■ 準決勝第1試合全国高校サッカー選手麺の準決勝の第1試合は、初優勝を目指す鹿児島城西高校と前橋育英の対戦。今大会から準決勝の会場が国立競技場では無く、埼玉スタジアムに変更となった。
1993年にサッカー部が出来たという鹿児島県の鹿児島城西は、ここまでの5試合で22ゴールと破壊力抜群の攻撃陣が魅力。鹿島アントラーズに入団が決定しているFW大迫勇也は4試合で8ゴール。大会最多ゴール記録まであと1に迫っている。
一方の前橋育英は4試合で7得点で無失点。攻撃力のある鹿児島城西に対して、大会屈指の前橋育英の守備陣がどこまで対抗できるかがポイント。
■ 鹿児島城西が決勝進出!!!試合は激しい点の取り合いとなった。前半14分までの前橋育英が3ゴールを奪って3対1とリードするが、前半22分に鹿児島城西がFW野村のゴールで1点を返すと、さらに前半43分にFW大迫勇のゴールで3対3の同点に追い付く。FW大迫勇は5試合連続ゴールで大会最多タイの9ゴール目。
勢いの出てきた鹿児島城西は、さらに前半の終了間際にCKから相手GKのオウンゴールで4対3と逆転に成功する。鹿児島城西は、後半27分にも追加点を挙げて、結局、5対3で勝利。成人の日に行われる決勝戦に進出した。
■ 5試合連発の2トップ鹿児島城西は一時は2点ビハインドとなったが、FW野村とFW大迫勇のゴールで前半のうちに追いついた。2トップはこれで共に5試合連続ゴール。チーム全体でも5試合で27ゴール。首都圏開催となった第55回大会以降のチーム最多得点記録(24点)を塗り替えた。
課題となる守備陣はこの日も3失点を喫したが、前半14分に3点目を許して以降は、体を張った守備で粘り強く対応。前橋育英の個人技術の高さに翻弄されるシーンも多かったが、最後の最後は身を投げ出して防いだ。
■ ストライカー大迫勇也①注目を集めるFW大迫勇は貴重な同点ゴールをマークし、これで大会9ゴール目。決勝戦で個人最多ゴールの新記録を目指すことになる。
182cmの体格であるが172cmの選手のような細やかな動きが出来る点で、これまでの日本人フォワードにはあまりいないタイプの選手といえる。サイドに流れたときに、うまく緩急をつけて相手ディフェンスを外して中に切れ込むプレーは、高校年代では止めようがない。
また、今大会のゴールシーンを見ても、シュートセンスがあって、シュートのアイディアが豊富であることが良く分かる。強いシュートだけでなく、ゴールに流し込むようなパスのようなシュートが出来るので、ゴール前でも慌てることはない。
■ ストライカー大迫勇也②ただ、逆に、182cmの長身が十分には生かされていないという感じもする。リーチの長さを生かしたキープのシーンでは長身が活かされているが、それ以外では、なかなか体格を生かしたスケールの大きなプレーが見られない。
仮説として、2トップの相棒のFW野村がガツガツ行くタイプで相手ディフェンスとバトルしてくれるので、そのダーティーな仕事はFW野村に任せており、実際には、必要とあらば肉弾戦もOKというタイプなのかもしれないが、プロでセンターフォワードを務めるには、まだ弱さを感じる。高さを生かしたヘディングシュートもそれほど多くなく、未知の部分も多い。
■ ストライカー大迫勇也③あえて似たタイプの日本人選手を挙げると、デビュー当時の磐田のFW前田遼一か。下がってボールを受けた後に見せるパスセンスや柔らかいボールタッチは体格も同じくらいで、FW前田を連想させる。
FW前田の場合は、その後、ややひ弱だったイメージを覆して、体が出来るに従って空中戦でも強さを発揮するようになったが、FW大迫勇の場合も、どういうタイプの選手に育つのか、まだ分からない部分はある。もちろん、1.5列目的なポジションで開花する可能性もあるだろう。
卒業後は鹿島入りが内定しているが、FWマルキーニョス、FW興梠、FW田代、FW佐々木がいる鹿島のフォワードで出番をつかむのは容易では無いだろう。ただ、今大会の活躍で注目度は飛躍的に上がっており、プロ1年目から大きな注目を集めることになる。これは、プロ生活を始める上で、彼のアドバンテージになるだろう。
■ 逃した決勝進出一方の前橋育英はまたしても決勝進出を逃した。3対1とリードし、高いテクニックと連動性で中盤を制したが、GKとDFの連係ミスから1点差に迫られると、その後、前半終了間際に連続失点。よもやの展開となった。
MF六平光成を中心とした中盤の構成は見事であったが、綺麗にプレーしすぎてしまった感もある。このチームであれば全国制覇も可能であったとは思うが、スタメンのうち6人が2年生。来年への期待が膨らむ。
■ ユースか?高校サッカーか?改めて前橋育英の25人の登録メンバーを見てみると、MF六平を含む3名がFC東京U-15深川出身であり、MF六平とダブルボランチを組むキャプテンのMF米田がガンバ大阪JY出身、さらに2年生のMF中美が栃木SCJY出身と、経歴が多様で面白い。
高校年代になって、クラブか、高校サッカーかで大きな分かれ目となるが、どちらが優れているというわけでもない。選手に合う環境で、発展していってほしい。
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