サッカーコラム J3 Plus+　

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【J2】全22クラブの戦力補強の中間評価 (レノファ山口・徳島ヴォルティス・愛媛FC) (2019年-2020年) | | |　

レノファ山口　・・・　D+

→　若くて優秀な選手をたくさん抱えているチームなのである程度は予想されていたが今オフも主力の流出に苦しんでいる。MF三幸(→湘南)、DF前貴之(→横浜FM)、DF菊池流(→神戸)、FW山下敬(→千葉)という主力4人が早々にチームを離れた。大黒柱のMF三幸の移籍も痛いがDF菊池流とFW山下敬はともに新卒で山口に加入して試合経験を積んで主力に成長した選手である。この2人の流出のショックは大きい。

2014年のJFL時代からチームを引っ張って来たFW岸田(→岩手)の退団もサポーターにとっては寂しい話になるが出場機会を得ていたFW宮代(→川崎F)とDF石田崚(→磐田)とMF佐々木匠(→仙台)の3人もレンタル終了。元クラブへの復帰が確定した。移籍市場の序盤はネガティブなニュースばかりだったがMF高宇洋とDF川井のレンタル延長には成功した。この点は良かった。ともに五輪代表候補に挙げられている。

一方、加入が決まったのはFWイウリ(ポルティモネンセ)、MFヘニキ(栃木SC)、DF安在(鳥栖)、FW小松蓮(金沢)、DF菊地将(大宮)、DF田中陸(柏)、GK林瑞輝(G大阪)など。これも毎年の話になるが日本サッカー協会の技術委員長を務めた経験のある霜田監督の人脈を活用して若年層の日本代表を経験している有望な選手を今オフもたくさん獲得できている。補強ポイントだった左SBにDF安在を獲得できたのは大きい。

期待が集まるのはFWイウリになる。185センチの長身で身体能力も高い。J2で爆発する可能性がある。FW山下敬とFW宮代とFW工藤壮とFW岸田が抜けたので彼にかかる期待は大きい。「彼の活躍次第で山口の順位は大きく変わる。」と言っても過言ではないだろう。リカバーに成功しつつあるがMF三幸の穴は今の段階では埋まっていない。中盤や最終ラインでタフに戦えるMFヘニキを獲得できたのは大きい。

　→　2019/12/23 　【J2】レノファ山口はなぜ草刈り場になりやすいのか？

徳島ヴォルティス　・・・　C+

→　あと少しのところでJ1昇格を逃した徳島はリカルド・ロドリゲス監督の続投が決定した。就任4年目になるが集大成のシーズンになるだろう。移籍市場の序盤戦は流出が目立った。DFヨルディ・バイス(→京都)、MF野村直(→大分)、DF内田裕(→鳥栖)、GK梶川(→横浜FM)、MF杉本竜(→横浜FM)が退団。レギュラーの半数ほどを失う形になったが例年通りで移籍市場の中盤戦以降はいいニュースが続々と流れている。

加入が決まったのはMF西谷和(栃木SC)、MF浜下(栃木SC)、MF杉森(名古屋)、MF梶川(東京V)、FW垣田(金沢)など。MF西谷和とMF浜下とMF杉森とMF梶川はテクニシャンである。技術が高くてクレバーな選手をかき集めるのがリカルド・ロドリゲス監督になってからの徳島のパターンである。徳島のサッカーに馴染めずに苦しむ選手が出てくることを見越してたくさんのアタッカーを獲得するのも定番になっている。

フォワードはFW河田の引き止めに成功した上で大型ストライカーのFW垣田の獲得に成功した。187センチとサイズに恵まれているFW垣田は走力もある。テクニックのある選手ではないので徳島のサッカーに馴染めずに終わる可能性もあるが異分子的な存在になってチームに新しい武器をもたらす可能性もある。栃木SCからの加入となるMF西谷和はエース候補である。MF野村直の穴を埋める働きが期待される。

キーパーはGK梶川が流出したがGK上福元(東京V)の獲得に成功。むしろ、パワーアップに成功した。心配されるのはDFヨルディ・バイスとDF内田裕の穴が現段階では埋まっていない点になる。DF登録の選手の補強は今のところは流れていない。獲得に動いている最中だと思うが加入内定のDF安部崇(中央大)とDF奥田(鹿屋体育大)とDF吹ヶ(阪南大)の3人は即戦力と言われている。3人にかかる期待も大きい。

　→　2019/12/14 　【Jリーグ】参入決定戦のベターなレギュレーションについて考える。

愛媛FC　・・・　D+

→　川井監督になって3年目の愛媛FCは昨オフと同様で選手の入れ替えは少ないが期限付き移籍だったMF神谷(→柏)とMF下川陽(→松本山雅？)が退団して、2015年～2019年まで愛媛FCで活躍したMF近藤貴(→大宮)が流出した。MF近藤貴は2015年に新卒で愛媛FCに加入した生え抜きのアタッカーである。スピードを生かした飛び出しやドリブルで攻撃の中心を担ってきた選手なので手痛い流出と言える。

他には長きに渡ってエースとして引っ張って来たMF河原(→未定)が契約満了でチームを離れた。同じく最終ラインの中心として活躍してきたDF林堂(→富山)も契約満了となった。ともにここ2年ほどは活躍できなかったが近年の愛媛FCを支えてきた選手が揃って退団となった。その一方で五輪代表に定期的に選出されているMF長沼はレンタル延長。彼の引き止めに成功したのは今オフ最大のニュースと言える。

同じく期限付き移籍だったGK岡本とDF茂木力を完全移籍で獲得できたのも大きい。一方、加入が決まったのはMF横谷(甲府)、MF渡邊一(横浜FC)、DF西岡大志(FC琉球)、GK辻(横浜FC)、MF忽那(びわこ成蹊スポーツ大)、DF三原秀(愛媛U-18)など。右SBのDF三原秀はU-18日本代表の主力選手である。パリ世代を代表する右SBなので期待値は高い。愛媛U-18出身のMF忽那はアタッカー。即戦力の期待がかかる。

MF横谷とMF渡邊一は古巣復帰となる。MF横谷は甲府で主力として活躍していた選手なので愛媛FCでも中心になることが期待されるが愛媛FCというとJ1などの有力クラブで出場機会に恵まれない有望株を期限付き移籍で獲得して試合で使いながら育てるのが上手なクラブである。そういう補強はまだ無い。クラブとしての方針を変更した可能性もあるが攻撃的なポジションは手薄なので「スター候補」を獲得したい。

　→　2019/08/10 　【日本代表】珍しい愛媛FCのユース所属の年代別代表の右SBのDF三原秀真

　2020/01/08 　【J2】全22クラブの戦力補強の中間評価 (モンテディオ山形・水戸ホーリーホック・栃木SC)
　2020/01/08 　【J2】全22クラブの戦力補強の中間評価 (ザスパクサツ群馬・大宮アルディージャ・ジェフ千葉)
　2020/01/09 　【J2】全22クラブの戦力補強の中間評価 (東京ヴェルディ・町田ゼルビア・ヴァンフォーレ甲府)
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　2020/01/12 　【J2】全22クラブの戦力補強の中間評価 (レノファ山口・徳島ヴォルティス・愛媛FC)
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