大分トリニータ→ 2013年以来のJ1復帰を果たした大分は29節を終えた時点で11勝8敗10分けで勝ち点「43」。7位に位置する。残り5試合で16位の湘南との差は「12」なので次節でJ1残留が確定する可能性が高い。前回、J1だった2013年は2勝24敗8分けで勝ち点「14」のみ。大惨敗を喫したが「2008年以来のJ1残留」が目前に迫っている。かつてはJ1の常連だったがその後は低迷した大分にとって歴史的な快挙達成となる。
J3だった2016年から片野坂監督がチームを率いている。就任4年目になるが右肩上がりでチームは成長を遂げている。29試合で32得点なので得点力は決して高くないが29試合で27失点という成績は見事と言うしかない。当然、守備に人数をかけて守るサッカーを志向しているわけでは全くない。パス数はJ1で4位、ボール支配率もJ1で5位となる。後方からパスをつなぐサッカーで十分すぎるほどの結果を残している。
パスサッカーが基本なので「攻撃」がクローズアップされる機会が多くなっているが貢献度が高いのは守備陣になる。GK高木駿は昨シーズンまではJ1通算で2試合の出場のみ。J1での実績はほぼなかったが正キーパーとして目覚ましい働きを見せている。3バックの中央でプレーするDF鈴木義は今シーズンも体を張ったプレーで失点の少なさに大貢献しており、右ストッパーのDF岩田はコパ・アメリカにも参戦した。
やはり、夏にFW藤本憲を引き抜かれたのは痛恨だった。開幕ダッシュの大功労者であり、大分のエースストライカーだったFW藤本憲が抜けた穴は大きくて後半戦は得点力不足に苦しんだ。21試合で8ゴールを挙げていたFW藤本憲が流出した後はなかなか点が取れなくなった。長きに渡って勝利から遠ざかった時期もあったが何とか勝ち点を積み上げて安全圏に突入している。素晴らしいシーズンになっている。