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【J3編】今オフの補強の中間評価～9位：ギラヴァンツ北九州、10位：ヴァンラーレ八戸、11位：FC今治、12位：アスルクラロ沼津～ | | |　

※　2022年12月23日(金)の夜の時点

12位：アスルクラロ沼津　C-

→　何と言っても元・日本代表の中山雅史氏がトップチームの監督に就任したことが大ニュースになる。監督は未経験なので至らぬところは出てくると思うがそのあたりは周りのスタッフがサポートすればある程度は大丈夫である。Jリーグに昇格する前から経営的には苦しくてお客さんもなかなか集まらない。同県のライバルである藤枝MYFCと比べても存在感は希薄だったので中山氏の招聘はいい選択に思える。

補強に関しては極めて静かなある。中心の1人に成長したMF北龍磨(→FC岐阜)を引き抜かれたが流出と言えるのは現時点では彼のみ。MF瓜生(→V大分)が古巣に復帰してGK野村(→富山新庄クラブ)とMF鬼島(→未定)が契約満了。GK三井(→名古屋)がレンタル終了となったが退団が決まったのはこの5人のみ。DF濱託巳、DF藤嵜、MF佐藤尚、DF大迫暁、DF附木などは契約更新が発表されている。

新たに加入が決まった選手も少ない。新卒の選手ならびにレンタルバックの選手を除くとFW津久井(ラインメール青森)、GK谷俊勲(Y.S.C.C.横浜)、DF市川侑(東京23FC)の3人のみ。Jリーグで実績のある選手はまだ獲得できていない。加入が決まった大学生もFW赤塚ミカエル(大阪産業大)のみ。中山監督の人脈をフル活用したいが磐田が例の問題で補強が禁止されているので磐田から選手を借りるのは難しい。

11位： FC今治　C-

→　大きな話題になったのはGKセランテス(UDログローニョ)の獲得になる。2019年と2020年にJ2時代の福岡でプレーして圧倒的な存在感を発揮したスペイン人キーパーがJリーグに復帰することになった。195センチの大型キーパーのGK茂木秀(→FC岐阜)がレンタル終了となったが経験と実績のあるキーパーの獲得に成功した。33歳になったので年齢的な衰えは心配されるが大きな戦力になる可能性は高い。

GKセランテスの獲得はポジティブなニュースになるがネガティブなニュースもいくつかある。大卒2年目でJ3のベストイレブンに選ばれたDF安藤智(→大分)の流出は当然のことながら痛い。また、途中加入ながら22試合で12ゴール。チーム内得点王という大活躍を見せたFW千葉寛(→徳島)もレンタル終了となった。22試合に出場したMF島村拓(→熊本)と21試合に出場したDF飯泉(→鳥取)は契約満了になった。

獲得が決まったのはMF安藤一(鳥取)、MF新井光(福島)、DF白井達(SC相模原)など。FW千葉寛が抜けた攻撃陣は地元出身のMF近藤高が残留。期待の若手のFW高瀬太も複数年契約で残留となったがMFインディオやMF中川風の動向は不明。29試合で9ゴール4アシストのMFインディオはまだ24歳。J2のクラブを中心に興味を示すクラブはたくさんあると思われる。2023年の攻撃陣の顔触れはまだ見えてこない。

10位：ヴァンラーレ八戸　C+

→　ラスト10試合で8勝2敗と好成績を残して10位に食い込んだ八戸は入れ替えの激しいオフになっている。MF中村太、FW有間潤、MF坪井、DF藤井航、DF佐藤和、DF廣瀬智、DF赤松、DF丸岡悟、GK服部、GK小池大などとの契約を更新せず。10人以上の選手が契約満了になった。流出したのはDF下堂(→富山)、MF野瀬(→北九州)の2人。守備の中心だったDF下堂、大卒1年目のMF野瀬が引き抜かれたのは痛い。

札幌大出身のMF野瀬はプロ1年目ながら18試合で4ゴール4アシストと活躍した。特に終盤戦の活躍は目覚ましくて9月以降は12試合で3ゴール4アシスト。終盤戦の快進撃の立役者の1人であり、ニュースター候補だったのでショックは大きいがMF相田、MF佐藤碧、MF丹羽一、MF國分将、MF新井山、DF近石などは契約更新が発表済み。即戦力クラスの選手をたくさん獲得しているので戦力アップには成功している。

加入が決まったのはFW宮本拓(長野)、DF三ッ田(FC岐阜)、MF妹尾(鳥取)、DF蓑田(SC相模原)、GK相澤ピーターコアミ(八戸)、FW佐久間(千葉)など。石崎監督の秘蔵っ子であるMF姫野(富山)の獲得も決まったのでまんべんなく各ポジションに実力者を獲得した。チーム内得点王が4ゴールのMF野瀬だったことを考えると2桁近くを計算できるストライカーが欲しかった。パワフルなFW宮本拓にかかる期待は大きい。

9位：ギラヴァンツ北九州　B-

→　大分や栃木SCなどで実績を積み上げた田坂監督を招聘して2021年以来のJ2復帰を目指すがここまでは出入りの激しいオフになっている。今オフも主力の流出は少なくない。8ゴールを挙げてチーム内得点王だったMF佐藤亮(→群馬)、守備の中心に成長したDF河野貴(→秋田)、スピードのある右SBのDF藤谷壮(→松本山雅)が移籍を決断した。この3人が2022年の総プレー時間のチーム内の上位3人だった。

期限付き移籍中の選手の動向もはっきりしない。FW高澤、MF針谷、DF中塩、MF西村恭、MF藤川虎などが期限付き移籍なので抜けると困る選手は少なくない。しかも、補強が禁止されている磐田からMF針谷とMF藤川虎を借りており、「この2人を引き止めるのはかなり難しい。」と思われる。特にMF藤川虎は29試合で5ゴール。総プレー時間はチームで5番目に多かったことを考えると退団のダメージは大きい。

レギュラー格の半数ほどが退団する可能性は高まっているがそれでも23試合で14ゴールと爆発したMF岡田優(宮崎)を獲得して終盤戦のJ3で目立った大卒1年目のMF野瀬(八戸)の獲得に成功。SBのDF夛田(SC相模原)も獲得した。補強した選手の顔触れはかなりいいと言えるが何と言っても大きいのは昨オフに長崎に完全移籍したDF村松航の復帰が決まった点。2020年の北九州の躍進に大貢献したCBの復帰が確定した。

　・2022/12/25 　【J3編】今オフの補強の中間評価～17位：福島、18位：鳥取、19位：いわて、20位：SC相模原～
　・2022/12/26 　【J3編】今オフの補強の中間評価～13位：松本山雅、14位：FC琉球、15位：YS横浜、16位：宮崎～
　・2022/12/26 　【J3編】今オフの補強の中間評価～9位：北九州、10位：八戸、11位：FC今治、12位：沼津～
　・2022/12/27 　【J3編】今オフの補強の中間評価～5位：長野、6位：富山、7位：愛媛FC、8位：奈良クラブ～
　・2022/12/27 　【J3編】今オフの補強の中間評価～1位：鹿児島、2位：FC岐阜、3位：FC大阪、4位：讃岐～