■ 2012年にJ2初昇格を果たした。松本山雅は長きに渡って北信越リーグで活動してきたが2009年の全国地域サッカーリーグ決勝大会を制して初のJFL昇格を決めた。さらに2011年のJFLで4位に入って悲願のJ2昇格を達成しているが2011年の8月2日には元・日本代表の松田直樹さんが練習中に急性心筋梗塞で倒れて2日後の8月4日に亡くなるというショッキングな出来事があった。辛い経験を乗り越えてJリーグへの昇格を果たした。
2012年に反町監督が就任してからの躍進ぶりを改めて振り返る必要はないだろう。昇格3年目の2014年のJ2で2位になって「初のJ1昇格」を達成すると2019年にもJ1を経験した。どちらも「1年でのJ2降格」となったがここ10年ほどの期間のクラブの躍進ぶりは凄まじい。「この10年間で最も大きく成長したJリーグのクラブ」といっても過言ではないだろう。急激な成長ぶりは誰にも予想できないレベルだった。
「2010年代に大躍進したクラブ」と言えるがクラブを支えてきたのがDF飯田真になる。187センチという恵まれた体格を生かした空中戦の強さはJリーグでも屈指である。自慢の高さは攻撃の時も威力を発揮した。J2通算では251試合で25ゴールを記録しているが「いいところでゴールを奪ってチームを助けてきた選手」である。セットプレーというのは反町体制での最大の武器だったがDF飯田真がターゲットになった。
2019年もJ1で29試合に出場して2ゴールを挙げている。序盤は出場機会に恵まれなかったが6節にスタメンを奪回。3バックの中央で起用されることが多かったが「堅守」に貢献した。34歳になったのでピークの時期と比べると身体能力は落ちてきている気もするがエネルギッシュなプレーでチームを引っ張った。「まだまだやれそうだ。」という印象だったが2019年限りで松本山雅との契約は満了になった。
■ 2010年の途中に松本山雅に期限付き移籍2019年に限らず、近年の松本山雅は平均年齢の高いチームである。高齢化とマンネリ化という2つの問題を抱えており、反町監督の勇退も問題解決のための1つの方法だと思うがDF飯田真の契約満了は驚きだった。同じように近年の松本山雅を支えてきたFW高崎やMF宮阪やMF岩上の契約満了も驚きだったがDF飯田真の契約満了は桁違いの衝撃だった。Jリーグのオフのニュースの中では屈指の衝撃度だった。
DF飯田真は2008年に大卒で東京Vに入団している。この年の東京VはJ1所属だった。J1で2試合に出場しているが翌年の2009年はJ2で4試合の出場のみ。2010年の途中に松本山雅に期限付き移籍をしてシーズン後に完全移籍に切り替わったが「2019年が松本山雅で在籍10年目」だった。東京V時代のDF飯田真のことを覚えている人はコアな東京Vのサポーターくらいだろう。「DF飯田真と言えば松本山雅」である。
「JFL時代を知っている選手の1人」としてずっと松本山雅を支えてきたが恵まれた体格と高い身体能力を生かして相手フォワードを封じるプレーに魅了された人は多かった。伝統的に松本山雅はシンプルで、かつ、泥臭いサッカーを志向するチームになるがDF飯田真はその象徴的な存在だった。「♪飯田真輝 お前が砦さ 勝利のために 強く強く」というチャントは『名チャントの1つ』として広く知られている。
チームの顔であり、チームの象徴であり、まだまだ守備の要としてやれそうな選手だったので契約満了は本当に驚きだったが、このたび、ようやく移籍先が決まった。JFLのマルヤス岡崎に移籍することが2月21日(金)に発表された。愛知県の岡崎市で活動するマルヤス岡崎は2014年からJFLに所属しているが「J2であればまだまだ十分にやれそうな強力なCB」の獲得に成功。大きな補強と言えるだろう。
■ 積み上げてきたもののほとんどは失われていない。マルヤス岡崎には元Jリーガーがたくさんいる。DF茂庭がいて、FW平井がいて、MF船谷がいて、FW津田がいて、FW盛礼良レオナルドがいて、DF多々良もいる。松本山雅は過去に「DF飯田真とDF多々良とDF犬飼の3バック」という時期があった。DF多々良とDF飯田真が同じチームでプレーするというのは松本山雅のサポーターにとっては嬉しい話だろう。50歳のFW森山も現役復帰して選手登録されている。
チームを率いているのは名古屋やFC岐阜や松本山雅でプレーした北村隆二監督になるがキャラクターの濃い選手がたくさん集まったチームである。JFLでは14位→13位→14位→9位→13位→11位なので中位以下に終わるケースがほとんどになるが「インパクトを残しても全くおかしくないメンバー構成」になっている。かなりのベテラン集団になるが「どんな戦いをするのか?」と興味がわくチーム編成になっている。
「まだ所属先が決まらないのであればDF飯田真を獲得してほしい。」と思っていたJ2 or J3のクラブのサポーターは多かったと思うので「まさかのマルヤス岡崎入り」になるが移籍先の決定にあたっての松本山雅の公式サイトにアップされた本人のコメントは切ない。
「このチームにきて結果を出すことでいろいろなものを手に入れ、そして負けることでそのほとんどを失うということを学びました。」
「ほとんど積み上げてきたものを失ってしまいましたがその時間と経験は自分の中の本当に大切なものになりました。」今、思っているストレートな感情だと思うが声を大に言いたい。松本山雅はJ2に降格して、DF飯田真は契約満了になったが、「積み上げてきたものをほとんど失った。」というのは明確な誤りである。負けたことで失ったものは少なからずあるとは思うが「積み上げてきたもののほとんどはしっかりとクラブならびに本人の中に残っている。」というのが正しい。クラブに対するDF飯田真の功績が消えることはあり得ない。
2010年に松本山雅に加入してからの彼のプレーはサポーターの間で永遠に語り継がれることになるだろう。そして、今後、松本山雅のCBのポジションでプレーする選手はずっと「飯田真輝というレジェンド」と比較され続けることになる。「飯田がいたら・・・。」、「飯田であれば・・・。」、「飯田なら何とかしてくれたのでは?」と比較され続けることになる。めちゃくちゃ高いハードルをクラブに残していった。
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