いわてグルージャ盛岡→ 最下位に終わって「1年でのJ3降格」となった岩手は慌しいオフになっている。10月17日(月)に退任が発表された秋田監督がいわてアスリートクラブのオーナー兼社長に就任したのは驚きだったがポジティブなニュースはこの件くらい。ネガティブなニュースが多い。中でも期待の若手だったMFタビナス・ポール・ビスマルクとMF加々美が酒関係の不祥事を起こして警察のお世話になったニュースは衝撃的だった。
飲酒運転をしたMFタビナス・ポール・ビスマルクは契約解除、同乗者のMF加々美は厳重注意(減俸・無期限でのチーム活動への参加および練習試合等への出場禁止・謹慎期間中の地域貢献活動への参加)となった。前者は26試合(=884分)、後者は24試合(=1,674分)に出場している重要な戦力だったので痛すぎる不祥事と言える。降格して再スタートを図ることになったクラブに対するイメージ悪化は避けられない。
一方、11月1日(火)の時点でMF中村太、DF牟田、MFモレラト、FWブレンネル、FW中野雅、DF山川廉の契約満了が発表されている。MF中村太、DF牟田、FWブレンネルの3人は2021年のJ2昇格の立役者であることを考えるとサポーターにとっては辛いニュースである。CBのDF牟田は32試合(2,775分)、MF中村太は26試合(=2,137分)、FWブレンネルは32試合(1,629分)、MFモレラトは28試合(1,546分)に出場した。
MF中野雅も13試合(694分)に出場している。大卒2年目のDF山川廉はほとんど出場機会を得られていないがDF山川廉を除く5人は一定以上の出場機会を得ている。今シーズンの岩手は若手主体のチーム構成だったのでDF牟田やMF中村太のようなベテランを斬らなくても年齢バランスは全く悪くないが財政的な事情が絡んでいるのかもしれない。リーグ戦は全日程が終了したJ2勢の中で最も忙しいオフになっている。
ここ数日間は連日のようにバッドニュースが流れているが目下の注目点は「後任監督が誰になるのか?」になる。社長に就任した秋田氏はGM的な仕事も任されることになったが「縦に速いサッカーを軸にできる監督を探しています。」とコメントしている。Jリーグでは首位を走る横浜FMが典型例に挙げられる現代の最先端のサッカーを目指すことになる。長期プランでチームを作り直すことになると考えられる。
42試合で35得点/80失点だったので攻守両面で問題を抱えているのは間違いないが特に失点の数が多すぎたことを考えると後ろの選手の補強は急務と言える。GK野澤大志ブランドン、DF蓮川、MF小松駿、MF南拓都の4人が他クラブからの期限付き移籍になるが「GK野澤大志ブランドンのレンタル延長に成功するのか?」が注目される。パリ五輪代表候補に挙げられる大型キーパーは何としても引き止めたい。
ベガルタ仙台→ 「1年でのJ1復帰」を目指した仙台はシーズン途中までは順調だった。攻撃陣がコンスタントに活躍して3強(新潟・横浜FC・仙台)の一角を占めたが31節から痛恨の5連敗。自動昇格争いから脱落した。夏の時点では上位3チームと4位以下の差は大きく広がっており、「最低でもプレーオフには進めるだろう。」と思われていたが最終的には7位。6位の山形に「1」及ばなかった。プレーオフ出場も逃した。
伊藤彰監督になってからも8試合で2勝4敗2分けだった。監督交代でも歯止めはかからなかったがもともと予想されていたとおり、伊藤彰監督は続投となった。J2では実績のある指導者なので「昇格できなかった場合でも2023年も監督を任せる。」という契約になっていたと思われるが続投というのは賢明な選択である。磐田では失敗したが甲府時代は5位→4位→2位。3年間ともJ2で安定した成績を残している。
終盤戦は負けが込んで暗い雰囲気だったがストーブリーグに突入してからは順調そのものである。ポジティブなニュースが多い。怪我で長期離脱しながらJ2で3位タイとなる14ゴールを挙げたエースのFW中山仁は「J1のクラブなどに流出する可能性あり」と思われたが10月28日(金)に契約更新が発表。さらにボランチのMFフォギーニョ、ベテランのMF遠藤康、若手キーパーのGK小畑の契約更新も発表されている。
J2有数のボランチであるMFフォギーニョに対してもJ1のクラブが興味を示す可能性はあった。大きな残留と言える。ユース出身のGK小畑も潜在能力の高いキーパーなので狙われる危険性があったがこちらも早い段階で残留が確定した。FW中山仁、MF遠藤康、MFフォギーニョ、GK小畑というセンターラインの軸になり得る選手の残留が早い段階で決まったのは非常に大きい。選手補強に集中しやすい状況になった。
その一方で今シーズンも30試合に出場したベテランのDF平岡は契約満了。20試合で3ゴール3アシストのFWフェリペ・カルドーゾはレンタル終了、13試合のみのMFレアンドロ・デサバトは契約満了、長身キーパーのGKストイシッチも契約満了となった。202センチのGKストイシッチは7試合に出場した。これだけ契約に関するニュースが多いチームは現時点ではJリーグの58クラブの中では仙台のみとなる。
当面の注目は育成型期限付き移籍ながら仙台の大黒柱になったMF中島元の動向になる。秋以降に失速したがシーズン途中まではJ2でベストイレブン級の活躍を見せた。レンタル元のC大阪の補強によってはレンタル延長はあり得る。他にはMF名倉、DF佐藤瑶、DFキム・テヒョンもレンタル移籍中となる。3人とも仙台で重要な戦力になったが引き留めに成功するのか?否か?CBは最優先補強ポイントになる。
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