■ もう負けられない!!!勝ち点「52」の名古屋と勝ち点「40」の京都サンガの対戦。名古屋は首位の鹿島との勝ち点差は「2」であるが、ここ6試合は2敗4分けと失速気味。一方の京都は前節の横浜FM戦で3対1と逆転勝ちしたが、まだ残留は決定していない。
ホームの京都は<4-3-3>。GK水谷。DF増嶋、水本、手島、渡邉。MFシジクレイ・佐藤勇、角田。FW安藤、柳沢、林。MFフェルナンジーニョはベンチスタート。
対するアウェーの名古屋は<4-4-2>。GK西村。DF竹内、吉田、増川、阿部。MF山口、中村直、小川、マギヌン。FWヨンセン・玉田。GK西村は古巣との対戦。FWヨンセンは今シーズン限りでの退団が濃厚とされている。
■ ヨンセンの決勝PK試合の前半は名古屋、後半は京都のペースで進む。
前半は名古屋が左サイドバックのDF阿部を起点に素早いパス回しで京都を翻弄する。開始早々の前半0分に、左CKからファーサイドのMFマギヌンが押し込んで先制。さらに、前半25分にも左サイドを突破したMF小川のクロスを中央に待っていたMFマギヌンがうまく合わせて2点リードを奪う。
後半開始から京都はMF中谷を投入。すると、後半11分にゴール前の混戦からFW柳沢が左足で押し込んで1点差に迫ると、さらに後半22分にもPKのチャンスを得る。そのシュートは名古屋のGKに防がれるが、こぼれ球をFW柳沢が自ら押し込んで同点に追い付く。この2得点でFW柳沢は今シーズン13ゴールとなった。
勝敗の行方を決めたのは2対2で迎えた後半ロスタイム。名古屋のFWヨンセンがヘディングのときに相手DF増嶋に抑え込まれたとしてPKをゲット。FWヨンセン自ら決めて名古屋が3対2と勝ち越しに成功。
結局、名古屋が勝利し2位に浮上。首位の鹿島との勝ち点差「2」は変わらなかった。
■ 辛くも勝利後半に押し込まれた名古屋だったが、辛くもPKで決勝ゴールを奪い、大きな勝ち点「3」を拾った。6試合連続で勝利がなかっただけに、ムードを変える意味でも貴重な勝利といえる。
前半の名古屋は好調時のグランパスを思わせるハイレベルな内容だったが、後半は京都の勢いの前に完全に主導権を奪われた。1点差に迫られた後、悪い流れを変えるために何か策が欲しかったが、効果的な対策は出来ず、そのままの流れで同点を許した。
この試合はMF吉村が不在でMF山口をスタメンで起用。中盤の選手層の薄さはここに来て大きな弱点になっているが、残りは2試合。総力戦で優勝を狙う必要がある。
■ 痛いファール一方の京都は後半に流れをつかんだが、逆転まではいけなかった。左サイドにMF中谷が入ったことでサイドに推進力が生まれて、名古屋のお株を奪うサイドアタックを披露したが、ロスタイムに不用意なファールから失点を喫した。
勝ち点「3」が必要な名古屋に対して、京都は勝ち点「1」でも十分であったが、そのアドバンテージを生かすことは出来なかった。
■ ヨンセンは本当に必要ないのか?①決勝ゴールを挙げたのはFWヨンセン。自ら得たPKを確実に決めて今シーズン12ゴール目。引き分けに終わると優勝争いから大きく後退することになる状況で、大きなゴールだった。
ただ、そのFWヨンセンは今シーズン限りでの退団が濃厚とされている。移籍先として清水エスパルスの名前が挙がっているが、仮に事実だとすれば、清水にとっては大きな補強になるだろう。FWチョジェジン退団後、ターゲットマンの不在に泣いた清水としては最高の補強である。
一方、名古屋側の事情を考えてみると、あり得ない話では無い。今シーズンのFWヨンセンは12ゴールを挙げているが、本来の実力から言うと、もう少しゴール数が伸びていてもおかしくないし、シーズン途中から、勝負所の時間帯にもかかわらず、途中交代させられるシーンが目立ち、全幅の信頼を得ているわけでは無いような起用方法もあった。
また、名古屋には、モンテディオ山形にレンタル中で五輪代表のFW豊田陽平とバックアッパーのFW巻祐樹という2人のターゲットマンがおり、ともに、今シーズンはフルには出場していないが、目覚ましい進歩を遂げている。
■ ヨンセンは本当に必要ないのか?②これも、また、非常に悩ましい問題である。
いくらFW豊田やFW巻が成長を見せているといっても、まだまだFWヨンセンにかなわないことは明白であり、前述のように清水がFWチョジェジンを失ったと苦しんだという事例もある。来シーズン、同じように名古屋が苦しむ可能性もある。(もちろん、他に新外国人を獲得する可能性もある。)
目先のことを最優先に考えるのか、少し先のことを最優先に考えるのか。どちらの選択肢も考えられるだけに、少しギャンブルになるが、もし、成功して、FW豊田なり、FW巻なりが独り立ちすることができれば、今後、5年はフォワードの軸に困らなくなる。その2人はそれだけのポテンシャルを秘めているということに間違いなく、この2人に賭けるという選択肢もありである。
■ ヨンセンは本当に必要ないのか?③それにしても、この2年半のFWヨンセンの貢献度は高かった。FWヨンセン加入前の2006年の名古屋は下位に低迷しており、J2降格の危険性が高くなっていた。軸となるセンターフォワードがおらず、DF古賀やDF増川といったディフェンダーをトップで起用するという奇策を行わずにいられない苦しい状況だった。
もし、FWヨンセンが来日しなかったら、名古屋は今頃、J1にいなかったかもしれない。ゴールゲッターでありながら、守備でも手を抜かず、人間的にも優れていた。2006年8月12日に瑞穂競技場に、新外国人のFWヨンセンのプレーを観に行ったことが懐かしく思い出される。
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>>> 雪鯱さん
どうもコメントありがとうございます。代役を誰にするのかが問題ですね。豊田なのか、巻なのか、ダヴィなのか?ダヴィ獲得に目処がついているのなら、ヨンセンの退団も致し方ない気はします。ただ、サイド攻撃を主体とするサッカーなので、ダヴィがそのまま、うまくフィットするのかは分からない。ヨンセンの衰えは間違いないとしても、ギャンブル的な人事と言えますね。
こんばんは。
個人的な意見ですが契約更新しない理由は
・ピクシーの望んだ選手ではないこと
・年齢から来る衰え
だと考えています。
ご存知かと思いますがヨンセン選手は
セフ・フェルフォーセン前監督が望んだタイプのFWで
現監督が望んだFWではありません。
また、ヨンセン選手自身も来日当初に比べ
競り負けたり、決定的な場面でのミスが多くなってきています。
このまま更新しても復調するより
今までよりパフォーマンスが落ちることを
危惧しての判断ではないかと思います。
ただ、管理人さんも書かれているように
J1残留や今シーズンの躍進の主要因は
間違いなく彼のプレーによるものですし
代わりに獲得する選手がフィットするとは限りません。
フロントの意見/行動は頭では理解していますが
感情的には納得出来ていないのが現状です。。。
長文失礼しました。
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