■ サポーターの不祥事 ここ最近のJリーグはサポーターの不祥事が目立ちまくっている。毎週のようにどこかしらのクラブのサポーターが問題行動を起こして大きな話題になっている。5月13日(金)に行われた浦和 vs 広島の時の浦和のサポーターの問題行動は大きく取り上げられたが5月21日(土)に行われた大宮 vs 仙台でも試合後にサポーター同士が揉めて両クラブが謝罪をすることになった。問題が発生するのはJ1関係だけではない。
5月21日(土)に行われた大阪ダービーでもG大阪のサポーターが問題行動を起こした。両クラブはルヴァン杯のGLが同組になったので今年3回目の大阪ダービーだったがルヴァン杯の2試合ではともにサポーター間のトラブルが発生しており、3回目の大阪ダービーに向けて試合前に両クラブの社長が異例の声明を発表した。前もって釘をさしていたが、やはりと言うべきか、3回目の今回もいくつかのトラブルが発生した。
同じ大阪府内で活動する両クラブなので「対戦の時に熱くなるのは当然」と言えるが、やはり、ヒートアップし過ぎるのは宜しくない。結局、試合後にG大阪のサポーター数名(数十名?)に対して「無期限入場禁止」が下された。問題になった行為については「危険行為(スタンド内投げ込み及びフィールドへの投げ込み行為)」、「試合運営妨害」、「威嚇行為」、「侮辱的行為」、「試合運営妨害」と説明されている。
■ 無期限入場禁止の理由は様々 試合はG大阪が先制したものの、C大阪が後半に3ゴールを奪って逆転で勝利した。先制こそ許したものの、内容的にはC大阪の完勝だった。ほぼ一方的な展開になったのでG大阪のサポーターがフラストレーションを溜めるのは当たり前と言えるがいずれの行為も宜しくない。関西地区では大阪ダービーがNHKで生中継されたが試合後にG大阪の選手に対してサポーターが詰め寄るシーンもばっちりと映されてしまった。
「無期限入場禁止の処分」が下されたが無期限入場禁止というのはネット上で確認できるだけでも「2005年以降の18年間で計26件目」となる。年間平均では1.44件なので「多いとも少ないとも言い切れない微妙な数字」になるがクラブ別ではG大阪と浦和が4回で最多タイとなる。その次に多いのは横浜FCで3回となるが、やはりと言うべきか、特定のクラブに偏っている。表1のとおり、関東のクラブが目立つ。
理由に関しては様々である。抜粋すると
・両チームサポーターによる乱闘事件
・無期限入場禁止処分中の入場
・ペットボトルの投げ込みと乱闘行為
・「ゴトビへ、核兵器を作るのはやめろ」事件
・試合会場での暴力行為(傷害容疑で逮捕)
・マスコット(ロアッソくん)に卑劣な行為(vs ロアッソ熊本)
・暴行事件とバスからの花火類の投下・発射に関する行為
・JAPANESE ONLY事件(ホーム戦の無観客試合)
・フィールドへ飛び降り、選手に詰め寄ろうとした。スタッフに靴を投げる。
・「讃岐は邪魔」というフラッグ、讃岐の選手バスの通行を妨害
・試合運営を著しく阻害する行為(連帯責任)
・ボールボーイにアルコールをかける。
・観客席から氷を投げ込む。
など。「こうなったらOUT(無期限入場禁止)」という境界線ははっきりしないが「無期限入場禁止になる人の何割かは初犯ではない。」という点が理由の1つと考えられる。「フィールドへ飛び降り」や「ボールボーイにアルコールをかける。」や「マスコットへの卑劣な行為」などは明らかな一発レッドと言えるが「繰り返しの問題行動でクラブ側の堪忍袋の緒が切れた末の無期限入場禁止」もいくつかあると思われる。
表1. サポーターの無期限入場禁止
発生月 クラブ名 人数 違反内容など 2005年4月 柏レイソル 計11名 両チームサポーターによる乱闘事件 2007年/2008年 アルビレックス新潟 2名 試合運営管理規程に違反 2010年5月 アルビレックス新潟 1名 無期限入場禁止処分中の入場 2010年8月 京都サンガ グループ ペットボトルの投げ込みと乱闘行為 2011年5月 ジュビロ磐田 2名 「ゴトビへ、核兵器を作るのはやめろ」事件 2011年8月 柏レイソル 3人 試合会場での暴力行為(傷害容疑で逮捕) 2013年3月 ガンバ大阪 3名 マスコット(ロアッソくん)に卑劣な行為(vs ロアッソ熊本) 2013年8月 浦和レッズ 計15名(一切禁止:3名、無期限:5名) 暴行事件とバスからの花火類の投下・発射に関する行為 2014年3月 浦和レッズ サポーターグループ JAPANESE ONLY事件(ホーム戦の無観客試合) 2014年4月 横浜FC 3名 フィールドへ飛び降り、選手に詰め寄ろうとした。スタッフに靴を投げる。 2014年5月 愛媛FC 1名 「讃岐は邪魔」というフラッグ、讃岐の選手バスの通行を妨害 2014年8月 横浜Fマリノス 1名 バナナを振りかざす 2014年10月 横浜FC 1名 観客に暴力。怪我をさせる。 2015年5月 ベガルタ仙台 1名 試合運営を著しく阻害する行為(連帯責任) 2015年11月 ギラヴァンツ北九州 計14名 ぶちくらせ騒動(やめるように複数回に渡って求めてきた。) 2017年3月 ガンバ大阪 2名 開幕戦で違反行為 2017年4月 浦和レッズ 1名 緩衝帯フェンスのメッシュのカバーをはがす/フラッグの投げ込み 2017年4月 ガンバ大阪 グループ 試合運営管理規定に違反(SSマーク) 2017年4月 徳島ヴォルティス 1名 ボールボーイにアルコールをかける。 