FC岐阜→ J3は23節が終了した。残りは7節となったが勝ち点「45」の熊本と勝ち点「43」の宮崎が昇格圏に位置する。3位の富山が勝ち点「41」、4位の岩手が勝ち点「38」、5位の福島が勝ち点「37」となるが、6位のFC岐阜は勝ち点「33」。昇格争いから脱落しつつある。2位の宮崎との差は「10」。消化試合数はFC岐阜の方が1つだけ少ないが残りは7試合。「限界ギリギリの勝ち点差になった。」と言える。
五輪の中断明けは2勝3敗2分けと低調。14節を終えた時点では首位だったが勝負所の時期に勝ち点を取り逃がした。16節の福島戦(H)は0対4で大敗して18節の鳥取戦(H)も0対3で大敗した。今シーズンはホームで苦戦しており、5勝4敗2分けとなる。24節が長野戦(H)、26節が富山戦(H)、27節が宮崎戦(A)、ラストの30節が熊本戦(A)になるが沢山残っている上位対決での勝利は昇格のための絶対条件になる。
21試合で28得点/24失点となるが攻撃陣はFW川西が孤軍奮闘している。19試合で11ゴールを記録しており、チームの約40%がFW川西のゴールになる。レフティのMF吉濱も17試合で1ゴール6アシストと結果を残しているがそれ以外の選手はなかなかゴールに絡めておらず。チームで2番目にゴールを挙げているのはCBのDF三ッ田で4ゴールとなる。3ゴール以上を記録しているのはFW川西とDF三ッ田の2人だけになる。
飛躍のシーズンになることが期待されたFW村田透は開幕当初はレギュラーだったが18試合で2ゴールのみ。電撃加入したMF柏木も13試合で1ゴール2アシスト。同じ左利きのチャンスメーカーのMF吉濱がいることもあって大きな存在感を発揮するには至っておらず。FW山内は7試合で無得点、MF町田ブライトは3試合で無得点、MF富樫佑も7試合で無得点となる。夏に加入したFW深堀も7試合で1ゴールのみとなる。
攻撃に関する各種のスタッツを見ると大半がJ3で下位レベルになる。「シュート数」は13位、「ドリブル数」と「パス数」と「クロス数」と「30mライン進入回数」と「ボール支配率」はワーストの15位、「ペナルティエリア進入回数」は14位となる。チャンスの数は少ないことを考えるとむしろ「21試合で28ゴールを奪っていること」を不思議に感じる。FW川西とDF三ッ田の決定力の高さに助けられている。
当然、J3では屈指のタレント力を誇るチームなので「安間監督の戦い方に大きな問題がある。」と言わざる得ない状況である。仮にここから大逆転してJ2復帰を果たした場合でも監督交代というのは選択肢の1つに入ってくるがこのままJ2昇格を逃した場合は安間監督はもちろん、安間監督を選んだフロントも大きな批判を浴びるだろう。資金力もJ3の中では屈指であることを考えるとふがいないシーズンになっている。
平均年齢は28.48歳となるがこれは「J3の15クラブの中で高い方から3番目」となる。FW村田透やFW町田ブライトやMF粟飯原など期待された選手が伸び悩んだ影響は大きくてベテラン主体のメンバー構成になった。大木監督の時は若手主体のパスサッカーを披露してJ2で一定以上の存在感を発揮したが「ベテラン主体で、かつ、個人能力の頼ったサッカーをしている。」というのは問題ありと言わざる得ない。
以上のことを踏まえて今オフのFC岐阜の補強ポイントを書き出すと
○ 第2の得点源になれる選手(フォワード)
→ チーム内で2位はCBの三ッ田啓希で4ゴール。
○ 第2の得点源になれる選手(アタッカー)
→ 11ゴールのFW川西翔太に続く選手が出てこず。
○ 守備の要になれるセンターバック
→ DF甲斐健太郎やDF藤谷匠は流出の可能性。
○ 若手 or 中堅世代のサイドバック
→ DF舩津徹也は34歳、DF橋本和は35歳と高齢。
○ 若手 or 中堅世代のゴールキーパー
→ GK桐畑和繁は34歳。柏から期限付き移籍中。
○ ポジション問わず、若手の有望プレーヤー
→ 平均年齢はJ3で上から3番目。ベテラン主体。
となる。松本山雅からの期限付き移籍のDF三ッ田はもちろん、FW川西、DF甲斐、DF藤谷匠などは退団の可能性がある。夏以降は失点数が増えているがDF甲斐やDF藤谷匠はJ3の中ではトップクラスのCBなので「興味を示すJ2のクラブはたくさん出てくるだろう。」と考えられる。昨オフの流出は最小限に抑えることができたがJ2昇格を逃した場合は「主力の流出が続くハードなオフになること」も十分に考えられる。
