大分トリニータ→ 「1年でのJ1復帰」を目指した大分だったがプレーオフの1回戦で熊本と対戦して2対2のドロー。2回戦進出はならなかった。悔やまれるのは4位に浮上するチャンスがありながらラスト2試合で連敗して5位に終わったこと。アドバンテージを持った状態で1回戦を戦いたかった。2021年の天皇杯で決勝進出を果たした大分は「有力な昇格候補の1つ」に挙げられていたが目標を達成することはできなかった。
プレーオフ敗退が決まってまだ数日しか経過していないこともあってオフのニュースは少ないが就任1年目の下平監督の続投はほぼ確実と言える。開幕から出遅れてしまったが立て直した。22節以降の成績は10勝3敗8分け。ラスト2試合を除くとほとんど負けなかった。昨オフは主力の流出がほとんどなかったので前任者である片野坂監督が作ったベースは十分にあったが上手く引き継いで安定した成績を残した。
各ポジションにJ2では上位クラスの選手を揃えているがGK高木駿、DF三竿雄、MF下田、MF町田、FW長沢駿など30歳を超える選手が増えてきた。高齢化が進んでいるが幸いにしてMF井上健、MF弓場、MF保田など若い力も台頭してきた。MF宇津元、MF屋敷、GK吉田舜などもいるので世代交代は進行しつつある。FW金崎、MF梅崎、MFエドゥアルド・ネットなどベテランの去就は今オフの注目ポイントに挙げられる。
30歳を超えた選手の市場価値は一気に下がることを踏まえると流出の心配のある選手はそこまで多くないが抜群のスピードを持つMF井上健、貴重な左利きのボランチのMF弓場、フィード力の高いGK吉田舜などは他クラブの人気を集める可能性がある。特に右サイドアタッカーのMF井上健の絶対的なスピードはJ1の舞台でも問題なく通用すると思うので「たくさんのJ1のクラブが興味を示す可能性は高い。」と言える。
外国人選手では守備の要であるDFペレイラ、ポテンシャルは示したFWサムエルの動向が注目される。DFペレイラはJ2では屈指のCBなので獲得に乗り出すJ1のクラブは出てくるだろう。一方で大分は実績のある中堅からベテランの選手がたくさんいるので人件費は相当にかかっているはず。「1年でのJ1復帰」に失敗したことで高額年俸のベテランを何人か放出しないといけない状況になっていると考えられる。
加入が決まっているのはMF保田(大分U-18)、MF佐藤丈(大分U-18)、DF松尾勇(関西大)の3人。鳥栖U-15出身で182センチの大型ボランチのMF保田はすでにトップチームで活躍しているが飛び級でU-19日本代表に選ばれている。2005年の早生まれなのでロス世代になる。DF松尾勇は攻撃的な右SBになる。こちらも市立船橋高時代の2018年にU-18日本代表に選ばれている。期待の高い3人の選手の獲得に成功した。
FC琉球→ 2021年は開幕ダッシュに成功して上位争いに参加したが途中で失速して9位だった。2021年の秋に途中就任して8試合で3勝1敗4分けだった喜名監督にかかる期待は大きかったが開幕から低迷。ナチョ・フェルナンデス監督になって持ち直した時期もあったがなかなか勝ち点「3」を獲得できなかった。終わってみると8勝21敗13分けで勝ち点「37」のみ。21位に終わってクラブ史上初となる「J3降格」が決定した。
ナチョ・フェルナンデス監督になってからは20試合で5勝8敗7分けだった。勝ち点「22」を獲得しているのでそこまで悪い成績ではなかったが今シーズン限りでの退任が決定。後任として倉貫コーチが監督に昇格した。現役時代は甲府や京都で活躍した倉貫コーチは監督初挑戦となる。現役時代はクレバーな選手として鳴らしたが気の利いたプレーが出来る選手だった。どんなサッカーを見せるのか?に注目が集まる。
2022年のFC琉球はJ2の中では平均年齢が非常に高いチームだった。残留/降格に関わらず、若返りを進めないといけなかったがJ3降格が決まったことで世代交代は進めやすくなった。MF加藤恒、DF金井、DF沼田、DF山下令の契約満了が発表されたがDF沼田とDF金井はともに26試合に出場している。準・主力という立ち位置だった。夏に獲得したMF加藤恒は8試合のみ、DF山下令は1試合の出場にとどまった。
沢山の外国人選手を抱えているので彼らの動向が注目されるがサイゴンFCから期限付き移籍で加入した2人はレンタル終了となった。1試合の出場にとどまったMFシティチョーク・パソとMFアレックス・バレラも退団は濃厚。ポテンシャルを示したMFケルヴィンならびにFWサダム・スレイを引き止めることが出来るのか?は注目点になる。FWサダム・スレイは12試合で3ゴール1アシスト。高さが大きな武器になった。
MFケルヴィンは17試合で1ゴール1アシストだった。PKセーブで何度かチームを救ったGKカルバハルは19試合の出場のみだったがインパクトを残した。「枠が余っていてそこまで外国人枠を気にしなくても大丈夫なJ2のクラブ」が興味を示す可能性は高い。日本人選手の中で他クラブに狙われる可能性があるのはMF池田廉、MF清武功、MF中野克、DF大本など。MF中野克は33試合で6ゴール4アシストだった。
フォワードは補強ポイントに挙げられる。エースのFW阿部拓はアキレス腱を断裂して全治6か月と診断されている。順調に回復した場合、J3の開幕戦に間に合う可能性はあるが年齢のことを考えると無理は出来ない。22試合で7ゴール2アシストのFW草野が怪我で長期離脱したのはFC琉球にとっては痛かったが横浜FCからのレンタル移籍中。評価を高めた選手なのでJ3に降格したFC琉球に残る可能性は非常に低い。
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