■ 移籍市場も終幕選手の移動もほぼ落ち着き、そろそろ、今オフの各チームの補強について、診断したいと思う。効果的な戦力補強を行ったチームはどこだろうか。J2全18チームを18位から1位まで、カウントダウン方式でまとめる。
評価基準について述べると、「どれだけタレントをかき集めたか。」は高ポイントの対象とはならず、「いかに手薄なポジションを強化できたか。」を重視する。よって、すでに日本代表クラスの選手がいるポジションに、別の有力選手を獲得したとしても戦力的な上積みは低いと判断し低評価とした。また、「有望な若手選手の控えるポジションに別の有力選手を獲得する」等、若手の芽を潰しかねない補強も、低評価とした。
18位 FC岐阜in
FW徐冠秀(水原市庁)
out
MF北村隆二(未定)
MF小島宏美(未定)
DF小峯隆幸(未定)
FW薮田光教(未定)
FW森山泰行(引退)
→ 経営難ということもあって苦しいオフとなった。MF北村、MF小島、DF小峯、DW薮田といったレギュラー格としてプレーした選手の何人かを放出し、戦力ダウンは免れない。新卒で大学サッカー界の強豪である筑波大学から主力4人の獲得に成功したが、即戦力とは考えにくい。
17位 カターレ富山in
MF姜鉉守(京都→完全移籍)
out
MF吉岡聡(引退)
→ J2初挑戦のシーズン。主力の流出はなかったが、新戦力の獲得もほとんどなく、現有戦力のままでシーズンに挑むことになる。Jリーグ経験のある選手が少ないというチーム事情もあるので、数名の経験豊富な選手を獲得したかったところであるが・・・。
16位 東京ヴェルディin
MF滝澤邦彦(横浜FC)
MF河村崇大(磐田)
FWレオナルド(鳥栖)
out
DF那須大亮(磐田)
DF和田拓三(清水)
MF廣山望(草津)
MFディエゴ(京都)
MF福西崇史(未定)
MF大野敏隆(未定)
→ J2への降格と経営難で主力を大放出。全く新しいチームに生まれ変わることになりそうだ。MFディエゴの移籍で攻撃力ダウンは必至で、中盤の駒不足を感じる。ただ、いったんは戦力外を通告したGK土肥とDF服部を呼び戻したのは賢明な判断。ただ、クラブとしての方向性が定まっておらず、チグハグな印象は残る。
15位 ザスパ草津in
MF廣山望(東京V)
MF玉乃淳(徳島)
FW都倉賢(川崎:レ→完)
out
MF秋葉忠宏(相模原)
MF島田裕介(大宮)
MF鳥居塚伸人(引退)
→ 2008年シーズンの中盤を支えた3人が退団し、チームは再構築が必要となった。MF廣山とMF玉乃の活躍に期待したいところであるが、やや厳しいか。フォワード陣は、2008年シーズン途中にレンタルで加入したFW都倉が完全移籍で加入。素材は申し分ないだけに、じっくりと育てたい。
14位 横浜FCin
DF田中輝和(大宮)
DF早川知伸(千葉)
MF加藤大志(京都)
MF片山奨典(名古屋)
FW池元友樹(柏:レンタル延長)
out
DF太田宏介(清水)
DFエリゼウ(V仙台)
MF山田卓也(鳥栖)
MF滝澤邦彦(東京V)
MF内田智也(大宮:レンタル→完全移籍)
FWアンデルソン(未定)
→ 2008年にブレークしたFW池元のレンタル延長は大きいが、DF太田、DFエリゼウ、MF山田卓、FWアンデルソンと主力数名が退団し、その分の穴埋めには成功していないという印象。チーム生え抜きのMF内田の完全移籍での大宮入りも痛い。MF加藤とMF片山がどの程度の活躍が出来るか。
13位 湘南ベルマーレin
GK野澤洋輔(新潟)
DF村松大輔(Honda)
MF寺川能人(新潟)
out
DF斉藤俊秀(清水)
MF大山俊輔(浦和)
MF加藤望(引退)
FW石原直樹(大宮)
→ 反町監督を迎えて再スタートのシーズンとなるが、リーグ3位の18ゴールを挙げたFW石原の移籍が痛い。同じく、レギュラー格のMF加藤とDF斉藤も退団し、主力3人が不在となった。その代役とて、MF菊池、DF村松が控えるが各ポジションで選手層は薄くなった。
12位 ロアッソ熊本in
MF藤田俊哉(名古屋)
MF大迫希(鹿児島城西高校)
FW中山悟志(G大阪:レンタル→完全移籍)
out
GK太洋一(G大阪)
FW高橋泰(福岡)
→ チーム得点王でリーグ2位の19得点を挙げたFW高橋の移籍が大きい。ゴールという結果だけでなく、チャンスメークの一役も担っていただけに攻撃力ダウンは必至。救いは獲得が確実となっているMF藤田俊哉の存在。ピッチ内外でリーダーとしての役割が期待される。
11位 水戸ホーリーホックin
MFキム・テヨン(神戸)
MF森村昂太(F東京)
FW高崎寛之(浦和)
out