先のとおり、クラブの平均年齢が非常に高くなっているので「若手の有望株」をたくさん獲得したい。FC岐阜は何だかんだでJ3の中ではクラブの格は上位クラスなので「他のJ3のクラブで活躍した選手を引き抜く。」というのが最も成功する確率が高くて、かつ、必要なお金も抑えることが出来る有効な策と言える。また、J2の中規模以下のクラブで出場機会に恵まれていない若手を借りるというのも有効な方法である。
補強ポイントを整理した上で「今オフにFC岐阜が獲得できたら面白いと思う選手」を具体的に何人か挙げてみると
○ FW 齊藤和樹 (ファジアーノ岡山)
→ 熊本時代は中心として活躍。磐田でもプレー。
○ FW 渡邉りょう (アスルクラロ沼津)
→ J3で18試合で5ゴール1アシスト。沼津のエース。
○ FW 樋口寛規 (福島ユナイテッド)
→ 2012年と2013年に岐阜でプレー。J3で6ゴール。
○ MF 佐藤和弘 (松本山雅)
→ J2有数のユーティリティー。岐阜県の多治見市出身。
○ DF イヨハ・理・ヘンリー (鹿児島ユナイテッド)
→ 2020年はFC岐阜で主力。広島が保有権を持つ。
○ DF 星キョーワァン (松本山雅)
→ 圧倒的な身体能力が魅力。横浜FCが保有権を持つ。
○ DF 田中康介 (福島ユナイテッド)
→ 大卒1年目。SBでもWBでもボランチでもプレー可能。
○ DF 光永祐也 (ザスパクサツ群馬)
→ 攻撃力の高い左利きの左SB。福岡U-18出身。
○ MF 上月壮一郎 (京都サンガ)
→ 180センチの大型サイドアタッカー。年代別代表。
○ FW ブワニカ啓太 (ジェフ千葉)
→ J2の開幕戦でゴール。185センチの大型フォワード。
あたり。中でも駒不足が深刻なのはCFになる。FW渡邉りょう(沼津)以外ではFWバルデマール(FC今治)、FW今村(沼津)、FW梅田魁(宮崎)、FW橋本啓(宮崎)、FW大久保優(鳥取)なども候補に挙げられる。FWバルデマールはアフリカ大陸の西端部にあるギニアビサウ出身となる。FW梅田魁は2020年のJFLの新人王で、かつ、J3の舞台でもコンスタントに活躍している。大卒2年目のFW大久保はパワフルな選手である。
最後に新卒での加入が内定している選手はMF石坂(FC岐阜U-18)とMF山内彰(東海学園大)の2人になる。中盤でオールラウンドな活躍が期待できるMF石坂はクラブ史上初の「アカデミーで育ってFC岐阜のトップチーム昇格を果たした選手」になる。一方のMF山内彰は展開力とボール奪取に長けたボランチになる。ボランチも元・日本代表のMF本田拓が36歳なので「若手の台頭」が期待されているポジションになる。
▼ 「もっと詳しく!」という場合はこちらで (2021年10月29日 up済)
サッカーコラム J3 Plus チャンネル(最近の動画 : 15個) 2021/10/05 【J3】 今オフにJ2のクラブへの「個人昇格」が考えられる選手・30名 (21位-30位)
2021/10/06 【J3】 今オフにJ2のクラブへの「個人昇格」が考えられる選手・30名 (11位-20位)
2021/10/07 【J3】 今オフにJ2のクラブへの「個人昇格」が考えられる選手・30名 (1位-10位)
2021/10/08 【#1 アルビレックス新潟】 今オフの補強ポイント&獲得できたら面白いと思う選手(18人)
2021/10/09 【#2 ファジアーノ岡山】 今オフの補強ポイント&獲得できたら面白いと思う選手(18人)
2021/10/10 【#3 ロアッソ熊本】 今オフの補強ポイント&獲得できたら面白いと思う選手(18人)
2021/10/11 【#4 ジェフ千葉】 今オフの補強ポイント&獲得できたら面白いと思う選手(18人)
2021/10/12 【#5 長野パルセイロ】 今オフの補強ポイント&獲得できたら面白いと思う選手(18人)
2021/10/13 【#6 町田ゼルビア】 今オフの補強ポイント&獲得できたら面白いと思う選手(18人)
2021/10/14 【#7 モンテディオ山形】 今オフの補強ポイント&獲得できたら面白いと思う選手(18人)
2021/10/17 【#8 ガイナーレ鳥取】 今オフの補強ポイント&獲得できたら面白いと思う選手(18人)
2021/10/17 【#9 ジュビロ磐田】 今オフの補強ポイント&獲得できたら面白いと思う選手(18人)
2021/10/19 【#10 水戸ホーリーホック】 今オフの補強ポイント&獲得できたら面白いと思う選手(18人)
2021/10/19 【お知らせ】 ユーチューブ(サッカーコラム J3 Plus チャンネル)を始めました。
- 関連記事
-