■ ルヴァン杯の初戦は5対1で大勝川崎Fは、近年、ほぼ毎オフ、移籍市場では勝ち組になった。MF家長やMF齋藤学など他クラブで活躍していたエース級の選手の引き抜きに成功することも珍しくなかったが今オフの移籍市場はやや苦戦を強いられた。主力だったGK新井、DF奈良、MF阿部浩の3人が他クラブに移籍することになったが「主力選手を引き抜かれる。」というのは近年はあまりなかったことである。オフの移籍市場は苦しい流れになった。
「オフの移籍市場で川崎Fが勝ち組になれなかったのはいつ以来なのか?」と思うほどである。例年とは違ったオフになったがルヴァン杯の初戦の清水戦(H)は不安を吹き飛ばす快勝劇を見せた。等々力競技場での試合だったが攻撃陣が爆発して新生・清水を粉砕した。「失点の数は少なくて安定感はあるが爆発力に欠ける。」というのが2019年の川崎Fだったが今シーズンの最初の公式戦はゴールラッシュとなった。
川崎Fは新たに「4-1-2-3」にトライしている。鬼木監督になってからの川崎Fは「4-2-3-1」が基本だったがシステム変更を実施した。昨シーズンの33節で横浜FMに1対4で大敗した試合はショッキングだったが新しいサッカーにトライすることになった。大きな挑戦と言えるが「4-1-2-3」がいきなり機能した。清水も監督が変わって新しいことにトライしている最中になるが現時点での完成度の違いは明らかだった。
アンカーの位置にMF田中碧を起用。インサイドハーフにMF大島僚とMF脇坂を並べて、右にFW宮代、真ん中にFWレアンドロ・ダミアン、左にFW長谷川竜也という配置になった。ルヴァン杯は「21歳以下の日本人を必ず1人はスタメンで起用しないといけない。」というルールがあるので右ウイングはFW宮代が起用されたと思うがFW旗手とFW三笘のコンビに加えてFW家長やMF齋藤学もいる。大激戦区と言える。
■ 新システムの「4-1-2-3」が機能試合は立ち上がりから川崎Fが圧倒的に押し込む展開になった。前半10分にFWレアンドロ・ダミアンが先制ゴールを決めて前半23分にFW長谷川竜也のゴールで追加点を奪ったがそれ以外にも決定機をたくさん作った。1点目も2点目も「完璧にサイドを崩してのゴール」だったが高めのポジションを取った清水の左右のSBの裏にできたスペースを的確に突いて完璧に崩した末に生み出したチャンスがたくさんあった。
目立ったのは左ウイングのFW長谷川竜也だった。オフにMF阿部浩(→名古屋)が抜けたのは川崎Fにとっては痛手になるがFW長谷川竜也にとってはチャンス到来である。FW旗手やFW三笘やFW家長やMF齋藤学やFW宮代もポジション争いのライバルになるので競争は激しいが2ゴールの活躍。「開幕スタメンは確実」と言える。スピードがあって縦に仕掛けることが出来るので「新しいサッカーに合った選手」と言える。
懸念の右SBは湘南から加入したDF山根視が起用された。新外国人のDFジオゴ・マテウス、大卒ルーキーでコンバートされたDFイサカ・ゼイン、本職はボランチとなるMF守田などが競争相手になるが「川崎Fの右SB」として十分にやれそうなところを見せた。「3-4-2-1」がメインの湘南では右ストッパーの位置で起用されることがほとんどだったので右SBは慣れたポジションとは言えないがうまく順応している。
守備のときにアグレッシブになったのが昨シーズンの川崎Fとの大きな違いと言える。特に2点目を奪うまでの迫力は相当なレベルだった。MF中村憲やFW家長あたりは走行距離の多い選手ではないが若い選手が増えたので守備のときの迫力が増している。「4-1-2-3」は前からプレスをかけやすいシステムになるが「川崎Fの印象は大きく変わった。」と言える。開幕は鳥栖戦(H)になるが仕上がり具合は順調と言える。
■ 「ストップ・ザ・横浜FM」の1番手か!?「ポジション争いが激しい点」もポジティブに考えられる。この試合でベンチスタートになったのはDF車屋、MF守田、FW家長、FW小林悠、FW旗手、FW三笘、GK安藤の7名。DF山村和、DFジオゴ・マテウス、MF齋藤学、MF中村憲などはベンチ外になった。「この日の11人がレギュラー」というわけではないと思うがこれだけ控えが豪華なチームは他には見当たらない。選手層の厚さはJ1でナンバー1と言える。
FWレアンドロ・ダミアンはおしゃれなシュートで先制ゴールをゲットしたが途中出場したFW小林悠は2ゴールの活躍を見せた。FW小林悠を右ウイングで起用することもできるがFWレアンドロ・ダミアンもアピールが必要な立ち位置になる。実績のある選手がたくさんベンチあるいはベンチ外になっていることを考えると「現時点での力やフィット具合」を最優先に考えて鬼木監督がメンバーを選んでいるのは明らかである。
J1は横浜FMが本命視されている。続くのは鹿島と川崎F、その次がC大阪・神戸・G大阪・柏・広島・FC東京あたりになる。「横浜FMと川崎Fと鹿島の3強が優勝争いの中心になる可能性が高い。」と言われているが「今年の川崎Fは相当に強い。」と言える。先のとおり、J1の開幕戦は鳥栖とのホーム戦になるが鳥栖もルヴァン杯の初戦を観る限りでは(結果は0対3で敗れたが)悪くない。面白い試合になるだろう。
一方、ACLのPOや水戸とのPSMやルヴァン杯の初戦を観る限りでは鹿島は不安をたくさん抱えている。「ストップ・ザ・横浜FMの1番手」は川崎Fになりそうだ。同県のライバルとして横浜FMに対しては特別な意識を持っていると思うが両チームは早くもJ1の4節に激突する。3月14日(土)に日産スタジアムで顔を合わせることになるが「今シーズンのJ1の優勝争いの行方を大きく左右するだろう注目の一戦」になる。
→ 【J1】 オフの補強のランキング ~18:浦和、17:札幌、16:鳥栖、15:広島、14:川崎F、13:湘南~
→ 【J1】 オフの補強のランキング ~12:FC東京、11:神戸、10:横浜FC、9:清水、8:名古屋、7:G大阪~
→ 【J1】 オフの補強のランキング ~6:大分、5:C大阪、4:仙台、3:柏、2:横浜FM、1:鹿島~
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