MFパク・チュホ(鹿島)
DF平松大志(F東京)
MF赤星貴文(浦和)
MFビジュ(未定)
FW西野晃平(大分)
→ エースストライカーのFW荒田が残留したのが一番の成果。さらに、FW高崎、MF森村といったJ1クラブの期待の戦力の受け入れに成功。前線はタレントが集まった。ただ、浦和へ復帰したMF赤星と鹿島に移籍したMFパク・チュホの穴埋めは簡単では無い。
10位 ファジアーノ岡山in
DF植田龍仁朗(G大阪)
MF保坂一成(甲府)
FW喜山康平(東京V:レンタル延長)
FW西野晃平(大分)
out
FW鴨川奨(未定)
MF関隆倫(未定)
→ 初挑戦のJ2を前にFW喜山のレンタル延長に成功。さらにMF保坂、FW西野と新戦力を迎えて、チーム力はアップした。限られた資金力ということを考えれば、出来る範囲で効果的に戦力アップに努めたことは評価できる。
9位 愛媛FCin
GK山本浩正(C大阪)
DF柴小屋雄一(大分)
MF大山俊輔(浦和)
MF横谷繁(G大阪:レンタル延長)
FWジョジマール(甲府)
FW内村圭宏(大分:レンタル→完全移籍)
out
GK多田大介(C大阪)
MF宮原裕司(福岡)
MFキム・テヨン(神戸)
FW三木良太(G大阪)
FW若林学(大宮)
→ 2007年に在籍し、チームの中心でプレーしたFWジョジマールとMF大山が復帰した事は心強い。特に前線の核となる選手がいなかっただけに、FWジョジマールにはエースとしての期待がかかる。DF柴小屋の獲得とMF横谷のレンタル延長も効果的に働くだろう。
8位 栃木SCin
DF井上雄幾(甲府)
DF大久保裕樹(京都)
MF栗原圭介(神戸)
MF本橋卓巳(山形)
FW河原和寿(新潟)
out
DF鷲田雅一(未定)
MF小林成光(引退)
MF星大輔(未定)
FW上野優作(引退)
→ 神戸の松田監督を迎えて挑むJ2初年度。オフにJFL時代を戦ってきた選手を解雇したが、その代わりとして計算出来る選手の獲得に成功。MF栗原は松田戦術を伝える上で大きな存在であり、若手FW河原にはチームの中心としての活躍が期待される。
7位 サガン鳥栖in
MF山田卓也(横浜FC)
DF磯崎敬太(V仙台)
DF柳沢将之(C大阪)
MF島田裕介(大宮)
out
DF鐡戸裕史(未定)
MF船谷圭祐(磐田)
FW藤田祥史(大宮)
FW金信泳(甲府)
FWレオナルド(東京V)
→ 2年連続チーム得点王のFW藤田を失ったのは大きな痛手だったが、即戦力の4人を獲得し、総合力はむしろアップした感がある。特に、草津で絶対的な存在であったMF島田の獲得は大きく、チームの核になれる存在。ウイークポイントだった両サイドバックもDF柳沢とDF磯崎を獲得し万全となった。懸念されるフォワード陣のさらなる補強があれば・・・。
6位 アビスパ福岡in
DF田中誠(磐田)
DF丹羽大輝(G大阪:レンタル延長)
MFウェリントン(アメリカ)
MF宮原裕司(愛媛)
FWアレックス(バタタイス)
FW高橋泰(ロ熊本)
FW大久保哲哉(柏:レンタル→完全移籍)
out
MF中村北斗(F東京)
MFタレイ(ノースクイーンランド)
MF布部陽功(引退)
FW ハーフナー・マイク(横浜FM)
→ 退団の噂もあった大黒柱のFW大久保を完全移籍で獲得。さらに熊本からFW高橋を獲得し、J2屈指の2トップが誕生した。ウイークポイントのディフェンスラインも、DF丹羽のレンタル延長とDF田中誠の獲得で駒は揃った。不安材料は、MFタレイ、MF中村、MF布部が抜けた中盤。新外国人にかかる期待は大きいが・・・。
5位 徳島ヴォルティスin
GK高桑大二朗(横浜FM)
DF三田光(湘南)
DF三木隆司(名古屋)
DF登尾顕徳(京都:レンタル→完全移籍)
MF徳重隆明(京都)
MF青山隼(名古屋)
FW羽地登志晃(甲府)
out
MF玉乃淳(草津)
FW阿部祐大朗(鳥取)
MFアンドレジーニョ(ROMA)
FWソウザ(慶南)
→ 現所属クラブで出番を失っていた選手を中心に精力的な補強を行った。センターラインの中心になれるGK高桑とDF三木の獲得は大きい。バラエティーに富んだ選手が集まったが、前線はやや迫力不足か。
4位 セレッソ大阪in
GK金鎮鉉(東国大学)
GK多田大介(愛媛)
DF平島崇(京都:レンタル→完全移籍)
DF羽田憲司(鹿島:レンタル→完全移籍)
DF石神直哉(鹿島)
DFチアゴ(クルゼイロ)
MF乾貴士(横浜FM:レンタル→完全移籍)
MFマルチネス(パルメイラス)
FWカイオ(アトレチコ パラナエンセ:レンタル延長)
FW苔口卓也(千葉)
FW西澤明訓(清水)
out
GK山本浩正(愛媛)
