サガン鳥栖→ 今シーズンの鳥栖はネガティブなニュースが満載である。開幕前に大手スポンサーだったDHCが撤退して3月末に「経営危機が深刻であること」が明らかになった。直後に「2019年度に約20億円という赤字を計上したこと」が発表されると竹原社長が注目を集めるようになった。さらに8月に入るとチーム内でクラスターが発生した。ルヴァン杯の広島戦を含めて公式戦は5試合が中止になってしまった。
新型コロナの影響ならびにDHCの撤退によって今シーズンはさらに経営が厳しくなると考えられる。踏んだり蹴ったりのシーズンになっているがその一方で若手の台頭は著しい。高卒ルーキーのMF本田風は序盤戦から主力として活躍。同じく高卒ルーキーで左SBのDF大畑も11試合に出場している。大卒ルーキーの2人はさらに目覚ましい活躍を見せており、右SBのDF森下龍は持ち前の攻撃力を生かして定位置を確保した。
「ビースト(野獣)」の異名を持つFW林大地は初ゴールを決めた試合以降の6試合で5ゴールと爆発して注目を集めた。キャプテン翼の日向小次郎にも例えられるが最近の選手では珍しいほど情熱溢れるプレーを見せる。これだけゴールに対して強い意欲を示す日本人はほぼいない。スタメンは6回なので途中出場が多くなっているが21試合で7ゴール。出場時間は879分なので超・ハイペースでゴールを決めている。
他にも高卒2年目で20歳のFW石井快がプチブレイクを果たした。アグレッシブな仕掛けを武器に15試合で3ゴール4アシストを記録している。大卒2年目のMF樋口雄も18試合に出場するなど飛躍の1年になっている。当然、高校3年生だった2019年からすでに主力級の活躍を見せていた19歳のMF松岡大も欠かせない戦力である。オン・ザ・ピッチに限定すると「ポジティブな要素の多いシーズンになった。」と言える。
さらには年代別代表の常連で2019年のU-17W杯を経験した高校2年生の左SBのDF中野伸もJ1で5試合に出場している。若手の台頭が目立つシーズンになっているが平均年齢はJ1の18クラブの中で最も低い25.15歳になる。2番目に若い湘南でも26.20歳なので「18クラブの中で断トツに若いチーム」と言える。24歳のGK高丘や22才のDF原輝綺あたりの選手が若手とは言えないほど10代の選手がプレー機会を得ている。
新型コロナの影響でJ1のリーグ戦が4試合も延期になったので活動再開後は超・過密日程になっているが15連戦を乗り切った。再開初戦となった9月5日(土)の横浜FC戦(H)から10月24日(土)の湘南戦(H)までほぼ休みなしで15試合を戦うことになったが通算成績は24試合で4勝11敗9分けとなる。15位なので「素晴らしい成績を残している。」とは言えないが「大変な状況になった割には健闘している」と言うことが出来る。
暫定15位となるが下位3チーム(湘南・清水・仙台)との差はそれなりに離れている。「例年通りでJ2降格のルールが採用されていたとしてもある程度の余裕をもってJ1残留を果たせそうな勝ち点」は稼いでいる。24試合で勝ち点「21」というのは悲観するような成績ではない。移籍組のDFエドゥアルド、DF内田裕、MF小屋松、DF宮大樹、GK守田なども奮闘しており、横浜FMに移籍したGK高丘の活躍も目立った。
意外と明るいニュースの多いシーズンになっているが「経営問題が解決した。」という話は聞こえてこない。当時、竹原社長が話した「今は発表できないが複数の新たな主要スポンサーとの契約は間近に迫っている。」という件も当初から言われていたとおりで「口から出まかせだった可能性が高い。」と言わざるえない状況である。ホーム戦のときの駅前不動産スタジアムの広告の数は驚くほど少ないのが現状である。
根本的なところは何も変わっていないので、今後、再び、ネガティブなニュースが舞い込んできても全く不思議はない。「クラブ存続の危機」と表現するメディアもあるが、今度こそ、身の丈に合ったクラブ運営をしないといけない。つい先日、正キーパーのGK高丘を横浜FMに完全移籍で売却したのはいい選択だったと思うがトレードのような形で横浜FMのGK朴一圭を期限付き移籍で獲得した判断については評価できない。
節約できるところは少しでも節約しないといけない状況である。売れそうな選手は積極的に売らないといけない状況である。もちろん、良い選手をすべて売ってしまうとチーム力は大きく低下して観客動員数の減少にもつながる。さらなるスポンサー離れのきっかけにもなるが「ここまで来てしまったらそうするしかない。」と言える。かつての大分のように身の丈に合った経営を行った結果の主力流出は仕方がない。
むしろ、かつての平塚や東京Vや大分などのように身の丈に合った経営を行うために泣く泣く優秀な選手を売らざる得なかったクラブの関係者ならびにサポーターは財政事情が危機的であるにもかかわらず、普通に補強を行っている鳥栖に対してはネガティブな感情を抱いているだろう。Jリーグなどに助けを求めるのであれば、今、自分でやれることは全てやらないといけない。そうでないと協力は得られないだろう。
鳥栖の選手の中で市場価値が高い選手というと、五輪代表にも選出されているMF原輝綺、ゲームメ―カーのMF原川、ボランチのMF松岡大、右SBのDF森下龍、ストライカーのFW林大地、サイドアタッカーのMF小屋松、大型CBのDF宮大樹、復活を果たした左利きのCBのDFエドゥアルド、高卒ルーキーのMF本田風あたりになる。今シーズンの活躍によって各選手の市場価値が高まっている点はプラスに考えられる。
身の丈に合った経営を行うという決断を下した後の大分は有力選手の多くが流出してゼロからの再スタートを余儀なくされた。大変な状況になったが当時の大分と今の鳥栖は共通点が多い。「今オフの移籍市場で鳥栖の主力がどのくらい流出してどのくらい残るのか?」を予想するのは難しいが「草刈り場になる可能性は高い。」と言える。クラブにとってもサポーターにとってもタフなオフになるのは間違いない状況である。
当時の大分はまだ若手だったMF東慶悟あたりを中心にチームを立て直そうとしたが新型コロナの影響でJリーグはどのクラブも経営が苦しいので「尻の毛まで抜かれる。」という事態にはならないと考えられる。FW石井快、MF本田風、DF大畑、GK板橋など19歳前後の選手まで流出することは考えにくいので彼らを中心にチームを立て直すことになるのではないか?と思われる。いずれも能力の高い選手である。
ベテランで、かつ、高額年俸の選手を抱えておく余裕はないが、FW豊田とMF高橋義の2人は別である。どちらも鳥栖のレジェンドであり、J2だった頃から鳥栖を支えてきた人気選手である。同学年の2人はどちらも35才になったので「現役引退もちらつく年齢」になっているがFW豊田とMF高橋義まで放出してしまうとサポーターの多くは離れてしまう。どういう状況になったとしても放出してはいけない選手もいる。
怪我人が続出したこともあってやり繰りで苦労しているCBは最優先補強ポイントにあるが今オフはたくさんの主力が流出することになると思われるので「流出した選手の穴埋め作業」が中心になるだろう。人件費は出来る限り抑えないといけないがJ1ブランドを最大限に活用して「とにかくJ1でプレーしたい。」という選手を掻き集めるのがベターである。出来れば数年先に転売が出来そうな若手の有望株を獲得したい。
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