■ GLの初戦カタールW杯のGLの初戦。日本代表は11月23日(水)にドイツ代表と対戦した。日本の入ったE組は「スペインとドイツの2強」と言われているが日本代表はGL突破のためには初戦のドイツ戦で勝ち点を獲得しないといけない。過去のW杯を振り返ってみても初戦で敗れた1998年・2006年・2014年はいずれもGL敗退。初戦で勝ち点を獲得した2002年・2010年・2018年は見事にGL突破を果たした。大事な初戦となる。
日本は「4-2-3-1」。GK権田(清水)。DF酒井宏(浦和)、DF板倉(ボルシアMG)、DF吉田(シャルケ)、DF長友(FC東京)。MF遠藤航(シュツットガルト)、MF田中碧(デュッセルドルフ)、MF伊東純(スタッド・ランス)、MF鎌田(フランクフルト)、MF久保建(Rソシエダ)。FW前田大(セルティック)。4年前のロシアW杯の時と比べるとメンバーは大きく変わっており、DF吉田とDF長友以外の9名はW杯のデビュー戦となる。
ベンチスタートになったのはGKシュミット・ダニエル(シントトロイデン)、GK川島(ストラスブール)、DF山根視(川崎F)、DF谷口彰(川崎F)、DF冨安(アーセナル)、DF伊藤洋(シュツットガルト)、MF柴崎岳(CDレガネス)、MF守田(スポルティング)、MF三笘(ブライトン)、MF南野(モナコ)、MF相馬勇(名古屋)、MF堂安律(SCフライブルク)、FW上田(ブリュージュ)、FW町野(湘南)、FW浅野拓(VfLボーフム)の15名。
■ 驚きの逆転勝利!ドイツを撃破。試合は開始8分に右サイドからMF伊東純がグラウンダーのクロスを入れるとFW前田大が合わせて先制かと思われたが残念ながらオフサイドの判定でゴールは認められず。その後はドイツがペースを握った。何度も危ないシーンを作られた日本は前半31分にGK権田のファールでPKを献上。これをMFギュンドガンに決められて失点。先制ゴールを許す展開になった。MFギュンドガンはかつてはドルトムントで活躍した。
前半終了間際にもFWハバーツにネットを揺らされたがこれもオフサイドの判定でゴールは認められなかった。0対1で迎えた後半開始から日本はMF久保建を下げてDF冨安を投入。3バックに変更した。さらに後半12分にDF長友とFW前田大を下げてMF三笘とFW浅野拓を投入。攻撃的な布陣にシフトチェンジする。後半28分にMF伊東純が決定機を迎えたがGKノイアーが好セーブ。DF酒井宏のシュートも枠外だった。
大きなチャンスを逃した日本は後半30分にMF南野を投入すると直後のプレーでエリア内に侵入したMF南野が左足でクロス。GKノイアーがはじいたところを途中出場のMF堂安律が押し込んで1対1の同点に追いつくと後半38分にはDF板倉のFKから裏に抜け出したFW浅野拓が決めてあっという間に2対1と逆転に成功する。完璧なボールコントロールを見せたFW浅野拓はニアサイドを豪快に打ち破ることに成功した。
その後は当然のことながらドイツが攻め込む展開になった。日本は攻撃的な選手を次々に投入しているので「1点リードを逃げ切る。」というミッションはなかなかハードだったがDF吉田を中心に何とか守り切った。2対1で逆転勝利の日本は4年前のロシアW杯に続いて初戦で勝ち点「3」を獲得した。W杯は通算すると6勝目となるが逆転勝利は初めて。優勝経験のある国に勝利したのも初。記録づくめの試合になった。
■ 引き分けでも悪くない結果だったが・・・。3戦目で対戦するスペインが「最も戦いにくい相手」なのでGL突破のためには初戦のドイツ戦で勝ち点を獲得しないといけなかった。引き分けでも悪くない結果だったが驚きの逆転勝利となった。正直なところ、2点目を奪われてもおかしくないシーンはたくさんあったので「ドイツのラストの精度不足」と「ちょっとした幸運」に助けられたのは間違いないが粘り強く戦って「2点目を奪われなかったこと」が大きかった。
前半は苦しい戦いになったが後半開始から3バックに変更して様変わりした。森保監督は広島のときはほぼ3バックだったがフル代表の試合で3バックを採用する機会は極めて少なかった。ほとんど用いなかったが大事な試合で「伝家の宝刀の3バック」を使ってきた。後半途中からは右WBがMF伊東純、左WBがMF三笘になったので「超・攻撃的な布陣」だったがものの見事にハマった。采配で流れを引き寄せた。
「日本代表が3バック」を使うことはドイツ側は想定していなかったと思われる。しかも、両WBに突破力のある選手を置く超・攻撃的な3バックである。面食らっただろう。もちろん、超・攻撃的な布陣を採用すると失点する確率は高まるがハーフタイムで森保監督ならびにスタッフならびに選手たちは腹をくくったのだろう。途中出場したMF堂安律、MF南野、FW浅野拓がゴールに絡んだが森保采配は当たりまくった。
