■ こけら落としの試合 新スタジアムのこけら落としとなった京都 vs C大阪のPSMは14時キックオフとなった。ホームの京都は「3-4-2-1」。GK清水圭。DF森脇、DFヨルディ・バイス、DF安藤淳。MF庄司、MFレナン・モッタ、MF飯田貴、MF黒木恭、MF中川風、MF宮吉、FWピーター・ウタカというスタメンになった。注目のFWピーター・ウタカは1トップで起用された。MF荒木大、MF曽根田、FW李忠成などがベンチスタートになった。
アウェイのC大阪は「4-2-2-2」。GKアン・ジュンス。DF松田陸、DFマテイ・ヨニッチ、DF木本、DF丸橋。MF藤田直、MFレアンドロ・デサバト、MF坂元、MF清武。FW奥埜、FWブルーノ・メンデスという11人がスタメンで起用された。MF柿谷はベンチスタート。守護神のGKキム・ジンヒョンはコンディション不良のためベンチ外。鹿児島から戻ってきたU-23韓国代表のGKアン・ジュンスがスタメンで起用された。
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■ 3ゴールを奪ったアウェイのC大阪が勝利 試合は前半12分に右サイドでボールを受けたMF坂元が左足でゴール前に鋭いクロスを入れるとそのまま決まってC大阪が先制に成功する。新スタジアムでの初ゴールを決めたのは山形から加入したMF坂元だった。先制された京都は前半26分にFWピーター・ウタカとの連携からシュートチャンスを迎えたMF庄司がニアサイドを打ち破って1対1の同点に追いついた。前半はともに1ゴールずつ。1対1でハーフタイムに突入する。
C大阪は後半開始からMF清武を下げてMF柿谷を投入。後半はC大阪がいい形をたくさん作った。後半19分に右SBのDF松田陸の斜めのパスをMF柿谷が受けてダイレクトでFWブルーノ・メンデスに出すとうまくコントロールしたFWブルーノ・メンデスがスルーパス。フリーで走りこんだFW奥埜が左足で流し込んでC大阪が2対1と勝ち越しに成功する。後半39分にC大阪は怪我からの復活を目指すFW都倉を投入する。
すると後半47分にも同じようにDF松田陸の斜めのパスからMF柿谷が絡んでFWブルーノ・メンデスが抜け出す。フォローしたMF柿谷のパスからDF丸橋が放ったシュートは何とかGK清水圭が防いだがこぼれ球をFW都倉が押し込んでダメ押しの3点目を奪った。FW都倉は復帰後初ゴールとなった。京都は後半50分にFWピーター・ウタカが決めて1点を返したが時すでに遅し。3対2でアウェイのC大阪が勝利した。
■ 山形から加入したMF坂元がファーストゴール ここまでのトレーニングマッチであまり結果が出ていなかったC大阪にとってはJ1の開幕に向けて弾みの付く勝利になった。課題の攻撃陣は3ゴールを奪ったが目立ったのは新加入のMF坂元だった。高卒ルーキーのMF西川潤とのポジション争いが注目されているが現状はMF坂元がリードしており、「開幕スタメンは濃厚」と言える。左足のクロスがそのままゴールに吸い込まれたが精度の高い鋭いクロスだった。
昨シーズンはMF水沼が右SHを務めていた。彼の運動量の多さや献身性はJ1のアタッカーの中では屈指である。守備面やハードワークで同じレベルを求めるのは酷と言えるがMF水沼と比べると攻撃の時の引き出しが多い。昨シーズンはMF水沼とDF松田陸の右サイドよりもMF清武とDF丸橋のいる左サイドで起点を作るケースがはるかに多かったがMF坂元が入ったことで左右のバランスは相当に良くなるだろう。
MF清武は開始早々にMF坂元のクロスからヘディングシュートを放っているがMF清武は意外とヘディングが強い。「右サイドで作って左サイドの選手が仕留める。」という形が今シーズンのC大阪は多くなるだろう。後半の2ゴールはいずれもMF柿谷が絡んでいる。ベンチスタートだったが彼のアイディアは武器になる。現状はMF清武とMF柿谷が左SHのポジションを争う形になっているがポジション争いは面白い。
