■ オープンしたのは戦時中の1942年 京都サンガの元・ホームの西京極陸上競技場がオープンしたのは第二次世界大戦中の1942年になる。1946年にはここを中心に第1回の国民体育大会が開催されている。もちろん、何度か改修工事は行われているが、先の大戦中に作られたスタジアムが未だに現役として活躍しているというのは物凄い話である。2019年の6月には株式会社たけびしが命名権を取得しているが「契約期間は10年」と言われている。
今後、Jリーグの試合で西京極が使用されることはほぼないと思う。京都府の高校サッカーの会場も新スタジアムが中心になると思われるが毎年12月に行われる「高校駅伝競走大会」の会場などとして今後も使われるのだろう。高校の陸上部に所属していて長距離を専門にしている生徒にとっては「西京極」は憧れの舞台である。2029年までたけびしと契約を結んでいるのでまだ当分は現役として使われるだろう。
京都サンガのホームスタジアムとしてもたくさんの歴史を作ってきた競技場なので「2019年限りで西京極を離れたこと」を寂しく感じている京都のサポーターはたくさんいると思うが新スタジアムである「サンガスタジアム by Kyocera」はあらゆる面で優れているので観戦環境は劇的に良くなるはずである。「京都市内ではない点」を心配する声は少なくないが京都駅から電車で約30分なので「許容範囲内」である。
新スタジアムの特徴の1つは屋根だろう。西京極はメインスタンドの一部に屋根があったが観客席の大部分に屋根がなかった。「西京極ウェザー」という名前が付けられたほど変わりやすい天気が特徴だった。いきなり雨が降り出してびしょびしょになることは珍しくなかった。土砂降りの中で試合を観戦して使っていたカメラがご臨終になったのは苦い思い出になるが新スタジアムは客席全てが屋根に覆われている。
2012/11/12
【京都×甲府】 西京極で感じたいくつかのこと (生観戦記_後編) 2012/11/12
【京都×甲府】 西京極で感じたいくつかのこと (生観戦記_前編) ■ 応援の声が反響しやすい。 C大阪とのPSMが行われた2月9日(日)はあいにくのコンディションだった。午前中は雪が降っており、吹雪になった時間帯もあった。過酷なコンディションだったがスタジアムに入ってしまえば問題なしである。雨が降っている中、屋根がほとんどないスタジアムに行くことを躊躇する人は多いと思うが新スタジアムは試合中にお客さんが雨に濡れる心配がほぼない。雨のときも集客は大きくは落ち込まないだろう。
スタジアムにある屋根の一番の仕事は「雨(や雪)が降ったときもお客さんが濡れず観戦できるようにすること」になるが屋根がもたらす副産物は「サポーターの応援の声が反響しやすくなる点」である。第二次世界大戦中の1942年に完成した西京極陸上競技場を設計した人は、その後、サッカーという競技がこれだけ人気になることもサポーターと呼ばれる存在が登場することも全く想像していなかっただろう。
西京極のような屋根がほぼないスタジアムの場合、サポーターがどれだけ大声を張り上げても難しい。サポーターの人数的な問題も絡んで「ホームの雰囲気」をうまく作り出せないシーズンが多かったがサンガスタジアム by Kyoceraは客席全てが屋根で覆われているのでサポーターの応援の声が反響する。日本にはたくさんのサッカー場があるが「ここまでサポーターの声が反響するスタジアムは珍しい。」と思う。
座った席は「バックスタンドの3階のアウェイ寄り」だった。3階までなので「上の方」だったがC大阪のサポーターの「き!よ!きよたけ!」というお馴染みのチャントは動画(↓)のように聞こえる。「チケット完売」と言われたものの、アウェイ側はかなり空席があったので、アウェイのゴール裏も大入り満員というわけではなかったが物凄い大音量である。これほどの大音量になるとピッチ上で戦う選手にも確実に声は届く。
VIDEO 試合前のウォーミングアップで京都の選手が登場したときに起こったC大阪のサポーターからのブーイングは動画(↓)のような感じになる。「き!よ!きよたけ!」のチャント以上の迫力である。C大阪のコアなサポーターは女性が多くて「応援の声が小さい。」と揶揄されるケースは多いがそれでもこれだけの迫力になる。ほぼ同じタイミングで発生した京都サポーターの選手への歓声やチャントはここではかき消された。
VIDEO ■ 1つ1つのプレーに対する反応 一方、京都のサポーターが試合前に歌った「紫魂」のチャントはこういう感じ(↓)に聞こえた。先のとおり、「バックスタンドの3階のアウェイ寄り」なので京都のゴール裏からは相当に距離が離れているが、にもかかわらず、ここまでの大音量になる。「応援の声がほとんど反響しない西京極がホームスタジアムだった。」という事情もあって京都のサポーターも声量に定評のある集団ではないが物凄い音量だった。
当然、ゴール裏のサポーターのチャントやブーイングだけでなく、試合中の1つ1つのプレーに反応するサポーターのちょっとした声も全面に覆われている屋根によって反響して結構なボリュームになる。ゴールが決まったときは当然のことながら大きな歓声が上がって、惜しくもシュートが決まらなかったときはため息が漏れて、危なかったシーンでは直後に安堵の声が上がる。声が反響すると一体感が生まれやすい。
スタジアムの雰囲気は独特なのでサッカー観戦に慣れていない人がスタジアムに来た場合、疎外感を感じやすい。疎外感を感じた人がリピーターになることはほぼないと思うが1つ1つのプレーに対する周囲の人の反応を肌で感じながら試合を観ることが出来るとサッカー観戦に慣れていない人でも「一緒になって応援している気持ち」になれる。「またスタジアムに行って応援したい。」と思ってもらえる確率は高まる。
「ピッチまでの距離の近さ」、「駅近くというアクセスの良さ」、「充実したスタジアムグルメ」、「全席が屋根に覆われている観戦環境」などなど、サンガスタジアム by Kyoceraにはたくさんの良さがあるが「サポーターの声が反響しやすいのでいい雰囲気になる。」という点が最大の魅力なのでは?と感じる。とんでもなく応援の声が反響するので特にゴール裏で頑張っているサポーターは「楽しい」と感じるだろう。
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