■ J3ではトップクラスの資金力を持っているが・・・。長野パルセイロは31節を終えた時点で10勝11敗10分けで勝ち点「40」。11位に位置する。すでにJ2昇格の可能性は消滅している。J3の初年度から参戦しているが年度別の順位は「2位→3位→3位→5位→10位→11位(暫定)」となる。J3で6年目のシーズンになるが「前年の順位を上回ったことが一度もない。」というのはなかなか珍しい。残り3試合で9位の八戸との差は「5」。今年も前年の順位を上回るのは難しい。
長野パルセイロはレディースも所有している。日本代表のエース格のFW横山久が在籍しているが、先日、行われたセレッソ大阪堺レディースとの1部・2部入替戦に敗れて2部降格となった。長野Lは2016年に初めて1部に昇格しているが年度別の順位は3位→6位→7位→9位なので男子と同じで一度も前年の順位を上回ることなく2部降格となった。男子チームも女子チームも2019年は厳しいシーズンになったと言える。
男子は2011年~2013年までJFLに在籍したが2011年と2012年は2位、2013年は優勝。素晴らしい成績を残している。残念ながらスタジアム等の問題で昇格資格を持っていなかったのでJリーグに昇格することは出来ずに2014年の入替戦は讃岐と対戦して0勝1敗1分け。J2でも十分にやっていけそうなチーム力があったこの時期にJ2に上がれなかったことは気の毒に感じるが直近は2年連続で昇格争いにも絡めていない。
長野はクラブ規模ではJ3の中ではトップクラスになる。2018年の営業収益はJ3では北九州に次いで2位となる6.75億円。昇格した鹿児島やFC琉球よりも多かった。2018年のJ2でワーストだった水戸の6.21億円よりも上。讃岐の7.04億円、町田の7.55億円、愛媛FCの7.89億円とは近い数字になる。「J2の下位クラブレベルで、J3ではトップクラスの資金力を持っている。」と言えるがなかなか結果につながらない。
■ 横山雄次監督の続投が決まった。ただ、「長野が大きく落ち込んでいる。」というよりは「J3全体のレベルが上がって相対的な地位が低下している。」という見方の方が正しいと思われる。J3は今年で6年目になるが、年々、レベルアップしており、今年は降格1年目の讃岐が13位に沈んでいる。2014年や2015年あたりのJ3は上位と下位の差が激しくて格差の大きいリーグだったが現状は「J2やJ3よりも予想の難しいリーグになっている。」と言える。
この点は2018年のJ3で最下位だった北九州が首位を独走しており、ブービーの16位だった藤枝MYFCが2位に位置することからも明らかである。世の中にはサッカーに限らず、いろいろなスポーツがあるが、「前年度の最下位とブービーのチームが1位と2位を占める。」というのは聞いたことがないレベルの話になる。降格制度が導入されていないが故の現象ではあるが「昨今のJ3の特殊性を示す典型的な事象」と言える。
このままJ3に定着してしまうのか?もう一度、J2昇格を目指せるチームになるのか?の分岐点を迎えているが就任1年目となる横山監督の続投が正式に発表された。2017年に栃木SCを率いてJ2昇格を達成している横山監督は栃木SCでの実績を評価されて長野にやってきたがここまで11位。満足できる成績ではない。退任の可能性もあった中、早い段階で続投が決まったが、2020年は勝負の1年になる。
気になる点を挙げるとホーム戦の平均観客動員数が下がっていることになる。2015年に新スタジアムである長野Uスタジアムが完成。ピークは2016年の5,018人になるが2017年は4,256人、2018年は3,554人、2019年はここまで2,930人になる。ホーム戦は残り1試合。熊本戦(H)になるがホーム最終戦なのでお客さんは入るだろう。3,000人台はクリアできると思うがピークの時期と比べると約6割の人数になる。
■ 大鉈を振るってチームを変えないといけない時期先のとおり、J3の中では資金力のあるクラブであり、環境面も優れている。県内での注目度もそれなりに高くて、J2ライセンスも取得できている。あらゆる面で恵まれたクラブになるが、その分、選手の入れ替えは他のJ3のクラブと比較すると激しくない。在籍年数の長い選手は多くて良くも悪くも「長きに渡って長野を引っ張ってきた。」という選手は多いがその点がマイナスに作用し始めている感は否めないところである。
端的に言うと「大鉈を振るってチームを変えないといけない時期」に突入して結構な時間が過ぎているが補修止まりである。そのベストなタイミングは「2年前のオフ」だったと思うがズルズルと来ている。5位まで順位を落とした2017年あたりからクラブとしての停滞感が感じるようになっている。「一度、リセットボタンを押して再スタートを切る。」という道を選択した方が良かったが決断が出来ないままである。
昨オフに横山監督を招聘したのもいい選択ではなかった。栃木SCでの3年間(2016年-2018年)の仕事ぶりを見ると悪い監督ではない。与えられた戦力どおりの結果を残すことが出来る監督だと思うが大きな変化が必要な近年の長野の監督としては最も適当ではないタイプの監督である。強烈なパーソナリティを持った監督が今の長野には必要である。「攻撃のことしか考えない。」という極端な監督が最適だと考えられる。
なので、「続投」という決断は愚策に感じる。今シーズンの長野の各種スタッツを見るとゴール数は16位タイ、シュート数と枠内シュート数は18位、パス数とボール支配率は16位、30mライン進入回数は17位、ペナルティエリア進入回数は15位、ドリブル数は13位。6位のクロス数を除くと軒並みリーグで下位になる。「今オフ、よほどの大型補強をしない限りは来シーズンも似たようなシーズンになる。」と考えられる。
→ 2019/01/03 【J3】 全18クラブの戦力補強の中間評価 (SC相模原・長野パルセイロ・カターレ富山) (2018年-2019年)
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