■ 最高のスタートを切ったU-17日本代表ブラジルで行われているU-17W杯に出場している「02JAPAN」は初戦で優勝候補の一角に挙げられているオランダと対戦したがFW若月(桐生第一高)が2ゴールを挙げる活躍を見せて3対0で大勝した。もう1試合はセネガルが4対1でアメリカに大勝したので総得点の差で2位発進となったがこれ以上ないほどの最高のスタートを切った。残りの2試合で勝ち点「1」でも上積みできれば決勝トーナメント進出を果たせるだろう。
結果もさることながら内容も圧巻だった。序盤の15分ほどはオランダに押し込まれたがその後はほぼ日本ペースで進んだ。前半21分に訪れた決定機でFW西川潤(桐光学園高)がシュートを外すなど嫌な雰囲気になりかけた時間帯もあったが前半36分にFW若月のゴールで先制に成功。後半24分のFW若月の2点目のゴールも効果的だった。「引き分けでもOK」というオランダ戦で勝ち点「3」を獲得できたのは大きい。
先日のブラジル遠征ではU-22日本代表がアウェイでU-22ブラジル代表に勝利するなどここ最近は若年層の日本代表の活躍が凄まじいが2002年生まれの選手が主体となる今回のU-17日本代表はタレント軍団ではない。「スター不在の世代」とも言われている中、欧州王者のオランダに大勝したというのは自信になるだろう。最高のスタートを切ったので史上初となるベスト4進出が大いに期待される状況になっている。
■ 驚きだったのはFW若月(桐生第一高)最も目立ったのは2ゴールのFW若月(桐生第一高)だった。J3のG大阪U-23でゴールを量産していて昨秋のU-16アジア選手権でも得点王に輝いたFW唐山(G大阪ユース)を差し置いてスタメンで起用されたが2ゴール+PK奪取。文句なしの活躍を見せた。類まれなスピードは大きな武器になるが「自分のスピードを生かすためにはどうすればいいのか?」を良く知っている選手である。クレバーなフォワードと言える。
公称は170センチになる。サイズのある選手ではないが前線でボールを収めるプレーもできる。一昔前の選手になるが元・イングランド代表のFWオーウェンのような選手に成長することが期待される。爆発的なスピードを武器とするストライカーはこれまで日本にも何人か出てきたが「スピードだけの選手ではない点」がFW若月のいいところと言える。J1の湘南入りが決まっているがプロの世界での活躍も期待したい。
早くも3度目のW杯メンバー入りとなるGK鈴木彩(浦和ユース)も初戦のオランダ戦で大きなインパクトを残した。公称は187センチになるが類まれな身体能力を持っている。2年前に行われたU-17W杯と今年の5月のU-20W杯でもメンバーに選ばれたがどちらも飛び級。3rdキーパーという立ち位置だったので出場機会はなかったがついにW杯のピッチでプレーするチャンスを得た。ようやく巡って来た舞台で躍動した。
■ ノビシロの大きいFW西川潤(桐光学園高)今回、メンバーに選出されている21名の中で最も将来性が高いのはやはりFW西川潤(桐光学園高)になるだろう。初戦のオランダ戦は必ずしも本調子ではなかったがそれでも1ゴール2アシスト。エースの働きを見せた。フォワードで起用されているので「点を取ること」を期待されると思うがストライカー系の選手というよりはアタッカー系の選手である。2つのアシストはどちらも才能の豊かさを感じさせるパスだった。
FW西川潤の最大の魅力は180センチと日本人のアタッカー系の選手としてはサイズに恵まれている点になる。また、身体能力も高くてリーチの長さも武器となる。これまでの経歴がよく似ているので早くから「俊輔・2世」と言われて大きな注目を集めてきたが『身体能力の高い俊輔』や『パワフルでたくましい俊輔』や『ゴールを量産する俊輔』になれる可能性がある。「ノビシロ」は半端ないレベルである。
FW西川潤はJ1のC大阪入りが内定している。すでにJ1やJ3の試合でプレーしているがロティーナ監督の評価は相当に高い。C大阪は「4-2-2-2」なので2トップの一角もしくは右サイドハーフで試されることになると思うがロティーナ監督は積極的に若手を使うタイプの監督であることを考えると1年目から主力として起用されるのではないか?と思われる。FW奥埜やMF水沼などがC大阪ではライバルになるだろう。
■ DF半田(山形ユース)は右SB/WBの有望株この3人の将来性には太鼓判を押すことが出来るがこのチームのキャプテンであり、最終ラインの要であるDF半田(山形ユース)も有望視される選手になる。チーム事情からCBの位置でプレーしているが身体能力が高くて、技術が高くて、頑張れる選手である。公称は177センチなのでCBとしては小柄な部類に入るがオランダの長身フォワードにほとんど仕事をさせなかった。彼も初戦で大きなインパクトを残した。
オランダ戦のプレーを観ると「CBでも面白い。」と感じたが、やはり、上を目指すのであれば右SB/WBで勝負するのがベターである。J2の山形では5試合に出場しているが右WBの位置で起用されている。「CBでもプレーできるほど守備力の高いSB/WB」は日本には少ないので希少価値は高い。2002年1月1日生まれなのであと1日早く生まれていたら「02JAPAN」の対象外だった。そういう意味では運を持った選手である。
右サイドハーフでプレーしたMF成岡輝(清水ユース)は玄人受けするタイプの選手である。清水ユースではボランチの位置でプレーしているが今回は2列目での起用になった。中盤であればどこでもこなせる選手になるがミスが少なくて状況判断に優れていて攻守に貢献できる選手である。スケール感や派手さはあまりないがこのチームには欠かせない選手である。17才にして大人なプレーが出来る選手である。
その他で期待したいのはFW唐山(G大阪ユース)とMF中野桂(京都U-18)になる。どちらもU-16アジア選手権では活躍したが初戦はベンチスタート。途中出場して大きな仕事は出来なかったがGL突破ならびに決勝トーナメントを勝ち上がっていくためには「活躍してくれないと困る選手」である。MF山内翔(神戸U-18)とMF横川(湘南U-18)にも同じことが言えるがアジア予選のときの主力が控えているというのは心強い。
左利きのアタッカーはMF中野桂はスペシャルな選手になれる逸材である。キレのあるドリブルと正確な左足は絶対的な武器となる。初戦ではFW若月とFW西川潤の2人に注目が集まったが負けず劣らずのポテンシャルがある。ギラギラしたところも武器となるが対照的にFW唐山は不思議な選手である。とんでもなく凄い選手には見えないがU-16アジア選手権でもJ3の試合でも超・ハイペースでゴールを奪っている。
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