■ Jリーグがいよいよ開幕2023年のJリーグがいよいよ開幕した。時崎監督になって2年目の栃木SCはホームのカンセキスタジアムとちぎでロアッソ熊本と対戦した。2022年の熊本は昇格1年目ながら快進撃を見せて4位でプレーオフに進んだが惜しくも参入決定戦で京都と引き分けて「J1初昇格」を逃した。熊本はオフにMF河原創(→鳥栖)、FW高橋利(→浦和)、MF杉山直(→G大阪)など主力数名が流出するなど苦しいオフになった。
ホームの栃木SCは「3-4-2-1」。GK藤田和。DF福島隼、岡崎亮、大谷尚。MF西谷優、佐藤祥、黒崎、大森渚、高萩、森俊貴。FW根本凌。大ベテランのFW矢野貴はベンチ外。湘南から期限付き移籍中のFW根本凌が1トップの位置で起用された。守備の要だったDFカルロス・グティエレス(→町田)が流出したが3バックの中央で起用されたのはDF岡崎亮だった。キーパーはパリ世代のGK藤田和が起用された。
対するアウェイの熊本は「3-4-3」。GK田代琉。DF黒木晃、江崎、相澤。MF藤田一、三島頌、竹本、平川怜。FW粟飯原、石川大、松岡瑠。メンバーは大きく入れ替わったが大卒ルーキーのDF相澤が3バックの左で開幕スタメンを飾った。DF菅田(→仙台)が抜けた最終ラインを統率するのは大卒2年目のDF江崎。昨シーズンはMF登録だったが今シーズンはDF登録となった。16歳のFW道脇がベンチ入りを果たした。
■ 試合は引き分けに終わった。16時キックオフの試合は栃木SCペースで進んでいく。激しいプレスをかけて熊本に自由を与えなかった。劣勢の展開になった熊本だったが前半14分に古巣対決となるFW松岡瑠が放ったシュートはバーに直撃する。さらに前半33分にもMF三島頌のミドルシュートがバーに直撃する。熊本はあまりシュートチャンスを作れなかったが惜しいシーンはいくつか作った。前半は栃木SCが優勢だったが0対0で折り返した。
迎えた後半4分に栃木SCはFW根本凌がゴール前で粘ってヘディングでシュートを放ったが戻って来た熊本のMF竹本がライン上で防いだ。後半21分には左WBのMF大森渚のパスカットからカウンター。抜け出した右WBのMF黒崎がキーパーと1対1の決定機を迎えたが熊本のキーパーのGK田代琉が好セーブを見せた。ピンチを防いだ熊本は後半23分にFW粟飯原のクロスからFW石川大が決めて先制に成功する。
J3の鳥取で15ゴールを挙げる大活躍を見せて熊本への個人昇格を果たしたFW石川大はFC岐阜時代の2018年以来なのでかなり久しぶりとなるJ2でのゴールとなった。このまま逃げたかったが後半37分にFW松岡瑠が2枚目のイエローカードを受けて退場。10人になった。1点を追う栃木SCは後半46分にCKからMF森俊貴がヘディングで合わせて土壇場で1対1の同点に追いついた。試合は引き分けに終わった。
■ 14ゴールのFW高橋利の穴をどこまで埋めることが出来るか?ともに前評判はあまり高くない。降格候補に挙げる人は少なくないが激しい試合になった。強度の高い試合だったがともにそこまでいい形は作れず。上手くパスが回ってチャンスを作る場面はどちらも少なかったが熊本は新加入でエース候補のFW石川大のゴールで先制に成功した。FW高橋利が流出したもののCF系の選手の補強は大学生のFW大崎舜(福岡大)くらい。CFが不安視されていたがFW石川大が結果を残した。
それまでの時間帯も前線で起点となる働きはしていたので「出来としてはまずまず良かった。」と言えるがうまくゴール前に入っていってアウトサイド気味のシュートでネットを揺らした。難易度の高いシュートだったがゴールに吸い込まれた。鳥取のときはサイドハーフでプレーする機会が多かったがJ3で33試合で15ゴールと大活躍した。14ゴールのFW高橋利の穴をどこまで埋めることが出来るか?は注目される。
熊本にとって勿体なかったのは後半37分のFW松岡瑠のレッドカードになる。1対0とリードを奪っていたがそれまで選手交代はゼロ。「流れを変えたくない。」という考えはあったと思うが前半にイエローカードを受けていたFW松岡瑠は守備の部分で大きな貢献ができる選手ではないことを考えるとリスク回避で早めに下げた方が良かった。非常に危ないプレーだったので2枚目のイエローカードが出た判定は妥当だった。
リードを奪った状態で後半のアディショナルタイムを迎えたが今シーズンの熊本は高さがないチームなので押し込まれると厳しい。スタメン11人の中で180cmを超えているのは185cmのキーパーのGK田代琉のみ。「フィールドプレーヤーで180cmを超えている選手がゼロ」というのはJ1やJ2では相当に珍しい。183cmのDF菅田と182cmFW高橋利が抜けて高さが無くなった点は目下の不安要素に挙げられる。
■ 19歳のMF安田虎士朗が値千金の同点アシスト!後半のアディショナルタイムに追いついて勝ち点「1」を拾った栃木SCは戦いぶりは悪くなかった。どちらかというと栃木SCが主導権を握る展開だったので勝てるチャンスはあった。後半4分にはFW根本凌、後半21分にはMF黒崎に決定機が訪れたがチャンスで決められないと勝つのは難しくなる。2022年は42試合で32得点。極度の得点力不足に苦しんだが点を取れないと残留争いに巻き込まれる可能性が高まる。
今オフの栃木SCは選手の入れ替えが非常に少なかった。J2で下位に沈んだクラブでこれだけ選手の入れ替えが少ないケースは珍しい。良くも悪くも継続路線と言えるが得点力アップのためには既存の選手の成長は不可欠である。湘南からのレンタル期間を延長して栃木SCに残留したFW根本凌は183cmの長身。2022年は途中加入ながら20試合で5ゴールと活躍したが「2桁ゴールはノルマ」と言える。
中盤から前目のポジションの新戦力はMF山田雄(柏)とMF安田虎(FC東京)の2人だけ。テクニシャンのMF谷内田(→京都)がレンタルバックとなったので同系統の選手である2人にかかる期待は大きいが高卒2年目で19歳のMF安田虎は後半38分に投入されて終了間際のMF森俊貴の同点ゴールをアシスト。鮮烈な印象を残した。MF森俊貴のシュートは相手の背中に当たってコースが変わったので運も味方した。
アシストの場面はショートCKだったが最初のボールタッチは少し大きくなった。相手に詰められてブロックされる可能性もあったがゴール前に鋭いクロスを供給することが出来た。走りこんできたMF森俊貴の頭にピタッと合ったがDF岡崎亮やFW宮崎鴻など背の高い選手が警戒される中、いいところにボールを供給することが出来た。MF上村周の背中に当たってコースが変わったので熊本にとっては不運な失点だった。
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