■ 「優勝候補の一角」に挙げられた浦和だったが・・・。大型補強を敢行して「優勝候補の一角」に挙げられた浦和だったが19節を終えた時点では4勝5敗10分け。19試合で勝ち点「22」となる。リーグ再開後の3試合は2勝1分けと好調。勝ち点「7」を積み上げたが17位の清水との差は「5」のみ。油断はできない。18位の神戸が1チームだけ離されているが浦和・G大阪・名古屋・京都・福岡・磐田・湘南あたりはほとんど差がない。残留争いは稀に見る大混戦になっている。
開幕前に低評価された柏や鳥栖などが順調に勝ち点を積み上げているので「ビッグクラブや人気クラブがJ2に落ちても不思議はない状況」になっている。勝ち点「41」で横浜FM・湘南・鳥栖・名古屋・磐田の5チームが並んだ2018年の残留争いが「過去イチで熾烈」だったがこの年以来の激しい残留争いになりつつある。残りは早くも15試合になった。神戸も上向きなので最後まで目の離せない展開になる可能性は高い。
浦和はリーグ制覇を目指すシーズンだったことを考えると何とも不甲斐ないシーズンになっているがクラブの足を引っ張っているのはサポーターになる。現状では禁止されているチャントを歌ったり、ブーイングをしたり、やりたい放題である。ただ、これは今シーズンに限った話ではない。昨シーズンも浦和のサポーターのチャントやブーイングは何度も問題視された。ついにJリーグから処分が下されそうな状況になった。
■ チャントやブーイングを繰り返したことを問題視野々村新チェアマンはチャントやブーイングを繰り返したことを問題視して「クラブとしての運営責任を問う形で上限2,000万円の罰金処分を科すことを裁定委員会に諮問する。」とコメントした。諮問という言葉の意味を調べてみると「(法令上で定められた事項についての)意見を尋ね求めること」と書かれている。裁定委員会に意見を求めることになるが裁定委員会がどういう結論を出すのか?は注目される。
この件については「ようやくJリーグが動いた。」と言える。ストレートに表現すると「Jリーグや野々村新チェアマンの動きは遅かった。」と言える。昨シーズンの段階から何度も浦和のサポーターのチャントやブーイングは問題視されており、最近は試合を行うたびにチャントやブーイングをしたとしてSNS上などで批判を浴びていた。クラブはもちろん、Jリーグやチェアマンももっと早い段階で動くべきだったと思う。
ここまで見過ごしてきたJリーグやチェアマンにも責任はあると思うが浦和にとってバッドラックなのはここに来て第7波が到来して日本国内のコロナの感染者数が増えてきたことになる。浦和のサポーターのチャントやブーイングが日本国内あるいは埼玉県内の感染拡大に強く関係しているとは思えないがコロナの感染者数が増えてくると国民はイライラする。厳しい処分を求める声が大きくなることが予想される。
「裁定委員会がどんなコメントを出すのか?」に注目が集まるが何度も問題視されながら自浄作用が働かずにJリーグ側が動かざる得ない状況になったというのはクラブとして情けない話である。当然、チャントやブーイングなどが問題視されたクラブは浦和だけではないので「なぜ、俺たちだけが批判をされるのか?」と考えている浦和のサポーターは少なくないと思うが頻度と悪質度は他クラブと比べても段違いである。
■ J1の18クラブの中では2番目に高い39.7歳「コロナ禍」になってからの浦和のサポーターにはガッカリさせられるケースが多くなっているがサポーター集団の評判が良くないと新規サポーターを獲得するのは難しくなる。コロナ社会になる前から浦和のサポーターは暴走しがちだったが2015年~2019年までの5年間の「ホーム戦の観客の平均年齢(同伴来場した子供も含む。)」はJ1の18クラブの中では2番目に高い39.7歳。札幌に次ぐ高い数字になっている。
表1のとおり、1位は名古屋、2位は横浜FM、3位は鹿島、4位は川崎F、5位は磐田、6位は福岡、7位は鳥栖、8位はC大阪、9位はG大阪、10位は神戸となる。観客の平均年齢は都会のクラブは低くて地方のクラブは高めになる。また、人気クラブの平均年齢も低い傾向にあるが浦和は上から2番目となる。若い人が中心となる新規サポーターが近寄りにくい集団になっており、組織としてはかなりまずい状況になっている。
表2は「(2017年~2019年の3年間の平均値)-(2004年~2016年の3年間の平均値)」を計算して並び替えたものになる。日本は国として高齢化しているのでJリーグのサポーターも高齢化しているがその中でも浦和はサポーターの高齢化が顕著である。+9.50歳というのは31チームの中で上から5番目になる。札幌は40.17歳から45.57歳。「+5.40歳」なのでもともとサポーターの平均年齢は高いチームだった。
仮に上限である2,000万円の罰金処分が下されたとしても浦和ほどのクラブであれば端金になるが度重なる問題行動がSNS上などで話題になるたびにクラブならびにサポーターのイメージが悪化して獲得できる可能性のあった新規サポーターを取り逃がす形になるのは大きな損失である。何だかんだで弱肉強食の世界なので彼らがやらかすたびに大宮・横浜FM・川崎F・鹿島・FC東京などの関係者はニンマリしているだろう。
表1. ホーム戦の観客の平均年齢 (同伴来場した子供も含む。)
順位 | クラブ名 | 平均 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
35.6 | 35.3 | 35.4 | 35.3 | 35.6 | 36.7 |
