■ 川崎Fが苦戦するのは珍しい・・・。2022年のJ1も川崎Fが大本命といえる。2007年~2009年の鹿島以来で史上2チーム目となる3連覇の可能性はまあまあ高いといえるが今オフの移籍市場はかなりの苦戦を強いられた。川崎Fは「補強の上手なクラブ」として知られており、J1に再昇格した2005年以降、ほぼ毎年、補強を成功させており、ストーブリーグが終了した直後の評価もほぼ毎回勝ち組と評価されてきたが今オフは様相が大きく異なる。
浦和や名古屋やG大阪やFC東京やC大阪など他のJ1の有力クラブは良くも悪くも移籍に関する情報がバンバン流れるが川崎Fは全く異なる。「川崎Fが○○を狙っている。」、「川崎Fが××にオファーを出した。」といった情報はなかなか流れない。移籍に関する情報がメディアに流れにくいクラブなので表に出てこない移籍話も沢山あると思うが珍しく具体的に名前が出たFW宇佐美(G大阪)の獲得には成功せず。
1月11日(火)にタイ代表のMFチャナティップ(札幌)を獲得したが5億円近い移籍金が発生するという。タイならびに東南アジアのスーパースターなのでマーケティング効果は極めて大きいがコロナの影響でタイからの観光客を呼び込むのはかなり難しい現状に加えて28歳という年齢や近年の稼働率の低さを考えるとハイリスクな投資であることは間違いない。川崎Fっぽくないギャンブル要素の高い補強になった。
U-22日本代表のMF松井蓮(法政大)を含めた3人の大学生には即戦力の期待がかかるが新卒の選手以外で加入が決まったのはMFチャナティップとMF瀬古樹(横浜FC)の2人だけ。MF旗手(→セルティック)が流出したことを考えると戦力収支はややマイナスと言える。DFジェジエウが長期離脱して前半戦の出場は難しいことを考えるとCBは補強したかったが今のところはなし。ネガティブなニュースの多いオフになった。
■ 財政難が深刻な鳥栖財政難が深刻な鳥栖はある程度は予想されていたが想像以上に主力が流出した。2021年はJ1で7位と健闘。いいサッカーを見せて主力のほとんどは充実したシーズンを過ごしたので鳥栖に残る主力がたくさん出てきても不思議はないシチュエーションだったがGK朴一圭やDFエドゥアルドやDFファン・ソッコやMF飯野など残留した主力の名前を書き出した方がはるかに楽なほど主力が大量流出する苦しいオフになった。
MF仙頭(→名古屋)、FW山下敬(→FC東京)、FW酒井宣(→名古屋)、MF小屋松(→柏)などは流出した。鳥栖U-18出身のMF樋口雄(→鹿島)ならびにDF大畑(→浦和)も流出した。今回の流出劇と金明輝監督の一連のパワハラ問題がどこまで関係があるのか?は当然のことながら分からないが「お金の問題だけであるならばこれほどまでに日本人の主力が流出することはないのでは?」と考える人は多いだろう。
ただ、MF藤田直(C大阪)とMF福田晃(新潟)という歴代のキャプテンが復帰してMF小野裕(G大阪)も復帰。FW垣田(徳島)、FW宮代(徳島)、MF西川潤(C大阪)という有望株を期限付き移籍で獲得した。先のとおり、GK朴一圭、DFエドゥアルド、DFファン・ソッコという優良助っ人は残留。「即戦力ルーキー」のMF荒木駿(駒澤大)も加入したのでJ1残留は十分に可能だと思うが危ういクラブ運営になっているのは確かである。
MF仙頭やFW山下敬など昨オフに加入した選手ならびに高卒2年目のDF大畑を売却したときにかなりの額の移籍金を手にしていると思うが今オフに獲得した選手はベテランとレンタルの選手が多い。となると「試合で使って評価が高まったところで他クラブに売る」というやり方は無理である。近年の鳥栖は自転車操業でクラブを運営しているが「自転車操業すら難しくなった。」と言わざるえない。状況はなかなか厳しい。
