■ Jリーグがいよいよ開幕2023年のJリーグがいよいよ開幕した。MF河原創(熊本)、FW横山歩(松本山雅)、FW富樫敬(仙台)、DF山崎浩(山形)を獲得するなど効果的な補強を行って「ダークホース的な存在」になっているがサガン鳥栖はホームの駅前不動産スタジアムで湘南ベルマーレと対戦した。湘南も韓国代表のGKソン・ボムグン(全北現代)を獲得してFW山下敬(FC東京)やMF小野瀬(G大阪)も獲得するなど戦力アップに成功した。
ホームの鳥栖は「3-4-2-1」。GK朴一圭。DF原田亘、山崎浩、中野伸。MF福田晃、河原創、岩崎、長沼、西川潤、本田風。FW小野裕。FW垣田(→鹿島)とFW宮代(→川崎F)がともにレンタル終了となって手薄なフォワードはFW小野裕が起用された。熊本から獲得したMF河原創はスタメン出場。山形から加入したDF山崎浩が「3バックの中央」でプレーする。FW横山歩、FW富樫敬、MF樺山はベンチスタートとなった。
対するアウェイの湘南は「3-1-4-2」。GKソン・ボムグン。DF舘幸希、大岩、杉岡。MF永木、石原広、畑大雅、小野瀬、平岡大。FW町野、大橋祐。日本代表としてW杯に参加したFW町野の相方は新加入のFW山下敬ではなくてFW大橋祐となった。GK谷がレンタル終了となったキーパーはGKソン・ボムグンがスタメン出場。こちらもカタールW杯のメンバーだった。新加入のMF小野瀬もスタメン出場となった。
■ 5対1で大勝した湘南が白星スタート試合は予想に反して湘南ペースになった。立ち上がりの前半3分に高い位置でMF西川潤にプレスをかけてカウンター。DF杉岡がアーリークロスを入れるとFW大橋祐がうまく合わせて先制に成功する。1点を追う鳥栖は前半13分にFKからこぼれ球をMF長沼がシュート。ネットを揺らしたがオフサイドと判定されてゴールは認められず。命拾いした湘南は前半36分にもカウンターからFW大橋祐が決めて追加点を奪った。
前半46分にまたしても鳥栖はFKからMF福田晃のシュートでネットを揺らしたがまたもオフサイドの判定でゴールは認められず。直後の前半50分にMF小野瀬のパスから高卒3年目のMF平岡大が決めて湘南が3点目を奪った。まさかの展開になった鳥栖は前半54分にMF岩崎のパスからFW小野裕が決めて1点を返したが1対3で前半を折り返した。勢いに乗る湘南は後半15分にもFW大橋祐が決めて4点目を奪った。
FW大橋祐はハットトリックを達成する大活躍だった。さらに後半19分にはMF永木のCKからMF小野瀬がダイレクトシュートを決めてダメ押しの5点目を奪った。MF小野瀬は1ゴール1アシスト、FW町野も2アシストの活躍だった。5対1で大勝した湘南が白星スタートを切った。目標である5位以内に向けて最高のスタートを切った。敗れた鳥栖はミスから失点を重ねた。川井監督になって2年目。大敗スタートとなった。
■ 鳥栖のスタメン11人の平均身長は174.81cm前評判は鳥栖の方が高かった。鳥栖のホームということもあって「鳥栖が試合を優位に進める。」という予想が多かったが予期せぬ展開になった。鳥栖はパスをつなぎたいチームになるが湘南のプレスが激しくてミスを連発。結局、1失点目も2失点目も3失点も鳥栖の選手の軽率なロスト or パスミスから生まれている。「3-4-2-1」というかなり攻撃的なシステムなので変な奪われ方をすると、即、ピンチになる。
困ったときの逃げ道がないのはきつい。この日の鳥栖のスタメン11人の平均身長は174.81cm。2022年の平均身長も175.98cm。これは横浜FMの175.71cmに次いでJ1の18クラブの中では2番目に低かった。もともと背の高いチームでは全くないが183cmのDFジエゴ、187cmのFW垣田、178cmのFW宮代などが抜けてさらに平均身長は下がった。MF小泉慶も173cmなので169cmのMF河原創よりは身長が高い。
出しどころが見つからないときにロングボールを蹴れないのは後ろの選手にとってはキツイ。最前線でプレーするFW小野裕は170cm。追撃のゴールを決めたが高さやスピードのある選手ではないので依然として「1トップを誰にするのか?」は注目点に挙げられる。仙台で結果を残して個人昇格を果たしたFW富樫敬も178cmなので長身というわけではないがパワーやスピードがあるのである程度は起点になれる。
FW横山歩も170cmなのでサイズのある選手ではないが爆発的なスピードがあるので裏のスペースに蹴ったとしてもある程度の確率でマイボールになる or 決定機になる。5失点も喫すると「守備陣が不安」と言われてしまうが「ボールの失い方の悪さ」が大きな問題であり、湘南のチャンスの多くはロストからのカウンターだった。本職のCBはスタメン11人の中でDF山崎浩のみ。彼にかかる負担や期待は大きい。
■ FW大橋祐紀が開幕戦からハットトリック達成湘南は最高のスタートを切った。今シーズンは「5位以内」という明確な目標を掲げているがこれ以上ないほどのスタートを切った。すでに触れたとおりでカウンターが威力を発揮した。相手のミスを誘発したプレスも見事だった。最後の5点目はMF小野瀬のダイレクトボレーだったがセットプレーからの得点がそこまで多くないチームなのでこういう形で事前に準備してきた形から狙い通りのゴールが決まったのも大きい。
当然、判定自体は正しかったので「運が良かった。」と表現するのは適切ではないかもしれないが、やはり、この日の湘南は運にも味方された。前半だけで鳥栖のゴールが2つオフサイドで取り消された一方で逆に湘南の2点目は最初はオフサイド判定だったがゴールが認められた。最終ジャッジが湘南側に有利に働くケースが続くと湘南の選手のモチベーションは上がって鳥栖の選手やスタッフは意気消沈する。
鳥栖の2つのゴールがオフサイドと判定されたのは湘南にとってはエネルギーになったがヒーローは文句なしでFW大橋祐になる。当然、日本代表のFW町野に注目が集まっており、新加入のFW山下敬にかかる期待も大きかったが開幕スタメンを勝ち取ったのはFW山下敬ではなくてFW大橋祐だった。J1通算では67試合で7得点。昨シーズンまではそこまで結果を出せなかったがブレイクを予感させる活躍だった。
開幕戦からいきなりハットトリックを達成したが「J1の開幕戦でハットトリックを達成した選手」というのは今回のFW大橋祐で6人目(6回目)。過去の達成者は1993年のMFジーコ、1997年のFWマジーニョ、2000年のFWバロン、2006年のFW我那覇とFW柳沢のみ。J1では久しぶりの開幕戦のハットトリックとなった。FW大橋祐のゴール数が順調に伸びていくようだと相方のFW町野にかかる負担は軽減される。
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