負になるとかなり苦しくなる。
シュート数は愛媛FCが14本、岩手は11本だった。岩手よりも多くのシュートを放ったが試合を通して岩手が主導権を握った。11本のシュートのみだったが岩手は決定的なチャンスが多かった。188センチのFWドウグラス・オリベイラは高さとパワーを併せ持った大型ストライカーなので最終ラインの高さが不足している愛媛FCは彼への対応で大いに苦労した。両CBは彼を潰せずに前線で何度も起点を作られた。
攻撃陣は1得点のみ。途中出場したMF佐藤諒のヘディングで1点を返したが時すでに遅し。追撃弾を決めたMF佐藤諒も怪我をして負傷交代するなどポジティブなニュースの少ない開幕戦になった。ベテランがたくさんチームを離れて若手が一気に増えたのでチームが出来上がるまでに少し時間がかかると思うが昨シーズンは開幕3連敗と出遅れた。出遅れると挽回するのは難しい。同じ失敗は繰り返したくない。
大敗したので次節はメンバーを入れ替えてくると思われるが途中出場した大卒1年目のMF谷本は存在感を発揮した。C大阪U-18出身でDF瀬古、MF喜田陽、MF鈴木冬、DF石尾などが同期となる。C大阪U-18の黄金世代の1人になるがユース時代は年代別代表でもプレーした。当時はサイドハーフだったが大学でボランチにコンバートされてプロ入りのチャンスを得た。テクニックがあってターンが上手な選手である。
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