■ 珍しい火曜日のナイトマッチ コロナの影響で延期になっていたJ2の28節の水戸と大分の試合は8月23日(火)に行われたが2対0でホームの水戸が勝利した。前半28分にFW木下のゴールで先制に成功すると前半39分にはMF杉浦文のグラウンダーのクロスからFW安藤瑞が決めて大きな追加点を奪った。2点リードの水戸は終盤になると5バック気味の布陣を採用。水戸が逃げ切って勝ち点「3」を獲得したが水戸は11位、大分は9位となった。
J2の昇格争いは首位の横浜FCと2位の新潟が抜け出した。3位の仙台がここに来て失速しているので「このまま横浜FCと新潟が自動昇格を果たす可能性大」と言える。プレーオフ争いが焦点になりつつあるが6位の熊本から13位の甲府まで「7差」。コロナならびに台風の影響で各クラブの消化試合数は微妙に異なるが31節の東京V戦(H)も延期になっている水戸にもチャンスあり。プレーオフ争いから目が離せない。
大分は勝てば勝ち点「49」となって6位に浮上することが出来た。「大分が敗れた。」というのはプレーオフ争いをしている岡山・町田・熊本・長崎・山形あたりにとっては大きな話である。大分は10試合負けなし中だったが引き分けが多くなっており、この10試合の成績も4勝6分けだった。今シーズンのJ2は徳島を筆頭に引き分けの数が多くなっているが引き分けが多くなりすぎると昇格を果たすのは難しくなる。
■ MF椿に対する悪質なファール 岡山・熊本・大分・東京V・甲府あたりは引き分けが多いので「引き分けで終わりそうな試合をいかにして勝ち点「3」に持っていけるのか?」が残り試合の注目点に挙げられるが水戸 vs 大分は荒れた展開になった。「火曜日の夜の試合」ということでJリーグのファンの関心がこの試合に集中したことも大いに関係していると思うが後半29分に水戸のMF椿に対して悪質なファールをしたFW呉屋が批判の対象になっている。
このシーンを整理すると水戸がボールを持っていたが大分のボランチのMF弓場が足を痛めて動けなくなった。直後の後半31分にMF弓場は交代しているが「相手もしくは味方と接触して足を痛めた。」という感じではなかった。「足を攣っただけ」だと思われるが水戸の選手はそのままプレーを続けた。そのことに対して怒り狂ったFW呉屋が激しい勢いで後方からMF椿にタックルをしてイエローカードが提示された。
幸いにしてMF椿は怪我をすることもなく、プレーを続けることは出来たが、一歩間違えると大怪我をするような極めて悪質なファールだった。最近はFC東京のMFレアンドロの肘打ちがクローズアップされているがよほどのパワーと悪意を持って肘打ちをしない限りは相手が「全治数か月クラスの大怪我」をすることはない。もちろん、MFレアンドロの行為も許されるべきではないが危険度はFW呉屋の方がはるかに高い。
■ 伏線となったのは後半18分のプレー サポーターといっても色々なので一部の大分のサポーターは「MF弓場が倒れているのにボールを出せなかった水戸が悪い。」、「フェアプレー精神に欠ける水戸側がFW呉屋のプレーの原因になった。」と主張している。「FW呉屋の気持ちも分かる。」と擁護する大分のサポーターもいるが本件の伏線の1つは後半18分にある。エリア内でFW呉屋が相手と接触したがノーファール。FW呉屋はうずくまった。
ここでファールを取ってもらえなかったことにFW呉屋は苛ついていたと思うがより重要なのはこの時のFW呉屋の感情ではなくてその後のプレーになる。FW呉屋が倒れているので水戸のDF山田奈はしばらく周りの様子を見た後、故意にタッチラインの外にボールを蹴った。上手くボールを運ぶことが出来るとカウンターのチャンスになった可能性もあったがここでは水戸側が相手を気遣ってプレーを止めている。
大分ボールのスローインからプレーは再開したが、その後、大分は相手にボールを返すことなくそのままプレーを続けた。タッチラインの外にボールを蹴ったDF山田奈のボールがやや中途半端で蹴られたボールに対して水戸の選手が反応してしまったことも大分の選手が水戸側にボールを返さずにプレーを続けた1つの理由だと思うが「DF山田奈はもっと分かりやすくボールを外に蹴り出すべきだった。」と言える。
■ 情状酌量の余地はないと言える。 「ピッチ上で倒れている選手がいたとしても主審が笛を吹いてプレーを止めないのであればボールを持っている側はそのままプレーすべき。」というのが昨今の常識なのでMF弓場が倒れている場面で水戸がプレーを続けたことについては水戸側に何の非もないがさらにその10分ほど前に「相手を気遣ってボールを外に出したにも関わらず、ボールが返ってこないという出来事があったこと」を考えるとなおさらである。
ピッチ上で揉めるときは「少なからず双方に原因がある。」というケースは多いが今回の騒動に関しては水戸側に全く非は無い。前半のFW安藤瑞とDF三竿雄のイザコザは1つの遠因になった可能性はあるがこの場面でのFW安藤瑞の行為は別枠で語られるべき行為であり、FW安藤瑞の行為が宜しくなかったとしてもFW呉屋の悪質なタックルの罪が軽減されるわけではない。情状酌量の余地はないと言える。
大きな期待を受けてG大阪に加入したFW呉屋もプロ入り後は怪我に悩まされてきた。怪我でプレーできないことの辛さは十分に理解しているはずである。幸いにしてMF椿は無事だったがMF椿のようなキレで勝負するタイプのドリブラーは1つの怪我がサッカー選手として命取りになる。このプレーでFW呉屋に対してレッドカードを出せなかった川俣レフェリーの判断に疑問府が付くのは改めて言うまでもない。
▼ 動画の投稿日 (2022年7月7日) VIDEO ★ 現在の投票数 → 112票
→ 必ず2チームを選択してから投票を行ってください。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連するYouTubeの動画 2022/06/23 (#61) 【Jリーグ】 「J2のNEXTブレイク候補」を10人挙げてみた。 2022/06/24 (#62) 【Jリーグ】 「J1のNEXTブレイク候補」を10人挙げてみた。 2022/06/27 (#63) 【Jリーグ】 「J3のNEXTブレイク候補」を10人挙げてみた。 2022/07/01 (#64) 【Jリーグ】 今夏の移籍市場の注目プレーヤー・10人 (GK編) 2022/07/02 (#65) 【Jリーグ】 今夏の移籍市場の注目プレーヤー・10人 (右SB/WB編) 2022/07/03 (#66) 【Jリーグ】 今夏の移籍市場の注目プレーヤー・10人 (CB編) 2022/07/04 (#67) 【Jリーグ】 今夏の移籍市場の注目プレーヤー・10人 (左SB/WB編) 2022/07/05 (#68) 【Jリーグ】 今夏の移籍市場の注目プレーヤー・10人 (ボランチ編) 2022/07/06 (#69) 【Jリーグ】 今夏の移籍市場の注目プレーヤー・10人 (アタッカー編) 2022/07/07 (#70) 【Jリーグ】 今夏の移籍市場の注目プレーヤー・10人 (フォワード編) 2022/07/08 【エントリー一覧】 2022年シーズンのいろいろ
関連記事