栃木SC38節を終えた時点で勝ち点「30」。20位の鹿児島との差は「6」と広がっていた。最下位のFC岐阜とは同じ勝ち点だったので「20位以内に入るのは難しい。」と思われた栃木SCだったが残り4試合の成績は3勝1分け。4試合で勝ち点「10」を獲得した。39節は新潟(H)、40節は大宮(H)、41節は長崎(A)、42節は千葉(A)だったので残り4試合の対戦カードは厳しかったが破竹の快進撃を見せて最終節で鹿児島を追い抜いた。
「奇跡の逆転残留」を果たしたがターニングポイントになったのは33節の鹿児島戦(H)だった。この試合からボランチが本職のFWヘニキを2トップの一角で起用。シンプルなロングボール主体のサッカーに切り替えた。残り10試合の成績は4勝3敗3分けとまずまず。「闘える選手」をスタメンに並べて泥臭いサッカーを志向するようになったが「J2残留」を勝ち取ったので田坂監督の戦術変更は大成功したと言える。
「ヘニキ大作戦」は、正直なところ、苦肉の策だった。二進も三進もいかない状況になった末の戦術変更だったと思うがMF大崎淳、MF榊、MFユウリといった主要メンバーに格上げされた選手の頑張りも目立った。フォワードで起用されるようになったFWヘニキの活躍がとにかく目立ったが周りを固める選手の頑張りも見逃せない。泥臭いサッカーになったが「何としてでもJ2に残留したい。」という気持ちは伝わって来た。
「J2残留」という結果を残したので田坂監督は正当に評価されるべきであるが来シーズンも同じサッカーは出来ない。まず注目されるのは田坂監督の去就になる。難しい状況になりながら「J2残留」を勝ち取ったことは高評価に値するが32節までの戦いぶりや20位という順位は褒められたものではない。栃木SCにやってきて1年目になるが続投なのか?退任なのか?どちらも同じくらいの確率であり得ると言える。