DF柳沢将之(鳥栖)
DF宮本卓也(山形:レンタル→完全移籍)
MFジェルマーノ(サントス)
MFアレー(ボタフォゴ)
MF青山隼(名古屋)
MFジウトン(新潟)
MF森島寛晃(引退)
FW森島康仁(大分:レンタル→完全移籍)
FW古橋達弥(山形)
→ 退団も噂されたMF香川、MF乾、FWカイオのトライアングルの残留に成功したことが大きな成果。DF羽田とDF平島の完全移籍での獲得もバックアッパーの充実という意味では大きい。ボランチ陣は、安定感に欠けたMFジェルマーノとMFアレーを放出し、MFマルチネスを獲得したが、未知数で不安は残る。懸念の守備陣は、新外国人のDFチアゴに賭けるしかないのが現状。正ゴールキーパー不在も痛いところ。FW古橋、FW森島康といった選手が移籍したことは致命傷ではないが、選手層は薄くなった。
3位 ベガルタ仙台in
GK林卓人(札幌:レンタル延長)
DF朴柱成(水原三星)
DF一柳夢吾(東京V:レ→完)
DFエリゼウ(横浜FC)
MF西山貴永(川崎:レ→完)
MF斉藤大介(京都S:レ→完)
FWソアレス(ポンチプレッタ)
out
GKシュナイダー潤之介(鳥取)
DF磯崎敬太(鳥栖)
DF岡山一成(未定)
MF佐藤由紀彦(未定)
MF田ノ上信也(未定)
→ 改善ポイントの1つだったディフェンスラインに、DF朴柱成、DFエリゼウを獲得。評判通りの実力を示すことができれば、パワーアップするのは確実。中盤は京都のMF斉藤を完全移籍で獲得し、MF梁とMF関口の慰留に成功したものの、依然としてJ2制覇を狙うには質・量ともに不足気味。FWソアレスには大きな期待がかかる。
2位 コンサドーレ札幌in
GK荒谷弘樹(大宮)
DF箕輪義信(川崎:レ→完)
DF趙晟桓(浦項)
MFダニルソン(インディペンディエンテ・メデジン)
FWキリノ(ユールゴーデンズ)
out
GK林卓人(V仙台:延長)
GK高木貴弘(大宮)
DF池内友彦(未定)
DF坪内秀介(神戸)
DF平岡康裕(清水)
DF西澤淳二(引退)
MF大塚真司(引退)
MF西谷正也(未定)
MFディビッドソン純マーカス(新潟)
MF鄭容臺(未定)
FWアンデルソン(未定)
FWダヴィ(名古屋)
→ 経営難のため主力の大量流出も予想されたが、軸となるべき若手選手の退団はなかった。DF池内、DF坪内、MF西谷といった計算出来る選手の退団で選手層が薄くなったのは不安材料だが、新外国人トリオの評判はよく、若手の底上げも期待できる。FWダヴィの得点力をどう埋めるかが課題であったが、何とか出来そうなメンバーが揃った。
1位 ヴァンフォーレ甲府in
GK荻晃太(神戸)
DFダニエル(サンカエターノ)
MFマルセロ(グレミオ)
FW松橋優(大分)
FW前田雅文(G大阪:レンタル延長)
FW金信泳(C大阪)
FWマラニョン(マリリア:レンタル→完全移籍)
FW森田浩史(大宮)
out
DF井上雄幾(栃木)
MF保坂一成(岡山)
MF鶴見智美(引退)
MF宇留野純(未定)
FW羽地登志晃(徳島)
FWサーレス(グレミオ)
FWジョジマール(愛媛)
→ 2008年にウイークポイントになった前線にこれ以上ない補強を行った。エースFWマラニョンを完全移籍で獲得し、センターフォワード役としてFW金信泳を獲得。FW松橋やFW森田も計算出来る選手である。MF/DFはやや手薄になったが、昇格の有力候補といえるだけの戦力を整えた。
関連投票 ①
現役の日本人で最高のストライカーは誰だと思いますか? ②
【J1/J2】 ブレークを期待する選手は誰ですか? ③
イエメン戦のマン・オブ・ザ・マッチを選ぶとしたら誰ですか? ④
【J2】 もっとも効果的な補強を行ったと思うクラブは? ⑤
日本最高のセンターバックは誰だと思いますか?関連記事1266 2008/12/09
【J2】 ベストイレブン 2008年版 1269 2008/12/12
【J1】 ベストイレブン 2008年版 1296 2009/01/07
【J1】 平均シュート数ランキング ベスト100 (2008年版) 1297 2009/01/08
【J2】 平均シュート数ランキング ベスト100 (2008年版) 1298 2009/01/09
順位予想 2009年(J1編) 1300 2009/01/11
順位予想 2009年(J2編) 1303 2009/01/12
【J1/J2】 移籍市場 中間評価 (上) 1313 2009/01/22
【J1/J2】 移籍市場 中間評価 (下)
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