■ 何とか2位に食い込んでJ2復帰を決める。2017年のJ2で最下位に終わって「初のJ3降格」となった群馬は初年度のJ3で苦戦を強いられた。32試合で37得点のみ。得点力不足に苦しんだ。栃木SCからの期限付き移籍だったFW大島康が10ゴールと覚醒したが4ゴール以上を記録したのはFW大島康とMF風間宏希とFW高橋駿の3人のみだった。その反省もあって昨オフはJ3で実績のあるFW青木翔やFW辻やFW加藤潤の獲得に成功。得点力アップを図った。
迎えた2019年は序盤こそ苦しんだが6月に入ると攻撃陣のエンジンが全開となった。FW青木翔が攻撃の中心として活躍。FW加藤潤もたくさんのゴールに絡んだ。途中でレギュラーを獲得した大卒ルーキーのFW高澤の活躍はサプライズだった。18節から7連勝を達成した。秋以降のFW青木翔とFW高澤が同時に抜けた時期こそ、勝ち点が伸び悩んで苦労したが何とか2位に入って見事に2017年以来のJ2復帰を果たした。
今シーズンは「2017年以来のJ2での戦い」が待っているが布啓一郎監督が退任してクラブOBである奥野監督の就任が決まった。草創期のクラブを支えたレジェンドがチームに戻って来たことになるがかつてないほどの大型補強を敢行しており、J2のオフの移籍市場をかき回している。2012年と2013年に山形の監督を務めた奥野監督は攻撃的なサッカーを展開すると思うが「台風の目」になる可能性が出てきた。
マイナス要素もいくつかある。J2復帰に大きく貢献したFW高澤(→大分)とGK吉田舜(→大分)とDF吉田将(→松本山雅)の移籍は群馬にとって残念だった。3人とも2019年シーズンがプロ1年目だったがFW高澤は27試合で17ゴールと爆発。右SB/WBのDF吉田将は25試合で2ゴール9アシストを記録した。守護神のGK吉田舜はフルタイム出場を達成しており、FW高澤とGK吉田舜はJ3でベストイレブン級の活躍だった。