■ 脱落しつつある4位のギラヴァンツ北九州 「2020年のJ2を最も盛り上げたクラブ」と言えるのは昇格1年目の北九州である。下位候補に挙げる人が多かった中、7節から破竹の9連勝を達成した。ちょうど折り返し地点となる21節を終えた時点では14勝5敗2分けで勝ち点「44」。首位ターンを果たしたが22節以降は0勝5敗3分けで勝ちなし。21節の水戸戦(H)も0対3で敗れているので9試合勝ちなし中。29節を終えた時点では14勝10敗5分け。4位に転落した。
トンネルの出口が見つからない状況になっており、百戦錬磨の小林監督でさえ、どうすることもできない状況になっている。「初のJ1昇格」への期待値が大きく膨らんでいたが昇格争いから脱落しつつある。残りは13試合になったが首位の福岡との差は「12」と大きく広がった。最も重要となる2位の徳島との差も「9」なので限界ギリギリの勝ち点差になっている。とにもかくにも早く未勝利地獄から抜け出したいところ。
巻き返しを期待したいが38節がアウェイの徳島戦になる。何とか差を縮めて「勝てば2位に浮上できる。」という状況で決戦を迎えたいところである。「3位の福岡 vs 2位の北九州という顔合わせになった24節の福岡ダービー」は大いに盛り上がったが流れを変えることが期待されるのは10月28日(水)に加入が決まったMF針谷(磐田)になる。ボランチでの起用が予想されるが「悪い空気を変える働き」が期待される。
新型コロナの影響で今シーズンは「第3登録期間(ウインドー)」が設定された。「2020年10月2日(金)~10月30日(金)」が第3登録期間になるが期間中に北九州が獲得したのはMF針谷のみとなる。福岡はMF山岸祐(山形)、長崎はFWエジガル・ジュニオ(横浜FM)とDF庄司(C大阪)、磐田はMF遠藤(G大阪)を獲得するなど昇格を目指すクラブは即戦力クラスの補強を行ったが北九州はMF針谷のみの補強になった。
■ 高卒4年目のMF針谷を獲得 昌平高のときはC大阪も獲得に興味を示したが磐田入りを選択した。当時の名波監督のサッカーに魅力を感じて磐田入りを選択しているが出番は限られた。高卒4年目になるが今シーズンは7試合の出場のみ。プレー時間は209分にとどまっている。2017年と2018年は出場機会なし。2019年にJ1で3試合に出場しているが3年半ほどで出場機会を得たのは計10試合のみ。期待に応える働きは出来なかった。
五輪代表に招集された経験もあるがここ最近は呼ばれていない。今回の移籍を浮上のきっかけにしたいがネックとなるのはフィジカルの部分である。166センチ/56キロというのはJリーガーとしては相当に小柄である。MF針谷のような選手は「2.5列目のポジションが最も生きる。」と思うがJリーグで「4-1-2-3」を採用するクラブはあまり多くない。ボランチでプレーするにはフィジカルの部分が大きな弱点になる。
磐田の歴代の監督に起用されなかったのもフィジカルや守備の部分がネックになったと思うが攻撃的なセンスは相当に高い。昌平高というとテクニシャンをたくさん輩出しているが「昌平高っぽい選手」である。ボールコントロールは正確で、パスセンスがあって、ターンの上手さにも定評がある。コンビネーションからチャンスを作ろうとする新生・北九州のサッカーに合った選手であることは間違いないところである。
北九州は9試合勝ちなしと苦しんでいるがスタメンの顔ぶれはあまり代わらない。苦しい中、小林監督は主力選手を信頼して起用し続けているが悪い流れを変えることは出来ずにいる。「選手層が厚くないので主力が結果を残せなくても使い続けるしかない状況」になっているがMF針谷はオプションの1つになる。ボランチはMF國分伸とMF加藤弘の2人が軸になっているがMF藤原奏は右SBでの起用が多くなっている。
■ 「9差」はノーチャンスとは言えない。 攻撃の中心であるMF高橋大をボランチの位置に下げて起用した試合も少なくないがMF高橋大が最も生きるのは右SHである。同年代で、かつ、センスのあるプレーヤーが沢山いる環境なので「すぐに馴染む可能性は大」である。「昇格への切り札」と呼ぶにはJリーグでの実績が乏しすぎるが「2位との差が『9』」というのは残りが13試合であることを考えるとノーチャンスではない。MF針谷にかかる期待は大きい。
10月に入ってから元・日本代表のMF遠藤(G大阪)が加入してすぐにチームの中心におさまったので磐田で出番を得るのはさらに難しそうな状況になった。「win-winの移籍」とも言えるが昇格を目指す磐田にとっては4位の北九州も「追い抜かないといけない相手」である。4位の北九州と8位の磐田の差は「6」。MF針谷を獲得した北九州が調子を取り戻してしまうことは昇格のことを考えると宜しくない話である。
「昇格争いのライバルの1つに塩を送る補強」なので自分たちよりも順位が上となる北九州に貸し出すことはどうなのか?と思うところもあるが「MF針谷を獲得した北九州が息を吹き返して磐田よりも上の順位でシーズンを終える可能性はあまり高くない。」 or 「大きなインパクトを与えるほどの活躍は難しい。」と考えているのだろうか?普通では考えにくい移籍先なのでMF針谷にとって発奮材料になるかもしれない。
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