■ GKキム・スンギュの獲得が発表される。韓国代表としてたくさん国際試合を経験しているGKキム・スンギュは「アジア屈指のキーパー」と言える。すべての能力が高いハイレベルなキーパーと言えるが2016年・2017年・2018年は神戸の守護神として活躍した。ただ、2019年は外国人枠の問題に悩まされて出場機会が減少した。出番が回って来たときにいいプレーが出来なかったことも絡んで夏に移籍を決断。母国であるKリーグの蔚山現代に移籍した。
起用法が安定しなかったことがパフォーマンスの低下を招いたところもあるので気の毒な形で神戸を去ることになったが半年でJリーグに復帰することになった。だた、年末に韓国のサッカーサイトが「柏がGKキム・スンギュの獲得に動いている。」と報じたときはあまり信用されなかった。一応、日本のメディアも柏入りの可能性があることを報じたが、結局、韓国のサッカーサイトの情報は正しかったことになる。
彼のような優秀なキーパーを獲得できたら普通は大歓迎されるが今回は「喜びの声」よりも「戸惑いの声」の方が大きい。最初にGKキム・スンギュの移籍話が報じられたときも似たような反応になったが「GKキム・スンギュが加入する≒GK中村航の移籍」という式はまあまあ成り立つ。柏というクラブは選手の契約更新のリリースはこまめには流さないが1月11日(土)の時点でGK中村航の去就に関する情報は流れていない。
日本サッカー界はようやくキーパーの海外移籍が増えてきたがGK中村航は海外志向の強い選手として知られている。「代表クラスのキーパーで海外組はGK川島くらい」という時期が長かったが昨オフにGK権田(ポルティモネンセ)、昨夏にGKシュミット・ダニエル(シントトロイデン)が移籍を決断。さらに昨オフにはパリ世代で柏U-18のGK小久保玲央ブライアンがベンフィカに移籍するというニュースも流れた。
■ もともと海外志向が強い。日本代表もGK川島とGKシュミット・ダニエルとGK権田という3人の海外組で枠が埋まるケースもあった。代表でポジションを争うライバルたちが海外でプレーしており、いろいろと情報を得ているだろう。GKシュミット・ダニエルとGK権田が欧州に渡ってGK中村航の海外志向がさらに強くなっていることは容易に想像できる。もともとストイックな選手であり、上昇志向の強い選手なのでその可能性は高いと考えられる。
ただ、欧州での日本人キーパーの評価は低い。GK中村航の場合は185センチなので欧州基準で考えると身長が低い点もネックになる。日本人の獲得に積極的なシントトロイデンにはGKシュミット・ダニエルがいて、ポルティモンセにはGK権田がいることも状況を難しくしている。欧州移籍を希望した場合でも「条件のいいオファーが届かない。」どころか「オファーすら届かない。」という状況も十分に考えられる。
依然として日本人キーパーの海外移籍のためのハードルは高いが普通に考えると柏が「GK中村航がいる中でGKキム・スンギュも獲得する。」というのはあり得ない話である。「両者が柏でポジション争いをして切磋琢磨することで両者とも成長できる。」という考え方も出来るがGKキム・スンギュの2019年の推定年俸(神戸時代)は8,500万円である。「控えキーパーになる可能性がある選手」に出せる金額ではない。
なので、「よほどのことがない限り、今オフ、GK中村航は移籍の道を選択する。」と現段階では考える。GK中村航もアジアでは屈指のキーパーである。「アジア最高レベルのキーパーを2人抱えて競争させる。」ということが出来るほど柏は資金力のあるクラブではないし、また、練習中から重たい空気になることを覚悟した上で同じようなレベルのハイスペックなキーパーを2人抱えておく意味はほぼない。
■ 3つの選択肢の中で最もあり得るのは国内移籍GKキム・スンギュが神戸時代の末期に外国人枠の問題で苦労したことも「GK中村航が移籍する可能性が高い。」と思う1つの理由になる。先のとおり、GKキム・スンギュは外国人枠の問題で苦労しており、安定した出場機会を求めて昨夏に蔚山現代に移籍した選手である。GK中村航との競争になった場合でも勝つ自信はあるとは思うが「2番手になる可能性がある中で柏移籍を決断する。」というのは考えにくい。
→ 2019/07/23 【Jリーグ】 雑な扱いを受けるGKキム・スンギュ(ヴィッセル神戸)に同情する。「GK中村航の移籍先はどこになるのか?」がもう1つの注目点になるがすでに触れたとおりでキーパーの選手なので海外移籍のためのハードルは高い。「日本代表に定着して2022年のカタールW杯でプレーする。」というのは彼にとって大きな目標の1つだと思うので出場機会が見込めずに代表から遠ざかることを覚悟した上で海外に渡る可能性は低い。よって、国内移籍を選択する可能性はあると考えられる。
「柏に残留する。」、「海外のクラブに移籍する。」、「国内のクラブに移籍をする。」という3つが考えられるが現状では「国内のクラブに移籍をする。」という可能性が最も高いと思う。ただ、J2やJ3のクラブに移籍することはあり得ない話で、J1のクラブのほとんどは正キーパーを確保している。絶対的なキーパーを抱えているチームがここからさらにGK中村航の獲得に動くチームことは普通では考えられない。
■ 移籍先として考えられるのは?最初にGKキム・スンギュの柏行きを報じた韓国メディアはそのときに「柏のレギュラーであるGK中村航は川崎Fに移籍する。」と報じているが川崎FにもGKチョン・ソンリョンがいる。すでに契約更新が発表されており、2019年の推定年俸が8,800万円のGKチョン・ソンリョンがいる中でGK中村航を獲得することは考えにくい。GKキム・スンギュの柏入りの情報は正しかったがGK中村航の川崎F入りの信憑性は低い。
その他で「GK中村航の移籍があり得ない。」と思えるのはGKク・ソンユンがいる札幌、GKヤクブ・スウォビィクがいる仙台、GK西川がいる浦和、GK林彰洋がいるFC東京、GKランゲラックがいる名古屋、GK東口がいるG大阪、GKキム・ジンヒョンがいるC大阪、GK大迫がいる広島になる。GKネット・ヴォウピの加入が噂される清水、GK高木駿がいる大分も考えにくい。GK守田(松本山雅)を獲得した鳥栖もないだろう。
これでかなりの数のクラブが消えた。残ったのは鹿島・横浜FM・横浜FC・湘南・神戸の5チームになるがGK六反(清水)を獲得した横浜FC、GK谷(G大阪)を獲得した湘南もGK中村航の移籍先としては考えにくい。対してクラブの格と資金力とキーパー事情を考えると鹿島・横浜FM・神戸の3チームは無きにしも非ずである。鹿島はGKクォン・スンテの後釜を必要としており、神戸もGK飯倉の後釜探しが必要である。
横浜FMにはGK朴一圭がいるが彼はJリーグでは在日枠で、ACLでは外国人扱いになる。ACLに出場する横浜FMは「ACLでどの外国人選手を登録するのか?」で迷っている最中だと思うので「日本人の優秀なキーパーを探している。」という見方はできなくもない。ただ、GK中村航はどっしりタイプのキーパーなので横浜FMのサッカーに合ったキーパーではない。プレイスタイルを考えると横浜FMも考えにくいが・・・。
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