■ Jリーグがいよいよ開幕2023年のJリーグがいよいよ開幕した。2022年の天皇杯を制してACLに出場するヴァンフォーレ甲府はホームのJIT・リサイクルインク・スタジアムでモンテディオ山形と対戦した。甲府は1週間前に行われた横浜FMとの「FUJI FILM SUPER CUP」は1対2で敗れたがJ1王者の横浜FMを相手に奮闘した。クラモフスキー監督になって3年目となる山形は2015年以来のJ1復帰を目指すシーズンとなる。2022年はJ2で6位だった。
ホームの甲府は「4-2-3-1」。GK河田。DF須貝、山本英、エドゥアルド・マンシャ、三浦颯。MF松本凪、佐藤和、鳥海芳、長谷川元希、水野颯。FWピーター・ウタカ。1週間前の横浜FM戦と同じスタメンとなった。FWピーター・ウタカは2019年以来の復帰となる。この年はJ2で40試合に出場して20ゴールを挙げている。今シーズンは4バックを採用しており、新・10番のMF長谷川元希がトップ下で起用されている。
アウェイの山形は「4-2-3-1」。GK後藤雅。DF川井、熊本、野田裕、小野雅。MF藤田息、南、イサカ・ゼイン、後藤優、加藤大。FWデラトーレ。怪我明けのFW藤本佳はベンチスタート。今シーズンから10番を背負うMFチアゴ・アウベスもベンチスタートとなった。山形はオフにDF山崎浩(→鳥栖)、MF山田康(→柏)が流出して17試合で8ゴールのFWディサロ・燦・シルヴァーノ(→清水)もレンタルバックとなった。
■ MFチアゴ・アウベスのPKが決勝ゴールに・・・。試合は開始早々の前半9分に右SBのDF川井の裏へのパスから抜け出したMFイサカ・ゼインが中央にグラウンダーのクロスを入れるとFWデラトーレが上手く合わせてアウェイの山形が先制に成功する。J2の開幕節はこの試合のみ土曜日の13時キックオフだったので前半9分に生まれたFWデラトーレのゴールが2023年のJ2の1stゴールとなった。来日2年目のFWデラトーレは2022年は30試合で9ゴールだった。
1点を追う甲府は前半39分にCKからFWピーター・ウタカのシュートでネットを揺らしたがオフサイドの判定でゴールとは認められなかった。前半は1対0で終了した。後半開始から甲府は大卒ルーキーのMF水野颯を下げて大卒2年目のMF飯島陸を投入。MF長谷川元希のポジションがトップ下から左SHに移った。後半26分に甲府は途中出場したMF品田のCKから同じく途中出場のMF武富が合わせて同点に追いついた。
追いつかれた山形だったが後半31分にカウンターを発動。途中出場したMFチアゴ・アウベスが左サイドからドリブルで仕掛けるとエリア内でDF山本英に倒されてPKを獲得。これを自ら決めて2対1と勝ち越しに成功する。2対1で競り勝った山形はアウェイで白星スタートを切った。敗れた甲府は横浜FM戦に続いて1対2で敗れた。山形はFWデラトーレとMFチアゴ・アウベスがゴールをゲット。助っ人の活躍が目立った。
■ 持ち味を発揮したMF後藤優介などの新加入組山形はオフの移籍市場はやや劣勢だった。MF山田康、DF山崎浩、DF半田が流出して期限付き移籍のFWディサロ・燦・シルヴァーノの引き留めにも失敗した。MF田中渉、DF成瀬、MFイサカ・ゼイン、DF熊本、DF小野雅、MF後藤優などを獲得したが単純な戦力収支ではマイナスと言える。昨オフや一昨年のオフと比べるとあまりいい補強は出来なかったがそれでも完成度の高いチームなので何とかなる。
普通に考えるとMF山田康、DF山崎浩、DF半田、FWディサロ・燦・シルヴァーノが抜けると相当に大変である。ただ、やりたいサッカーは浸透しており、特定の誰かに頼ったサッカーではない。特に攻撃陣は誰が起用されても一定以上の活躍が見込める。FWデラトーレやMFチアゴ・アウベスは昨シーズンはベンチスタートが多かったが助っ人コンビに加えて大怪我からの復活からの復活を目指すFW藤本佳もいる。
昨シーズンと比べると攻撃陣の枚数が減って層がやや薄くなっている点は気になるが依然として破壊力はある。横浜FMを相手に善戦をした甲府と対峙しても山形が主導権を握る展開になった。山形は今シーズンも開幕から4試合は連続でアウェイ戦となる。アウェイが続く序盤戦をどう乗り切るのか?が注目点に挙げられるが今年は最高のスタートを切った。2節は千葉、3節は磐田、4節は群馬とのアウェイ戦になる。
新加入組のプレーに注目が集まったが清水時代にもクラモフスキー監督の指導を受けたMF後藤優はトップ下で好プレーを見せた。右SHのMFイサカ・ゼインは持ち味であるスピードを生かして先制弾をアシスト。左SBで起用されたDF小野雅は今シーズンの山形の武器になるだろう。ビルドアップのできるレフティなので山形のパスワークはさらに洗練されると思われる。Df熊本が前半に負傷交代したのは残念だった。
■ 山形のボール支配率は61.0%甲府はあまりいい試合にはならなかった。山形のボール支配率は61.0%。山形は昨シーズンの年間のボール支配率はJ2で5位となる55.0%。ボールを持てるチームではあるが61.0%も相手にボールを持たれると厳しい。もうすぐ39歳になるFWピーター・ウタカは依然として攻撃の時は明確な違いを生み出せるが走行距離(キロ)は極端に少ない。京都時代の2022年の「90分あたりの走行距離」は8.49キロだった。
これは一定以上の出場機会を得たJ1のフィールドプレーヤーの中ではワースト。ワースト2位が8.97キロのFWアダイウトン(FC東京)なのでワースト2位以下との差も大きい。年齢を考えるとFWピーター・ウタカにフル稼働を期待するは酷。山形のようにボールを持てるチームと対戦するときはFWピーター・ウタカではなくてもっと動ける選手をフォワードで起用した方がチームにとってはプラスになると考えられる。
「FWピーター・ウタカの起用法」は注目点に挙げられるがトップ下で起用されているMF長谷川元希がここまであまり目立っていないのは気になるところ。横浜FM戦もあまり良さを出せなかった。昨シーズンは「3-4-2-1」を採用する機会が多くて左シャドーが指定席となったが左サイドでボールを受けて右足でシュートを狙うプレーを得意にしている。トップ下よりも左SHの方が現状は良さを出しやすいのではないか。
攻撃陣はFW松本孝、FW三平、MF武富、MF飯島陸、MF宮崎純などもいる。選択肢がいくつかあるので最適な組み合わせを早く見つけたいが横浜FM戦に続いてベテランのMF武富が存在感を発揮した。途中出場して後半26分にCKから同点ゴールをゲットした。得点感覚を持った選手なので彼をトップ下で起用してMF長谷川元希を左SHに回すのも面白い。アシストを記録したMF品田の右足のキックも非常に良かった。
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