ザスパクサツ群馬 → 18位だった2021年に続いて今シーズンも残留圏ギリギリの20位で「J2残留」を果たした。久藤監督がチームを離れて元・浦和の大槻監督を招聘したがFW青木翔、FW大前、GK松原、DF大武などがチームを離れた。前評判は低かったが序盤は新加入のGK櫛引を中心とした堅守が光った。開幕からの5試合でわずか1失点のみだった6節と7節はともに3失点。終わってみると42試合で57失点を喫した。
攻撃陣はエースのFW大前が流出したが42試合で36得点のみ。これは栃木SCと岩手に次いでワースト3位だった。「シュート数」は22位、「30mライン進入回数」と「ペナルティエリア進入回数」は21位。極度の得点力不足に苦しんだ。34試合で8ゴールのFW平松宗が奮闘したが続くのは3ゴールのMF岩上だった。FW北川柊、FW加藤潤、FW深堀、MF奥村など2ゴールだった。攻撃に関しては駒不足は明らかだった。
大槻監督というとモチベーター型の監督と言われる。分析力にも長けているがタレントのいた浦和でも攻撃的なサッカーを展開したわけではなかったことを考えると今シーズンの群馬が得点力不足に苦しむのは仕方がない。就任1年目の大槻監督の去就に関するニュースは流れていないが最低限のノルマである「J2残留」を果たしたことを考えると「続投が有力」と言える。2023年は勝負の2年目となる。
最終的には21位のFC琉球との差は「5」のみ。いわきFC・藤枝MYFC・松本山雅などJ3からJ2に昇格しそうなチームの顔触れを見ると「相当に頑張らないと2023年も苦しい1年になるだろう。」と言える。2022年の目標は「勝ち点50ならびに16位以内」だったので高い目標を設定しているわけではないが現状は「J2に残留できればOK」と言える。ここ5年ほどはかつての強みだった外国人選手の獲得もなくなった。
明るい未来を想像しにくい状況になっているが11月1日(火)の時点で確定しているのはベテランCBのDF渡辺広の契約満了とDF菊地健(専修大)の加入になる。左SBのDF菊地健はJFAアカデミー福島U-18出身。当時は年代別代表だった。高精度の左足を持っており、森山監督が率いた「00JAPAN」ではDF桑原(山口)やDF東俊希(広島)などとポジション争いを繰り広げた。即戦力として活躍することが期待される。
争奪戦に発展しそうなレベルで活躍した若手 or 中堅世代の選手はいないので「主力の流出」におびえる必要はないが大卒2年目でブレイクした187センチのDF城和、8ゴールを挙げたFW平松宗、正キーパーのGK櫛引については他クラブが興味を示す可能性が高い。期限付き移籍中の選手の動向も注目されるが夏に獲得したDF高木友とFW川本梨の2人に関しては「1年間のレンタル延長は可能」と考えられる。
VIDEO 大宮アルディージャ → 2005年~2014年までずっとJ1で戦ったが近年はJ2に定着している。J2に落ちた後、2018年は5位、2019年は3位だったので上位争いに参加したが2020年以降は15位→16位→19位。今シーズンはクラブワーストの成績だった。J2の残留争いに巻き込まれて「J3降格の危機」を迎えたが何とか踏みとどまった。ただ、最終的には21位のFC琉球との差は「6」のみ。J2でも下位に位置するのが当たり前になった。
シーズン途中に原博実氏を招聘して立て直しを図っている最中になるが同じく途中就任の相馬監督は続投が確実視されている。相馬監督になってからは24試合で6勝10敗8分けだった。24試合で勝ち点「26」なので好成績というわけではないが町田を率いて好成績を残すなどJ2で実績のある監督を短期間で斬るのは難しい。「続投」という判断は妥当と言える。「昇格争いに絡むこと」が2023年の1つの目標になる。
11月1日(火)の時点で確定しているのはDF田代真との契約が満了になって3人の大学生と1人のユース所属の選手の加入が内定している点になる。経験のあるDF田代真は今シーズンは15試合に出場した。3人の大学生にかかる期待は大きいがオフの心配事は主力の流出になる。3年連続でJ2の下位に低迷したチームに限界を感じて他クラブへの移籍を選択する選手がたくさん出てくることは十分に考えられる。
いい選手は少なくない。U-21日本代表に選ばれたドリブラーのMF柴山は争奪戦に発展する可能性がある。一方、MF矢島慎、MF小島幹、DF西村慧、DF小野雅、MF大橋尚、DF新里亮、FW河田、MF三幸あたりは大宮で力を出し切れているとは言えないがポテンシャルは高い。「中堅世代の選手がごっそり抜けてMF高田やMF山崎倫やGK若林やDF貫といった若手を使わざる得ない状況になる。」というのも考えられる。
逆に近年のチームの良くない空気を一掃するためにMF小島幹、DF西村慧、DF小野雅あたりを放出してゼロから再スタートする道を選択するというのも考えられる。「フロントがどういう動きを見せるのか?」に注目が集まる。近年の大宮は下部組織が整備されてユース出身者が非常に多くなっているが彼らが中心になってからチームは勝てなくなっている。「ユース組の優遇」に不満を感じているサポーターは多い。
Jリーグのほとんどのクラブのサポーターはユース出身者に対して特別な感情を抱いている。「たくさんのユース出身者がトップチームで活躍するのは嬉しい。」、「もっとユース出身者を増やしてほしい。」などと感じる人が大半になるが今の大宮は真逆である。この空気は非常に良くない。MF黒川などの1997年度組が「大宮ユースの黄金世代」と言われるがこの世代の選手が成長ならびに活躍しきれていないのは痛い。
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