後半47分にゴールを決めたFW都倉は復活弾になった。前日の磐田との練習試合で実戦復帰を果たしたが2試合目でゴールをゲットした。当面は途中出場になると思うが「FW都倉がスーパーサブで控えている。」というのはC大阪にとっては心強い。昨シーズンは「先制されるとそのまま負けるケースがほとんど」だった。反発力があまりなかったがFW豊川も加入した。「逆転勝利」も今シーズンは多くなる可能性が高い。
■ 軸になるのは確実なFWピーター・ウタカ 實好監督が就任した京都はメンバーが大きく入れ替わった。攻守の軸となる選手も大きく変わる見込みなので「どういうチームになるのか?」の予想が難しいチームの1つになるがFWピーター・ウタカが攻撃の中心になるのは確実である。2つのゴールに絡んだが「明確な違い」を生み出すことが出来る選手である。点を取るだけでなく周りを使うのも上手な選手なので「京都は大きな補強が出来た。」と言える。
間もなく36歳なので年齢的な問題を抱えている。「彼への依存度が高いこと」に関しては不安に感じるところもあるが「J2であればスペシャルな活躍が期待できる選手」である。彼中心のチームになるのは当然の話であり、心中するつもりで中心に据えるだけの価値を持った選手である。「運動量の少なさ」がよく言われるFWピーター・ウタカの弱点になるがこの日は守備でも頑張った。モチベーションは相当に高そうだ。
「周りの選手がどこまでFWピーター・ウタカをサポート出来るのか?」が焦点になるがMF中川風とMF宮吉がスタメンで起用された。MF荒木大、MF中野克、MF李忠成、MF曽根田などが途中出場したが磐田から加入したMF荒木大が躍動した。磐田時代からドリブルには定評があったが新天地でのプレーを選択。覚悟を決めて京都にやってきたはずである。磐田ではブレイクしきれなかったが飛躍の1年になりそうだ。
守備陣はDFヨルディ・バイスが中心になるだろう。右にDF森脇、左にDF安藤淳を従えての3バックだったが京都の最終ラインはスピードがあまりないのでFWブルーノ・メンデスに何度か突破を許した。スピードのあるCBが出てこないと苦労する場面は今後も多くなるだろう。来日2年目となるMFレナン・モッタはWボランチの一角でプレーしたがボールに触る回数はまずまず多かった。彼がキーマンになるかもしれない。
■ 最高だった試合中の雰囲気 試合中の雰囲気は非常に良かった。応援の声が反響しやすいのはこのスタジアムの大きな特徴になるだろう。京都のサポーターも、C大阪のサポーターも、「Jリーグのクラブの中で声量に特徴のあるサポーター集団」というわけではないがどちらのサポーターの声もとんでもなく響いていた。座った席は「バックスタンドのC大阪寄りの席」だったが下にある動画のとおり。京都のサポーターの声もド迫力だった。
「スタジアムに来た人がリピーターになるか?ならないか?」を決めるポイントはいくつかある。「アクセスの良さ・悪さ」や「スタジアムグルメの充実度」や「屋根のあり・なし」や「ホームチームの結果(勝ったか?負けたか?)」も重要なポイントになるがスタジアムの雰囲気は最も重要なポイントの1つだと個人的には思う。1つ1つのプレーにこれだけ大きな歓声が上がるスタジアムはリピーターを生み出しやすい。
最後のFWピーター・ウタカのゴールがなかったら「1対3の敗戦」だったので嫌な空気になったと思うが最後にFWピーター・ウタカのゴールが生まれたことで京都のサポーターもある程度は気分よく家路につくことが出来ただろう。両チームを合わせて5ゴールが生まれたがたくさんのゴールが生まれたのも良かった。C大阪に勝つことが出来れば最高だったが「京都にとってはいいPSMになった。」と言えるだろう。
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