■ 大きな注目が集まるいわきFCと藤枝MYFC2023年のJ2で大きな注目が集まるのはいわきFCと藤枝MYFCの2チームになる。ともに「J2初昇格」を果たしたが歩んできた道のりは対照的である。J3元年となる2014年からずっとJ3で戦ってきた藤枝MYFCはJリーグに参戦して9年目にしてようやくの初昇格を果たしたがいわきFCは2022年がJ3初挑戦だった。2016年は何と福島県の2部リーグ所属だったことを考えると驚異的なスピードでクラブは成長している。
いわきFCは「昇格1年目でJ3制覇」という快挙を達成したがクローズアップされるのはフィジカルである。『日本のフィジカルスタンダードを変える。』という目標を掲げてチーム作りを進めてきたがクラブの関係者もこれほどの短期間でここまでの結果が出るとは想像していなかったと思われる。フィジカルを重視したサッカーは2022年のJ3でも威力を発揮して23勝4敗7分けで勝ち点「76」。J3で圧倒的な強さを見せた。
30試合で74得点を奪ったが当然のことながら総得点はJ3最多。2位の藤枝MYFCは58得点だったので得点力も圧倒的だった。今年のいわきFCと非常によく似ているのは2015年の山口になる。こちらも「圧倒的な得点力を武器にJ3初年度でJ3制覇」という偉業を達成した。当時の山口を率いたのは上野監督だったがコンビネーションサッカーで旋風を巻き起こした。この年の山口は36試合で96得点を奪っている。
1試合平均の得点数は当時の山口は「2.67」、今年のいわきFCは「2.12」になる。J3時代の山口はスーパーなチームだったがいわきFCがJ2でどこまで旋風を巻き起こせるのか?は興味深い。幸いにして当時の山口はJ2昇格を果たした直後のオフは主力の流出が最小限にとどまったので「FW岸田、MF福満、MF鳥養、MF島屋のカルテット」はJ2でも同じだった。いわきFCはどこまで主力を引き止めることが出来るか?