水戸ホーリーホック→ 例年どおりで昨オフにたくさんの選手が入れ替わった水戸だったがそれでも例年と比べると獲得した選手の質は高かった。FW梅田魁(宮崎)、FW唐山(愛媛FC)、MF土肥(広島)、MF高井(山口)、GK山口(レクレアティボ・ウエルバ)を獲得するなど効果的な補強を行ってJ1昇格を目指したが波に乗り切れないシーズンになった。14勝16敗12分けで13位。就任3年目となる秋葉監督は退任することが決定した。
2018年以降の成績は10位→7位→9位→10位だったことを考えると「停滞のシーズンになった。」と言える。「新加入選手が多い。」というのは例年通りだったがなかなか成熟しなかった。中盤から前目のポジションの層は厚くなったがそれがマイナスに作用。メンバーを固定しきれなかった。30試合以上で先発起用されたのはDF鈴木喜、GK山口瑠、DF楠本、MF前田椋の4人だけ。攻撃的なポジションの選手はゼロとなる。
秋葉監督が退任して「後任監督が誰になるのか?」が注目されていたが濱崎監督の就任が決定した。新監督は愛知県の松蔭高出身。Jリーグ元年となる1993年に名古屋に加入したが出場機会はなかった。その後、大学に進学した。引退後は名古屋の下部組織などで監督やコーチなどを経験。2020年と2021年は水戸でヘッドコーチを務めた。U-15日本代表やU-17日本代表のコーチを務めた経験も持っている。
Jリーグのクラブを率いるのは初めてとなるが内部昇格となる。J2優勝の新潟の松橋監督が内部昇格で成功したことが関係しているのか今オフは千葉やFC琉球など内部昇格が目立つ。外部から監督を招聘するよりもリスクは低くて継続的な強化が可能となるのはプラスと言える。濱崎監督も「秋葉前・監督が目指したスタイルを継承しながらさらなる成長を遂げられるよう務めていきたいと思っています。」とコメントした。
今オフも「主力の引き止め作業」が最優先になるがFW木下、DF黒石、MF前田椋、DF大崎航、GK山口瑠などは人気を集める可能性がある。例年どおりで「流出した選手の穴埋め作業」が主になると思うが今シーズンの水戸はJ2史上でも屈指の若いチーム編成だった。波が激しかったのは「若手主体のメンバー構成だったこと」が大きく関係していると思われるので「精神的な支柱になれる経験のある選手」を獲得したい。
MF金久保順が現役を引退したが加入が決まっているのは3人の大学生と1人の高校生になる。大注目はFW寺沼(桐蔭横浜大)になる。父親がガーナ人、母親が日本人となるが188センチの長身。ポテンシャルの塊のような選手である。165センチのMF井上怜(東洋大)にも注目が集まる。MF坂元ならびにMF松崎快を輩出した東洋大出身。市立船橋高時代の2018年にはU-17日本代表に選出されたドリブラーになる。
栃木SC→ J2に復帰して5年目となる栃木SCは田坂監督が退任して前・福島の時崎監督を招聘したが11勝15敗16分けで17位だった。残留争いに巻き込まれたが39節を終えた時点で「J2残留」が確定した。終わってみると21位のFC琉球との差は「12」と大きかった。比較的、余裕を持った状態で「J2残留」を決めることが出来たのは良かった。ただ、2020年は10位、2021年は14位だったので2年連続で順位を落としてしまった。
誤算の多いシーズンになったと言える。42試合で32得点/40失点となる。DFカルロス・グティエレスを中心とした守備陣はJ2有数の堅さだったが32得点というのはJ2ワースト。大ベテランのFW矢野貴が奮闘してチーム最多の7ゴールを挙げたが極度の得点力不足に苦しんだ。他には途中加入したFW根本凌が20試合で5ゴールと活躍したが久々に栃木SCに復帰したFW瀬沼は15試合でわずか1ゴールのみだった。
最大の誤算は時崎監督の秘蔵っ子であるMFトカチがフィットできなかった点。栃木SCにとっては「オフの補強の目玉」だったが21試合で1ゴール1アシストのみ。序盤戦こそ主力だったが結果を出せず。強引なプレーが目立った。夏に双方合意の上で契約を解除することになったが福島のときはうまくMFトカチの能力を引き出せていたことを考えると「ここまで栃木SCで上手くいかなかったのは不思議」と言える。
攻撃に関する項目のほとんどがJ2ワースト級なので得点力不足に苦しむのは当然と言える。時崎監督は福島のときは攻撃的なサッカーを展開したので「攻撃重視のサッカーに転換したい。」という考えはあったと思うが上手くいかず。途中から現実的なサッカーを展開して早い段階で「J2残留」を確定させたことは評価できるがなかなか点が取れないとクラブの人気は上がらなくてお客さんの数は増えない。
時崎監督の続投は早い段階で発表された。もう一度、攻撃重視のサッカーにトライすることになると思うが駒を揃えないといけない。FW矢野貴は37歳なので彼を中心に据えるのは年齢を考えてもリスクが高い。最大の注目は期限付き移籍中の選手の動向になる。DF鈴木海、MF谷内田、FW根本凌、MF高萩、MF福森健、MF植田啓、GK藤田和が期限付き移籍となるが主力選手も沢山レンタル移籍中となる。
U-21日本代表のDF鈴木海は大飛躍の1年になったが磐田が例の問題で今オフと来夏の補強が禁止となったのでレンタルバックは確実となった。39試合で1ゴール6アシストのMF谷内田、20試合で5ゴールのFW根本凌を引き止めることが出来るか?が注目点になる。31試合に出場したMF福森健、25試合に出場したMF植田啓、7試合に出場したGK藤田和の3人については完全移籍で獲得できるチャンスはある。
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