■ 日本サッカー史上でも屈指のフィード力今シーズンのJリーグはパスをつなぐサッカーに取り組んでいるクラブが多い。名古屋は昨シーズンの途中に風間監督が退任してイタリア人のフィッカデンティ監督に交代した後はシンプルなサッカーに変化したが鹿島や清水など監督を交代させてパスをつなぐ意識が高まった。湘南も曹貴裁監督がチームを離れて浮嶋監督になってからはパスをつなぐ意識が高まったが思うように結果が出ていないクラブもいくつかある。
J2でもスペイン出身のアルベルト監督が就任した新潟がパスサッカーに取り組んでおり、東京Vは昨シーズンの途中に就任した永井秀樹監督になってからパスをつなぐ回数が明らかに増えている。どのカテゴリーでも後方からパスをつないでいくサッカーに取り組むときはCBやSBなど守備的なポジションの選手に高いパス能力が求められるが近年はキーパーのポジションにも高いフィード力が求められる時代になった。
「フィードの得意なキーパー」が重宝される時代に突入したがGK西川(浦和)の正確無比なフィードは現代のJリーグのみならず、日本サッカー史上でも屈指と言える。34歳になったが大分時代の2009年から11年連続で33試合以上に出場しており、J1での通算出場試合数は歴代10位の「471」となった。先日のC大阪戦(A)ではFW藤尾にボールを奪われて失点を喫したが彼がこういう形でミスをするのは極めて珍しい。
GK西川のような選手が最後尾に控えていると味方選手は安心してプレーすることが出来る。GK西川とは同学年で一緒に日本代表に選出されるケースが多かったGK東口(G大阪)もフィードに定評のあるキーパーである。こちらもずっと所属クラブでレギュラーを張っているが軽率なミスやフィードのミスから失点するケースは稀である。19歳のGK谷(湘南)が期限付き移籍先で頑張っているがまだまだGK東口には及ばない。