■ 「国民的なヒーロー」になれる。W杯でゴールを決めると「国民的なヒーロー」になる。2002年の日韓W杯のときはMF稲本、2010年の南アフリカW杯のときはMF本田圭、2018年のロシアW杯のときはMF乾がゴールを奪って大きく取り上げられたがドイツ相手にゴールを奪ったMF堂安律とFW浅野拓にメディアの関心は集中するだろう。「W杯の本大会でゴールを決める。」というのはサッカー選手にとってこれ以上ないほどの幸せなことである。
MF堂安律の同点ゴールはMF三笘のドリブルがきっかけになった。比較的、フリーでボールを持つことができたので期待感は高まったがいいタイミングでMF南野にスルーパスを出した。エリア内でボールを受けたMF南野は左足で鋭いクロスを入れたがあの位置からふんわりとしたクロスを入れても跳ね返される可能性が高い。「処理しにくい高速で、かつ、グラウンダーのクロスを入れる。」という選択は非常に良かった。
2点目はFW浅野拓のトラップが完璧だった。テクニックのある選手ではないが広島時代から一発のロングパスで抜け出した後、稀に完璧なトラップをしてゴールを決めてきた。得意とする形だったが上手くボールをコントロールできたのでドイツの選手は対応できなかった。最後はGKノイアーのいるニアサイドをぶち破ったが「ゴラッソだった。」というしかない。いいボールを供給したDF板倉のプレーも見事だった。
攻撃陣が良く頑張ったが、やはり、しっかりと耐えた守備陣も高評価できる。GK権田はかなりアンラッキーな形でPKを献上してしまったが気持ちを切り替えて後半はファインセーブを連発した。FIFA選定のMOMに選出されたが「素晴らしい活躍だった。」と言える。危ないシーンはたくさんあったが落ち着いてプレーした。彼のハイライトは「4本連続でシュートを打たれながら4回連続でセーブしたシーン」になる。
もちろん、改善すべき点はたくさんある。もう一度、同じ条件で戦ったらドイツが勝つ確率の方がはるかに高い。現時点での力の差は間違いなく大きいと思うが「一発勝負の場で臆することなく戦って本来の力以上のプレーができる選手が増えた。」というのは喜ばしい。次はコスタリカ戦になるが日本は勝てば勝ち点「6」となる。その後、スペインがドイツに勝利したら2節を終えた時点で早くもGL突破が確定する。
・ 2018/06/20 【W杯:日本×コロンビア】 やったね!!!日本代表。白星スタート!!!
・ 2018/06/25 【W杯:日本×セネガル】 世界中に示したケイスケ・ホンダの価値
・ 2018/06/29 【W杯:日本×ポーランド】 アジア勢初の3度目のGL突破!!!西野朗監督の勇気を称えたい!!!
・ 2018/07/03 【W杯:日本×ベルギー】 美しく散った23人の侍たち。彼らのことを誇りに思う。
▼ 最新の動画 (2022年11月24日 up済)
★ 現在の投票数 → 105票
→ 最大で8人まで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2022/11/01 【日本代表】 カタールW杯のメンバー26名が決定!サプライズはFW大迫勇也とMF原口元気の落選。
2022/11/02 【日本代表:4年先の未来】 2026年のW杯の代表候補をたくさん挙げてみた。 (GK編)
2022/11/02 【日本代表:4年先の未来】 2026年のW杯の代表候補をたくさん挙げてみた。 (右SB編)
2022/11/17 【日本代表:4年先の未来】 2026年のW杯の代表候補をたくさん挙げてみた。 (CB編)
2022/11/19 【日本代表:4年先の未来】 2026年のW杯の代表候補をたくさん挙げてみた。 (左SB編)
2022/11/20 【日本代表:4年先の未来】 2026年のW杯の代表候補をたくさん挙げてみた。 (ボランチ編)
2022/11/23 【日本代表:4年先の未来】 2026年のW杯の代表候補をたくさん挙げてみた。 (アタッカー編)
2022/11/24 【日本代表:4年先の未来】 2026年のW杯の代表候補をたくさん挙げてみた。 (フォワード編)
2022/11/24 【カタールW杯:日本×ドイツ】 やったぜ!!!日本代表。サッカー大国から歴史的な逆転勝利!
2022/11/24 【YouTube】 投稿済みの動画 (タイトル一覧へ)
- 関連記事
-