1 | 名古屋グランパス | 32.5 | 34.1 | 33.3 | 32.7 | 31.2 | 31.3 |
2 | 横浜Fマリノス | 33.1 | 34.3 | 32.0 | 31.9 | 32.5 | 34.6 |
3 | 鹿島アントラーズ | 33.1 | 31.1 | 32.7 | 32.3 | 34.0 | 35.3 |
4 | 川崎フロンターレ | 33.5 | 32.6 | 32.7 | 31.5 | 35.1 | 35.5 |
5 | ジュビロ磐田 | 33.9 | 32.3 | 33.5 | 33.8 | 35.6 | 34.4 |
6 | アビスパ福岡 | 34.0 | 36.3 | 30.3 | 35.2 | 34.5 | 33.7 |
7 | サガン鳥栖 | 34.1 | 32.0 | 32.3 | 35.2 | 35.4 | 35.6 |
8 | セレッソ大阪 | 34.7 | 34.0 | 35.2 | 31.6 | 34.5 | 38.0 |
9 | ガンバ大阪 | 34.9 | 34.9 | 34.8 | 33.7 | 36.4 | 34.5 |
10 | ヴィッセル神戸 | 35.6 | 34.4 | 36.3 | 36.5 | 34.8 | 35.8 |
11 | 柏レイソル | 35.8 | 37.2 | 36.5 | 34.4 | 33.1 | 37.7 |
12 | FC東京 | 36.0 | 35.9 | 33.9 | 35.5 | 36.6 | 38.2 |
13 | 清水エスパルス | 36.8 | 36.0 | 38.3 | 35.4 | 35.9 | 38.5 |
14 | サンフレッチェ広島 | 37.3 | 38.7 | 36.3 | 36.5 | 34.9 | 40.0 |
15 | 京都サンガ | 37.4 | 36.7 | 37.8 | 38.0 | 37.7 | 37.0 |
16 | 湘南ベルマーレ | 38.0 | 37.1 | 37.0 | 38.2 | 40.3 | 37.3 |
17 | 浦和レッズ | 39.7 | 37.5 | 40.9 | 42.3 | 37.2 | 40.4 |
18 | コンサドーレ札幌 | 41.4 | 40.0 | 42.7 | 40.8 | 40.4 | 43.3 |
表2. クラブ別の平均年齢の差 (2004年~2006年と2017年~2019年) (同伴来場した子供は含まず。)
順位 | クラブ名 | (差) | 3年間の平均年齢 |
2004年-2006年 | 2017年-2019年 |
1 | モンテディオ山形 | 11.40 | 34.50 | 45.90 |
2 | 東京ヴェルディ | 10.07 | 32.63 | 42.70 |
3 | ザスパクサツ群馬 | 9.73 | 34.70 | 44.43 |
4 | アルビレックス新潟 | 9.73 | 36.57 | 46.30 |
5 | 浦和レッズ | 9.50 | 33.47 | 42.97 |
6 | 愛媛FC | 9.43 | 35.50 | 44.93 |
7 | FC東京 | 9.10 | 33.10 | 42.20 |
8 | 横浜FC | 8.77 | 35.53 | 44.30 |
9 | サンフレッチェ広島 | 8.53 | 34.73 | 43.27 |
10 | ジェフ千葉 | 8.43 | 33.60 | 42.03 |
11 | 水戸ホーリーホック | 7.87 | 35.63 | 43.50 |
12 | ヴァンフォーレ甲府 | 7.73 | 37.20 | 44.93 |
13 | ガンバ大阪 | 7.73 | 32.27 | 40.00 |
14 | 大分トリニータ | 7.73 | 38.47 | 46.20 |
15 | ベガルタ仙台 | 7.67 | 37.40 | 45.07 |
16 | 大宮アルディージャ | 7.47 | 36.23 | 43.70 |
17 | 徳島ヴォルティス | 7.43 | 37.00 | 44.43 |
18 | アビスパ福岡 | 7.37 | 34.80 | 42.17 |
19 | セレッソ大阪 | 7.00 | 33.40 | 40.40 |
20 | 京都サンガ | 6.77 | 36.87 | 43.63 |
21 | 湘南ベルマーレ | 6.33 | 39.80 | 46.13 |
22 | ヴィッセル神戸 | 5.87 | 34.93 | 40.80 |
23 | 柏レイソル | 5.73 | 33.97 | 39.70 |
24 | コンサドーレ札幌 | 5.40 | 40.17 | 45.57 |
25 | 鹿島アントラーズ | 4.70 | 33.90 | 38.60 |
26 | 横浜Fマリノス | 4.00 | 33.73 | 37.73 |
27 | サガン鳥栖 | 3.33 | 36.00 | 39.33 |
28 | 名古屋グランパス | 3.00 | 36.93 | 39.93 |
29 | 川崎フロンターレ | 2.70 | 36.67 | 39.37 |
30 | 清水エスパルス | 1.30 | 40.33 | 41.63 |
31 | ジュビロ磐田 | 1.03 | 38.87 | 39.90 |
▼ 動画の投稿日 (2022年7月1日)
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