■ Jリーグがいよいよ開幕2023年のJリーグがいよいよ開幕した。FW仲川(横浜FM)、MF小泉慶(鳥栖)、FWペロッチ(シャペコエンセ)を獲得するなど効果的な補強を行って「優勝候補の一角」に挙げられるFC東京はホームの味の素スタジアムで浦和レッズと対戦した。ポーランド出身のマシエイ・スコルジャ監督を招聘した浦和は8位からの巻き返しを図るシーズンになるがACLの決勝戦は4月末と5月初めに開催されることになった。
ホームのFC東京は「4-1-2-3」。GKスウォビィク。DF中村帆、木本、エンリケ・トレヴィザン、バングーナガンデ・佳史扶。MF東慶悟、小泉慶、松木玖。FW仲川、ディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトン。注目のFW仲川とMF小泉慶はスタメン出場。FWペロッチはベンチスタートとなった。大黒柱のDF森重は開幕に間に合わず。2022年は怪我の影響で6試合のみだったDFエンリケ・トレヴィザンが起用された。
アウェイの浦和は「4-2-3-1」。GK西川。DF酒井宏、アレクサンダー・ショルツ、ホイブラーテン、明本。MF伊藤敦、岩尾、ダヴィド・モーベルグ、小泉佳、大久保智明。FWブライアン・リンセン。リカルド・ロドリゲス監督が退任して新しいサッカーに取り組むことになったがノルウェー出身のDFホイブラーテンがスタメン出場。2022年の夏に加入したFWブライアン・リンセンが1トップの位置で起用された。
■ 38,051人という大観衆が集まった注目の一戦38,051人という大観衆が集まった注目の一戦はFC東京ペースになったがなかなかシュートチャンスを作れない。やや劣勢の浦和だったが前半39分にGK西川のパントキックからチャンスを作る。MF小泉佳がドリブルで中央を切り崩してMF大久保智明にパス。MF大久保智明のパスを受けたFWブライアン・リンセンがフリーでシュートを放ったがGKヤクブ・スウォビィクが好セーブ。副審のフラッグも上がっていた。
0対0で迎えた後半開始からFC東京は前半にイエローカードを受けていたMF東慶悟を下げてMF安部柊を投入。今シーズンから8番を背負うことになったMF安部柊を投入すると厚みのある攻撃を見せるようになった。後半21分に左の奥でボールを受けたMF安部柊が上手い切り替しからクロスを入れると戻って来た浦和のMF小泉佳の体に当たってゴールイン。オウンゴールとなってFC東京が先制に成功する。
さらに後半29分にもFWディエゴ・オリヴェイラを起点にチャンスを作ると途中出場したFW渡辺凌がフリーでシュート。またしてもDF酒井宏の体に当たってゴールイン。FC東京が大きな追加点のゴールを奪った。1点目はオウンゴールだったが2点目はFW渡辺凌のゴールと記録された。2対0で勝利したFC東京は「悲願のJ1初優勝」に向けて好スタートを切った。敗れた浦和は「完敗」というしかない試合になった。
■ 「層の厚さはJ1屈指」4万人近くの大観衆が集まったが激しい試合になった。序盤から両チームの選手が判定に対してナーバスになった。MF東慶悟に対して2枚目のイエローカードが出てもおかしくないシーンはあったが90分を通して強度の高いサッカーを続けたFC東京が完勝。最高のスタートを切った。FC東京はオフの補強によって選手層が分厚くなったが途中出場した選手が能力の高さを示した。ベンチワークも巧みだった。
1点目は後半開始から登場したMF安部柊のプレーが相手のオウンゴールを誘発した。MF安部柊も昨シーズンはほぼ主力だったがMF小泉慶が加入して現時点ではサブに降格している。悔しい思いを持っていると思うが素晴らしいプレーを見せて勝利に大貢献した。2点目を奪ったFW渡辺凌も昨シーズンの終盤は主力だったがFW仲川の加入でベンチスタート。こちらも悔しい思いをバネに勝利に大貢献した。
FC東京はもともと選手層の厚いクラブだったがオフの補強でさらに厚くなった。MF荒井悠(昌平高)、MF西堂(早稲田大)、FW熊田(FC東京U-18)、MF俵積田(FC東京U-18)など新卒の選手の評価も非常に高いことを考えると「層の厚さはJ1屈指」と言っても過言ではない。ほとんどのポジションで高いレベルの競争が出来ている点もFC東京の強みと言える。左SBもDFバングーナガンデ・佳史扶とDF長友の競争になっている。
大の苦手にしている浦和を相手にホームで勝てたのは非常に大きいが38,051人という大観衆が集まるとスタジアムの雰囲気は良くなる。当然、アウェイの浦和のサポーターも非常に多かったがようやく応援も完全に解禁されてコロナ前のスタジアムが戻って来た。この試合に限った話ではないがJ1もJ2もお客さんがたくさん入って強度の高いサッカーを見せる試合が多かった。応援の声があると選手の士気は上がる。
■ ポーランド出身のマシエイ・スコルジャ監督敗れた浦和はなかなかいい形を作れなかった。シュート数はFC東京も5本のみ。そこまでシュートチャンスを作れなかったが浦和はわずか3本のみ。前半39分のFWブライアン・リンセンのシュートは惜しかったがそれ以外ではほとんどいい形を作れず。マシエイ・スコルジャ監督を招聘して新生・浦和に期待を寄せていたサポーターはたくさんいると思うが改革2年目のFC東京との差を見せつけられる内容だった。
リカルド・ロドリゲス監督のときはボールをつなぐサッカーに取り組んだがスコルジャ監督になって「縦に速いサッカー」を志向することになった。縦に速いサッカーというのはJリーグのみならず、世界のサッカー界のトレンドなので「進むべき方向性としては全く間違いではない。」と言えるが、ここ2年間、リカルド・ロドリゲス監督の下でやって来たサッカーを全否定して新しいサッカーに取り組むのは有益ではない。
前監督のサッカーとスコルジャ監督のサッカーのいいところを上手く融合させないと横浜FMや川崎Fのような強豪との差を縮めることは出来ない。スコルジャ監督の手腕に注目が集まるがキーになるのはCFだろう。期待されていたFWギアクマキス(アトランタ)の獲得には成功せず。FWブライアン・リンセン、FW興梠、FW高橋利の3人がレギュラー候補となるがこの日はFWブライアン・リンセンが起用された。
オランダのエールディビジで100ゴール以上を記録した選手なので実績は申し分ない。ストライカーとしての資質に疑いの余地はないが170cmなのでサイズのある選手ではない。彼を目掛けてロングボールを蹴ってもノーチャンス。また、爆発的なスピードがあるわけでもない。彼のところにいいボールを供給できると高確率でネットを揺らしてくれると思うがこの日は彼の良さが生きるパスはほとんど出てこなかった。
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