左サイドバック → 大ベテランのDF長友(FC東京)が4大会連続でW杯メンバーに選ばれた。フィールドプレーヤーとしては日本史上初。快挙達成と言えるが裏を返すと「若手が育っていない。」 or 「有望な若手が少ない。」ということができる。DF長友とポジション争いを繰り広げたのは怪我の影響で代表入りを辞退したDF中山雄(ハダースフィールド)、188センチのDF伊藤洋(シュツットガルト)だったがともに本職の左SBではない。
ロシアW杯以降の4年間に限った話ではないが「左SBは最も人材が不足しているポジション」である。DF長友は第2次岡田JAPANだった2008年5月からずっと代表の左SBの1番手としてプレーしている。もちろん、インテル時代の全盛期のDF長友は「ワールドクラスの一歩手前の左SB」だったので不動のレギュラーとして君臨したのは当たり前だったが30歳を超えた後もDF長友を蹴落とす左SBは出てこなかった。
近年はDF長友が批判を浴びているが「彼が悪いのではなくて彼を蹴落とす選手が出てこなかったのが問題」と言える。さすがのDF長友も3年半後の2026年のW杯のときは39歳。5大会連続のW杯メンバー入りは難しい。彼の性格などを考えると「代表引退」を正式に表明することはないと思うが「DF長友が代表のレギュラーとしてプレーできる間に代わりとなる選手がほぼ出てこなかった。」というのは残念である。
カタールW杯後の左SBのレギュラーの有力候補と言えるのは、やはり、DF中山雄とDF伊藤洋の2人になる。とりあえずはこの2人が主力候補として扱われると思うがすでに触れたとおりでどちらも本職の左SBではない。DF中山雄はCBが本職となる選手で、DF伊藤洋はもともとはボランチの選手である。プロ入り後はCBの位置でプレーする機会が多くなっている。専門家ではないので至らぬところは少なくない。
新戦力の台頭に期待したいが残念ながら大きな可能性を秘めた若手の左SBはいない。「キーパー」、「右SB」、「CB」、「ボランチ」、「アタッカー」、「CF」については、この先、順調に成長したらワールドクラスの選手になれるかもしれないというレベルの有望株はどのポジションにも少なくとも2人 or 3人くらいはいるが左SBについては、正直なところ、ゼロである。他と比べると圧倒的に見劣りする。
なので、DF中山雄やDF伊藤洋のように左SBが本職ではない選手がコンバートされて日本代表の定位置を確保することは十分に考えられる。右SBのDF菅原(AZアルクマール)やDF半田(山形)やDF畑大雅(湘南)、CBのDF町田(ロイヤル・ユニオン)、アタッカーのMF旗手(セルティック)やMF相馬勇(名古屋)など。DF長友についても出始めの頃は右SB/WBだったことを考えると本当に専門家の少ないポジションである。
左SBのポジションは日本サッカー界のアキレス腱になっているが誰かが大きく飛躍して定位置を確保することが期待される。その候補としてはDF中野伸(鳥栖)、DF大畑(浦和)、DFバングーナガンデ・佳史扶(FC東京)などパリ世代の左SBがまず挙げられる。DF中野伸とDF大畑はともに鳥栖U-18出身。サイズの面やパワーなど物足りないところはあるが正確な技術と判断を駆使して攻撃の基点になることが出来る。
DFバングーナガンデ・佳史扶は176センチなので173センチのDF中野伸や168センチのDF大畑を比べるとサイズはある。身体能力も高いので「期待の左SB」と言える。FC東京ではDF長友とポジション争いを繰り広げているが2022年はJ1で17試合に出場するなど自己最多の試合数を記録した。近代サッカーは高速化が進んでいるのでサイドバックの選手であってもサイズや身体能力がないと国際試合では相当に厳しい。
大卒1年目ながらJ1で8アシストを記録したDF山原(清水)にかかる期待は大きいがこちらも165センチの身長。170センチの身長で、かつ、抜群の身体能力を持った全盛期のDF長友でも国際試合で高さの無さを執拗に突かれると苦しかった。彼よりもさらに身長が5センチも低いDF山原をフル代表のSBとして起用するのは相当な勇気が必要となるが正確な右足のクロスは武器となる。左右のSBをこなす点も武器となる。
フル代表経験のない左SBの中でこの先の飛躍が期待される選手というとDF荻原(京都)、DF東俊希(広島)、DF佐々木旭(川崎F)、DF舩木翔(C大阪)あたりになる。浦和から期限付き移籍中のDF荻原は推進力があってアグレッシブな選手である。DF東俊希は180センチとサイズに恵まれており。左足のキックが武器となる。DF佐々木旭も180センチの長身。178センチのDF舩木翔は精度の高い左足とヘディングが武器となる。
すでに名前を挙げたDF中野伸、DF大畑、DFバングーナガンデ・佳史扶の3人以外のパリ世代の左SBで期待できるのはDF加藤聖(長崎)になる。U-21日本代表では主力の左SBとして活躍している。こちらも171センチなので背は高くないが高精度の左足を持っている。JFAアカデミー福島から高卒で長崎に加入してJ1昇格を目指す長崎で主力に成長した。「五輪代表に定着すること」が目下の大きな目標になる。
東京世代の左SBというとDF杉岡(湘南)に大きな期待がかかったが鹿島に移籍して出番を失ったのは痛かった。湘南に戻って復調しているがW杯後の日本代表の争いに絡んでほしい選手である。今、J2でプレーする左SBの中で最も期待を集めている選手というとDF橋本健(山口)になる。大卒1年目から山口の主力として活躍しているがドリブルで縦に仕掛けてから高精度の左足でチャンスを演出することができる。
他には大卒2年目のDF大崎航(水戸)、大卒1年目のDF長峰(金沢)、高卒ルーキーのDF松田隼(水戸)などもこれからの成長が楽しみな選手と言える。当然、J2のままだとフル代表には呼ばれないので所属クラブをJ1に引き上げるか、個人昇格を果たす必要があるが貴重な左利きの左SBなので注目しているクラブは多いだろう。一方、大化けする可能性を秘めた選手を挙げると184センチのDF坂本稀(山形)になる。
大学サッカーからJリーグに進んで日本代表入りを果たす選手はたくさんいるが「大学屈指の左SB」と言われているのがDF三浦颯(日本体育大)になる。178センチなのでSBとしては標準以上のサイズがあって正確な左足のキックも武器となる。J2の甲府入りが内定しているがレフティのMF荒木翔が他クラブに流出した場合、1年目から主力としてバリバリ働く可能性が高い。大きな可能性を秘めた注目の左SBと言える。
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