■ モーリス・レベロ・トーナメントの初戦フランスで開催されているモーリス・レベロ・トーナメントの2戦目。初戦はアルジェリアと対戦して一方的に攻め込まれながら後半12分にC大阪のFW北野颯が決勝ゴールを決めて1対0で勝利したU-19日本代表はGLの2戦目でコモロ代表と対戦した。アフリカのコモロはマダガスカル島の北西に位置するが馴染みのない国である。人口は86.96万。1975年にフランスから独立をしている。W杯に出場した経験はない。
日本は「4-2-2-2」。GK木村凌(日本大)。DF中野伸(鳥栖)、菊地脩(清水)、工藤孝(浦和)、松田隼(水戸)。MF福井太(鳥栖)、山根陸(横浜FM)、屋敷(大分)、高橋・センダゴルタ仁胡(バルセロナ)。FW横山歩(松本山雅)、中村仁(G大阪)。初戦で決勝ゴールを挙げたFW北野颯はベンチスタート。左SHで起用されたMF高橋・センダゴルタ仁胡はバルセロナの下部組織でプレーしている。父親がアルゼンチン人になる。
ベンチスタートになったのはGK佐藤瑠(筑波大)、DF田中隼(柏)、DF高井(川崎F)、DF前田・ハドー慈英(ブラックバーン)、MF宇野(町田)、MF山崎太(筑波大)、MF升掛(柏)、MF佐野航(岡山)、FW北野颯(C大阪)、FW二田(FCヴァッカー)、FW坂本一(G大阪)の11人。GK波多野(同志社大)はベンチ外。当初はFW熊田(FC東京U-18)が選出されていたが怪我の影響で辞退をしてG大阪のFW坂本一が追加招集されている。
■ 3人連続でPKを失敗したU-19日本代表試合はGLの初戦のアルジェリア戦に続いて防戦一方の展開になった。3戦目で対戦するコロンビアがGLの中では一番の強豪と思われるので「温存する。」という意味合いもあったと思うがメンバーを少し入れ替えた日本はほとんどいい形を作れない。前半はシュートゼロ。惜しいシーンもほぼ無かった。アフリカ特有の身体能力の高さが武器となるコモロはアグレッシブにプレーして何度もチャンスを作った。
後半開始から日本はG大阪のFW中村仁を下げてMF宇野を投入。アタッカー系の選手を外して守備に特徴のある選手を投入したので「まずは守備を固める。」という選択をとった。後半12分にはDF中野伸とMF高橋・センダゴルタ仁胡を下げてMF升掛とDF前田・ハドー慈英を投入するとようやくチャンスを作るようになった。スピードスターのFW横山歩が何度か自身の持ち味を発揮して3本ほど惜しいシュートを放った。
後半25分にはエース格のFW北野颯を投入。すると後半37分にFW北野颯のパスから抜け出したMF升掛が決定機を迎えたが決められず。この試合での日本の最大もチャンスだった。90分の戦いはスコアレスで終了。PK戦に投入したが日本は1人目から3人目までまさかの3連続失敗。GK木村凌は相手の3人目のキックを止めたが先攻のコモロの4人目がしっかりと決めて試合終了。コモロが3対1でPK戦を制した。
■ シュート数は日本が4本。コモロは19本。コモロは初戦もコロンビアを相手に1対1。PK戦の末に勝利した。これで2試合連続でPKでの勝利となった。この大会はPK勝ちが勝ち点「2」、PK負けが勝ち点「1」なので日本とコモロが同じ勝ち点「4」で並んだ。得失点差の関係で日本が上に位置するが「GLを突破できるのか?」は3戦目で決まることになった。GLを突破できるとタフな試合をあと2試合も経験できる。何としてでもGLは突破しないといけない。
シュート数は日本が4本。コモロは19本。枠内シュート数も日本は1本だけ、コモロは8本だった。日本は初戦に続いてキーパーのGK木村凌に助けられた。PK負けとなったがPK戦でも相手の3人目のキッカーのシュートを止めている。横浜FMユースからトップ昇格はせずに日本大に進学したがここまで神がかり的なスーパーセーブを連発している。187センチとサイズにも恵まれているので将来が楽しみな選手と言える。
「2試合連続で無失点」というのは評価できるが、正直なところ、相手のシュートミスにもかなり助けられている。「2歳差」というハンディがあるにせよ、ここまで一方的に攻め込まれるのは宜しくない。アルジェリア戦と同様で「大差で敗れたとしても何ら不思議はない試合展開だった。」と言える。この年代では主力級のMF松木玖やDFチェイス・アンリやMF甲田などを欠いているが「不甲斐ない。」というしかない。
■ 合も練習も満足にできなかった世代もともと2003年生まれの世代は「上や下の年代と比べると人材が乏しい。」と言われてきた。コロナ前から「将来性の高い選手が少ない世代」と言われてきたがここまでの2試合を見ると「近年の年代別代表の中でタレント力は最低クラス」と言わざるえない。コロナが流行する前から人材は乏しかったが、その上、コロナの影響で高校生活が滅茶苦茶になった世代である。試合はもちろん、練習も満足にできなかった。
コロナの影響で学生生活が不自由になった世代は「コロナ世代」と言われるがこの世代が厳しいのは野球界も同じのようだ。試合も練習も満足にできなかったことが影響して「今年の高校3年生はプロ野球のスカウトの目に留まる選手が少ない。」と言われている。野球の場合はスピードガンという分かりやすい指標があるのでコロナ前の世代と比較しやすいが150キロ以上を投げる高校生が激減していると言われている。
それまでの世代と比べると圧倒的に練習量が少なくて試合経験も乏しい。「仕方がない。」というしかないがコロナの影響をそこまで受けなかった国もある。国内の大会であれば「満足に試合や練習ができなかったという条件はどこも同じ」なので言い訳にはできないが対外国のチームとなると大きなハンディになる。幸いにしてようやく日常生活は元に戻りつつあるが自粛期間と高校時代が重なった世代は大変である。
▼ 動画の投稿日 (2022年5月28日)
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