2018年4月 鹿島アントラーズ 1名 観客席から氷を投げ込む。 2018年5月 浦和レッズ 1名 警備スタッフの胸を旗竿で突いた。 2019年6月 ファジアーノ岡山 1名 アウェイ戦で不正に小・中・高チケットで入場(合わせ技一本) 2020年12月 ザスパクサツ群馬 1名 フィールド内への物品の投げ込み行為および威嚇行為 2020年12月 横浜FC 2名 他クラブ及びそのサポーターへの迷惑行為と法律に抵触する行為 2021年11月 徳島ヴォルティス 1名 追悼スピーチの途中で「湘南ありがとう!」、「ばいばい」 2022年5月 ガンバ大阪 2名 危険行為(スタンド内及びフィールドへの投げ込み行為)と運営妨害 2022年5月 ガンバ大阪 サポーターグループ(全員) 威嚇行為、侮辱的行為、試合運営妨害
■ 解除までの期間はどの程度なのか? 当然、同じような問題行動でも時代によって「世間からの風当たりの強さ」は変わってくる。近年でいうと人種差別を中心とした差別問題に関しては特に世間の目は厳しくなっている。外国人選手や外国人監督に対する差別問題が発生したときは「国際問題」に発展しかねないが「今、同じような問題が起こったら当時下されたものよりもはるかに厳しい処分が下されるだろう。」と思うサポーターの不祥事はたくさんある。
今回、G大阪のサポーターに無期限入場禁止処分が下されたが「無期限とはどのくらいの期間なのか?」は気になるところである。現在も「無期限入場禁止中」という人はたくさんいると思うが逆に「無期限入場禁止が解除された人」も何人かいる。解除されたことを公表しないクラブもあると推測できるが26件のうちで「解除済みの無期限入場禁止処分」を書き出すと表2のようになる。結局、5件が解除&公表済みとなる。
解除までの期間については
・10年ほど
・1年ほど
・3年半ほど
・7カ月ほど
・4年弱
なので様々である。一般社会で犯罪を犯したときの「無期懲役→仮釈放」と同様で反省をしていると認められたときは期間が短くなると思われるが「10年ほど」なので、かなり長い期間、無期限入場禁止処分が下されて解除された人もいる。一方、「無期限入場禁止になると本当にスタジアムに入場できないのか?」という素朴な疑問が浮かんでくるが「今のマスク社会になると完璧に阻止するのはほぼ無理」と言える。
一般のサポーターに交じってメインスタンドやバックスタンドなどで静かに観戦することは不可能ではないと思うが同じ新潟のサポーターの中には「無期限入場禁止処分中に観戦していることが発覚して、再度、処分されて永久に観戦不可」となった人もいる。そうなった場合でも100%阻止できるわけではないがクラブは「解除することはない。」と宣言している。悪事に対して毅然とした態度で接するのは全く正しい。
表2. 解除済みの無期限入場禁止処分
発生月 クラブ名 違反内容など 解除(判明分のみ) 期間 2007年/2008年 アルビレックス新潟 試合運営管理規程に違反 2018年2月 10年ほど 2010年5月 アルビレックス新潟 無期限入場禁止処分中の入場 解除することはない! 永久 2005年4月 柏レイソル 両チームサポーターによる乱闘事件 2006年4月 1年ほど 2017年4月 ガンバ大阪 試合運営管理規定に違反(SSマーク) 2020年11月 3年半ほど 2010年8月 京都サンガ ペットボトルの投げ込みと乱闘行為 2011年3月 7カ月ほど 2015年5月 ベガルタ仙台 試合運営を著しく阻害する行為(連帯責任) 2019年2月 4年弱
▼ 動画の投稿日 (2022年5月12日) VIDEO ★ 現在の投票数 → 86票
→ 最大で30チームまで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー 2022/01/10 【J1】 順位予想バトル 2022年版 受付終了 (参加者:240名) 2022/01/08 【J2】 順位予想バトル 2022年版 受付終了 (参加者:139名) 2022/01/09 【J3】 順位予想バトル 2022年版 受付終了 (参加者:52名) 2022/01/22 【J1編】 2022年の順位予想 ~ 1:川崎F、2:浦和、3:横浜FM、4:鹿島、5:神戸、6:名古屋~ 2022/01/19 【J1編】 2022年の順位予想 ~ 7:東京、8:C大阪、9:G大阪、10:札幌、11:福岡、12:広島~ 2022/01/16 【J1編】 2022年の順位予想 ~ 13:清水、14:磐田、15:鳥栖、16:湘南、17:京都、18:柏~ 2022/02/07 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~1:C大阪、2:湘南、3:浦和、4:横浜FM、5:FC東京、6:福岡~ 2022/02/06 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~7:清水、8:神戸、9:鹿島、10:磐田、11:札幌、12:京都~ 2022/02/06 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~13:広島、14:川崎F、15:G大阪、16:名古屋、17:柏、18:鳥栖~ 2022/05/27 【エントリー一覧】 2022年シーズンのいろいろ
関連記事