■ 高齢化が進むG大阪。問題は先送り。財政面で苦労している鳥栖と比べるとはるかにマシな状況ではあるが名古屋も今オフの移籍市場では苦戦を強いられた。フィッカデンティ監督が電撃退任してクラブ内部がゴタゴタしているように見えたことがマイナスに作用したのか、狙っていたFW西村拓(仙台→横浜FM)、MF上門(岡山→C大阪)、MF瀬古樹(横浜FC→川崎F)などの獲得には成功せず。DFキム・ミンテ(→鹿島)のレンタル延長にも失敗した。
J3の移籍市場の有望株だったMFターレス(熊本→名古屋→熊本)の完全移籍での獲得は今オフの名古屋にとって最大のポジティブニュースになるがFWシュヴィルツォクがドーピング問題を抱える中、FW山崎凌(→京都)は退団した。出場停止処分など最悪の状況になることを考えてCFは厚くしたかったがFW酒井宣(鳥栖)を獲得してやっと±0。当のFWシュヴィルツォクにも移籍話が浮上するなど慌ただしいオフになった。
G大阪は西野監督や長谷川健太監督の頃と比べるとストーブリーグで苦戦するケースが増えているが今オフもいい流れにはならず。DFキム・ヨングォン(→蔚山現代)が退団してMF井手口(→セルティック)も抜けた。移籍話が浮上したFW宇佐美とDF三浦弦の引き止めには成功したが期待の集まるMFダワン(ジュベントゥージ)とDFクォン・ギョンウォン(城南FC)がオミクロン株の影響でいつ来日できるのか?は不明である。
G大阪も高齢化問題を抱えているが黄金世代(1997年組)を擁して大きな期待を受けていた東京世代の若手の多くはすでに完全移籍でチームを離れており、今オフに獲得した若手は期限付き移籍のMF齊藤未(FCルビン・カザン)のみ。問題は先送りになった。期待されていた若手が伸び悩むケースが目立っており、そろそろ本腰を入れて世代交代に着手しないとその後が大変である。極めて難しい状況になりつつある。
■ 降格候補に挙げられる柏レイソルネルシーニョ監督の続投が決まった柏はポジティブなニュースが少ない苦しいオフになった。FWドウグラス(神戸)、MF中村慶(清水)、MF岩下航(熊本)、MF小屋松(鳥栖)を獲得したがMFクリスティアーノ(→長崎)、MF仲間(→鹿島)、MF瀬川祐(→湘南)、MFヒシャルジソン(→セアラー)が退団した。巷で言われているほど流出自体は決して多くないがチームの顔だったMFクリスティアーノの移籍は衝撃的だった。
前評判は非常に低くて多くの人が「降格候補の1つ」に挙げている。財政事情の苦しさもたびたび話題になっているがJ2降格となるとさらに財政事情は厳しくなる。怪我が増えてきたFWドウグラスは依然としてストライカーとしての能力は高い。2021年も21試合で7ゴールを挙げている。彼がコンスタントにスタメンで出場できれば十分に戦える顔ぶれになると思うが怪我で離脱するようなことがあると厳しくなる。
ということで川崎F・鳥栖・名古屋・G大阪・柏あたりはやや(or かなり)苦しいオフになったがコロナの影響なのか、川崎F・名古屋・G大阪というJリーグを代表するビッグクラブが苦戦したのが今オフのストーブリーグの特徴と言える。日本国内が第6波に突入して、ほぼ毎日、Jリーガーの感染者が出ているが、観客制限がこのまま続くようだと入場料収入が激減する人気クラブやビッグクラブの方がダメージは大きい。
投票 ・【J1】 今オフの補強で「特にいい補強だ。」と思うのはどれですか? (日本人編) → 543票
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順位予想バトル (2022年) ・・・ 受付期間 : 2022年1月7日(金)~2月18日(木) ・順位予想 J1編 (投稿用フォーム) → https://bit.ly/3t4gcW5
・順位予想 J2編 (投稿用フォーム) → https://bit.ly/3G1POzO
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