■ J2はいよいよ残り1節 J2はいよいよ残り1節となった。新潟と横浜FCのJ1復帰が確定して岡山の3位も確定した。4位は熊本 or 大分、6位は徳島 or 仙台 or 山形となる。自動昇格の2チームは確定して自動降格の2チームも確定して得点王もFW小川航(横浜FC)で間違いない状況。4位争いと6位争いと現役引退を表明したMF中村俊に注目が集まるが残り1節ということもあって各クラブの監督人事に関するニュースが連日のように流れている。
岩手の秋田監督、千葉の尹晶煥監督、町田のポポヴィッチ監督、水戸の秋葉監督、甲府の吉田達磨監督、FC琉球のナチョ監督の退任は決定。栃木SCの時崎監督は続投が正式に発表された。大宮の相馬監督と長崎のカリーレ監督は続投が有力、甲府の監督の後任候補として町田のポポヴィッチ監督と元・仙台の原崎監督の名前が浮上しているが最大の注目は町田になる。青森山田高の黒田監督の就任が濃厚となった。
言うまでもなく、高校サッカー界の名将である。近年は「山田一強」と言われるほどの黄金時代を築いているがJリーグの監督に挑戦するとなるとビッグニュースである。高校サッカー界はJリーグよりもはるかに監督の影響力が強いので黒田監督が去った後は「山田一強の時代」が終焉となる可能性は高い。高校サッカー界では揺るぎない立場になるがそれらを捨てて未知なるJリーグの世界に飛び込むことになる。
今後も青森山田高で監督を続けて仮に全国大会でなかなか勝てなくなったとしても評価はそこまで落ちないだろう。安定ではなく挑戦の道を選択することになる。Jリーグの監督への転身に関しては賛否両論あると思うがチャレンジ精神は大いに評価できる。Jリーグのクラブの監督は結果が出ないとすぐに批判をされて退任や解任に追い込まれる。高校の名門校の監督と比較してもはるかに不安定な職業である。
■ 黒田監督の右腕となるヘッドコーチには・・・。 心配されるのは青森山田高が今年も冬の高校選手権で勝ち進んだ場合、遅い時期の監督就任になってしまう点である。2023年の1月9日(月)に冬の高校選手権の決勝戦が行われるがこのあたりの時期はJリーグの各クラブの新シーズンのキャンプがスタートする時期である。もちろん、青森県予選などで敗退するようだとかなり早い段階で町田の監督就任を発表できるが県内ではほぼ無敵なのでその可能性は低い。
充電期間なしでプロの世界に飛び込むというのは結構なギャンブルと言えるが高校サッカー界の名将がプロの世界でどういうチームを作るのか?は興味深い。言うまでもなく、青森山田高OBのJリーガーはたくさんいる。MF郷家(神戸)、DF菊池流(神戸)、MF武田英(大宮)、DF藤原優(SC相模原)、MF松木玖(FC東京)、MF高橋壱(千葉)、DF嵯峨(いわきFC)など。高校時代の教え子を呼び寄せることは十分に考えられる。
チーム作りも注目を集めると思うが黒田監督の右腕となるヘッドコーチには前・鳥栖の金明輝氏の就任が噂されている。同氏は鳥栖U-18で実績を積み上げた後、鳥栖のトップチームでも手腕を発揮したが2021年の途中にパワハラ問題が発覚して鳥栖の監督を退任。今年3月に「S級ライセンスからA級ライセンスへの降格」という史上初の降格処分を受けているが1年での現場復帰となる可能性が高まっている。
■ 時代は昭和でもなく、平成でもなく、令和である。 処分については「暴行の回数や未成年へ被害が及んでいたことを勘案した。」と説明されている。S級ライセンスを失ったのでJリーグのクラブで監督を務めることは出来ないがヘッドコーチであれば可能となる。実績のない監督であるならば「(S級ライセンスは保持していないが)事実上の監督」となることも考えられる黒田監督は高校サッカー界の名将である。異色のタッグが機能するのか?否か?は注目される。
なので、町田は2023年シーズンは降格濃厚の磐田や昇格濃厚のいわきFCなどと並んでJ2の注目チームの1つに挙げられる可能性が高まっているが率直に言うと「非常に良くない人事」だと思う。湘南でパワハラ問題を起こして退任したものの、わずか1年ちょっとのブランクで京都の監督に就任した曺貴裁監督のときも全く同じことを思ったが日本サッカー界、特にJリーグはパワハラをした指導者に甘すぎる。
サッカー界に限らず、こういう騒動が起こったとき「パワハラは良くないがその間に残した実績は正当に評価されるべき」と主張する人も少なくない。最近でいうと市議への暴言等で市長の座を退くことになった明石市長にもそういう擁護する声が沢山挙がっているが「パワハラと実績は分けて考えるべき。」というのは全く正しくない。陸上競技で薬物ドーピングをして残した記録や実績に何の価値もないのと同様である。
周囲に対してパワハラが可能になるほどの人はその分野での実績があって地位も高くて(表向きは)指導力も高く評価されている可能性が高い。情熱もあって擁護する教え子や支援者もたくさんいると思うが時代は昭和でもなく、平成でもなく、令和である。曹貴裁監督にしろ、金明輝監督にしろ、明石市長にしろ、その地位を追われるほどのパワハラをしてしまったらこれまでの実績や功績は全てチャラになるべきだと思う。
金明輝氏に対しては「町田以外にも国内複数クラブが招聘に動いていた。」と言われているが信じたくない話である。「本人が反省しているのであればセカンドチャンスの機会は与えるべき」という声もあるが曹貴裁氏も、金明輝氏も、一発レッドが妥当だと思う。情状酌量の余地はない。百歩譲って再起のチャンスがあるにしても1年ではないだろう。最低でも3年、できれば5年は表舞台に出てくるべきではない。
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