■ J2の第2節J2の第2節。開幕戦はアウェイで岡山と対戦して1対4で大敗したヴァンフォーレ甲府はホームのJIT・リサイクルインク・スタジアムで大分トリニータと対戦した。大分は新型コロナの影響で開幕戦ならびにルヴァン杯の初戦は延期になった。ようやくの今シーズンのお披露目の試合になる。大分は一時的にクラブの活動が休止になって2月24日(木)にやっと活動が再開されたが準備期間はほとんどなかった。
ホームの甲府は「3-4-2-1」。GK河田。DF浦上、山本英、野澤陸。MF山田陸、松本凪、須貝、荒木翔、飯島陸、長谷川元希。FWウィリアン・リラ。岡山との開幕戦ではスタメン起用されたMF石川俊とMF関口正はベンチスタート。代わってMF山田陸とMF飯島陸がスタメンで起用された。前橋育英高の3年生のときに冬の高校選手権で得点王に輝いた大卒ルーキーのMF飯島陸にとってはプロデビュー戦になる。
対するアウェイの大分は「4-1-2-3」。GK吉田舜。DF小出、ペレイラ、坂圭祐、三竿雄。MF下田、町田、渡邉新。FW井上健、呉屋、小林成。関係者も含めると計8名がコロナに感染した大分は何人かの主力がプレーできない状態だと思われるが今シーズンは新たに4バックを採用している。新戦力のFWサミュエルやMFエドゥアルド・ネットはオミクロン株の影響で来日できず。FWサミュエルはエース候補になる。
■ 後半の終了間際に大分が追いついた。試合は立ち上がりから甲府ペースで進んでいく。活動が再開されて間もない大分はコンディションの面でもかなり不利だった。ただ、前半10分にカウンターからFW呉屋が決定機を迎えるなど劣勢の展開の大分も決定機は作った。前半の半ばを過ぎるとやや甲府の勢いも落ちてきたが前半32分にカウンターを仕掛けると大卒ルーキーのMF飯島陸のアシストからMF長谷川元希が合わせて甲府が先制に成功する。
大卒2年目ながら攻撃の中心として活躍することが期待されるMF長谷川元希は今シーズン初ゴール。デビュー戦となったMF飯島陸は嬉しい初アシストとなった。前半は1対0で折り返した。後半7分にもMF須貝のパスからMF飯島陸がシュートを放ったがヒットせず。後半11分にはGK吉田舜のファンブルからMF松本凪に決定機が訪れたが何とか大分の選手がシュートをブロックして追加点のゴールは与えなかった。
1対0のままで後半のアディショナルタイムに突入したが後半49分に大分が右サイドでFKを獲得する。MF下田の蹴ったボールはゴール前のスクランブル状態を生み出すが甲府はクリアできず。DFペレイラのゴールになるのか、オウンゴールになるのか、MF下田のゴールになるのか、現時点では分からないがとにもかくにも土壇場で大分が1対1の同点に追いついた。甲府は目前まで迫っていた勝ち点「3」を逃した。
■ 2試合目にしてJリーグデビューを果たす。ほぼラストプレーで同点に追いつかれた甲府にとってはショックの大きいドローと言える。ほぼ試合を支配しており、後半の終盤も波状攻撃を受けたわけではなかった。対戦相手の大分は活動を再開してから間もない時期の試合だったことを考えると、むしろ、「勝たないといけない試合だった。」と言える。アンラッキーな形からの失点になったが最初のヘディングでDF浦上がしっかりと跳ね返せなかったのは響いた。
昨シーズンは3位だった甲府は1節が岡山(A)、2節が大分(H)、3節が長崎(A)、4節が山形(H)、5節が新潟(A)、6節が横浜FC(H)なので序盤は上位候補との対戦が続いていく。ハードな日程になる。簡単に勝てる相手は1つもないことを考えると痛すぎるドローと言えるが190センチのDFメンデスが抜けて高さの部分には不安を抱えている。長身プレーヤーはFWウィリアン・リラとDF野澤陸の2人くらいである。
1対4で大敗した岡山戦(A)も1失点目と2失点目がセットプレーだった。「高さ不足をどうするのか?」は当面の注目点に挙げられるが攻撃面は非常に良かった。エース候補のMF長谷川元希に早い段階で初ゴールが生まれたのは良かったが、やはり、目立ったのは大卒ルーキーのMF飯島陸になる。前橋育英高のときに冬の高校選手権で主役になった元・高校サッカー界のスターはJリーグのデビュー戦でも躍動した。
序盤はやや消極的なプレーが多かったが時間が経つにつれて積極的なプレーを見せるようになった。先制ゴールの場面は自らのドリブルが起点になった。味方にパスを出した後、右サイドの奥のスペースに走ってボールを受けたが試合を通してボールの受け方とボールを受ける位置が良かった。また、シュートを放つときもアイディアがあった。「高度なシュートテクニックを持った選手」ということができる。
ストライカー系の選手なので「よりゴールに近い位置でプレーした方が持ち味を出せるタイプ」だと思うが166センチなのでプロの世界で1トップをこなすのはかなり難しい。甲府は「3-4-2-1」なので2シャドーの一角でプレーする機会が多くなると思うが「4-2-3-1」よりは自身の適切なポジションを見つけやすい。MF長谷川元希、MF関口正など大卒で甲府に加入した先輩たちのように1年目から即戦力になれるか?
■ コロナで活動休止明けでドロー大分は活動が再開したのが2月24日(木)の午後になる。準備期間が短い中、押し込まれる展開になったが粘って勝ち点「1」を獲得した。内容はあまり良くなかったがこういう状況であることを考えるとドローという結果は十分と言える。なかなかチャンスを作れなかったが最後はいい位置でFKを獲得することができた。強い風が吹いていたので左利きのMF下田が蹴ったボールを処理するのは甲府にとっては難しかった。
何とか引き分けたが新たにトライしている4バックはあまり機能しなかった。もちろん、各選手がコンディションに問題を抱えており、主力と計算していた選手も何人かがプレーできなかったと思われる。活動が再開してからの準備期間もほとんどなかたのでいろいろな面を考慮しないといけないが攻撃の面で目立ったのは「4-1-2-3」の右ウイングで起用されたFW井上健のスピードくらい。いいシーンは少なかった。
「1年でのJ1復帰」を果たすためには高い得点力が必要となる。2021年はJ1で38試合で31得点だったが2位以内に入るためには70得点前後は必要である。約2.26倍の得点が必要なのでハードルはかなり高いがFW呉屋、MF小林成、MF渡邉新などはJ2ではゴールを積み上げた実績がある。J1でも活躍したFW町田、J1での実績も豊富なFW長沢駿、若手のFWサミュエル、FW井上健、FW藤本一がどこまでやれるか?
2021/09/09 【法政大×筑波大】 FW飯島陸(前橋育英高出身)はJリーガーになれるか?
2022/02/20 【岡山×甲府】 2ゴール1アシスト!FWチアゴ・アウベスが鮮烈な岡山デビュー!
▼ 動画の投稿日 (2022年2月10日)
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