■ 9月の各賞が発表される。Jリーグの9月度の各賞の受賞者等が発表された。月間MVPはJ1がMF西澤健(清水)、J2がFWレオナルド(新潟)、J3がFW中村亮(秋田)となった。MF西澤健は2試合で4ゴール2アシスト、FWレオナルドは4試合で5ゴール、FW中村亮は3試合で4ゴール3アシストを記録しており、いずれも文句なしの受賞と言える。大卒ルーキーのMF西澤健は2試合とも2ゴールの活躍。チームの2連勝に大きく貢献したことが高評価された。
月間ベストゴールの受賞者はJ1がMF田中亜(C大阪)、J2がMF神谷(愛媛FC)、J3がDF濱託巳(沼津)となった。34節の栃木SC戦(H)の後半46分に決めたゴールが月間ベストゴールに選出されたMF神谷は初受賞となる。カウンターから抜け出してキーパーを「裏街道」でかわして最後は無人のゴールに流し込んだ。この試合は「残留争いの直接対決」だったがMF神谷の活躍もあって愛媛FCが3対2で競り勝った。
大卒ルーキーのDF濱託巳(沼津)は24節の群馬戦(A)で決めたゴールが月間ベストゴールに選出された。相手のクリアボールを拾うと左45度あたりから軽いタッチで蹴ったボールが鮮やかにネット隅に決まった。21節でJリーグデビューを果たしているがここに来て左SBでスタメン起用が続いている。ゴールを奪うことが仕事となる選手ではないが5試合で2ゴール。ポジションに関係なく、ゴールに絡める選手の価値は高い。
MF田中亜(C大阪)のゴールは26節の浦和戦(A)の後半39分に生まれた。1対1で後半の終盤に突入したが途中出場したMF田中亜のミドルシュートが決勝点になった。右サイドでリズムよくダイレクトでパスが回って最後が中央でフリーになっていたMF田中亜のところにボールが渡った。選考委員からには「ファーストタッチからシュートまでの流れるようなスムーズさとシュートの軌道が美しさ」を評価されている。
■ 9月は3戦全勝だったセレッソ大阪このゴールはシュート自体がゴラッソだったが「1対1の状況から生まれた決勝ゴールだったこと」以外にも「下田アナウンサーの絶叫」、「ゴールが決まって喜ぶC大阪の選手とは対照的にノーリアクションのロティーナ監督の振る舞い」、「ゴールが決まった瞬間に絵に描いたように頭を抱えるサラリーマン風の浦和サポーターの何とも言えない表情」など見どころが満載だった。MF田中亜以外の人も高評価したい。
後半39分に生まれた勝ち越しゴールなのでロティーナ監督がノーリアクションなのは不思議に思うがこのくらいの名将になるとゴールが決まった瞬間から「残り時間の戦い方」の方に頭が回ることになるのだろう。アディショナルタイムを含めると10分ほど。ホームの浦和が前がかりになって攻め込んでくることは容易に想像できる。その後、後半44分にMF水沼を下げてMF片山瑛を投入。逃げ切りに成功している。
C大阪は2対1で勝利した浦和戦(A)を含めて9月は3戦全勝だった。9月1日(日)はホームで川崎Fに勝利して、9月13日(金)はアウェイで浦和に勝利。9月28日(土)にはホームでG大阪に勝利しているが、勝利した3チームはいずれもJリーグを代表するクラブである。3チームとも最近の調子はあまり良くないが「川崎F・浦和・G大阪と対戦して3戦全勝」というのは高く評価できる。5連勝のC大阪は上位争いに参戦して来た。
■ 選出されたのは清水の篠田監督9月のC大阪の戦いは見事だったので「9月度の月間優秀監督賞はロティーナ監督で決まり」と思っていたが清水の篠田監督が選出された。これは意外な選出だった。単純に9月の成績を比較するとC大阪のロティーナ監督は3戦全勝。3試合で7得点/3失点となる。先のとおり、勝利した相手が川崎F・浦和・G大阪というJリーグを代表するクラブである点も価値が高い。特に大阪ダービーでの勝利はインパクトが大きかった。
対して清水の篠田監督は2勝1敗。9月1日(日)の鹿島戦(H)は0対4で大敗して、9月13日(金)の名古屋戦(H)は3対2で勝利。9月29日(日)の湘南戦(A)は6対0で大勝している。9月の成績は2勝1敗。9得点/6失点となる。書き出すと
・ロティーナ監督 3戦全勝 7得点/3失点
・篠田監督 2勝1敗 9得点/6失点
となる。湘南戦(A)の6対0の大勝は強烈な印象を残したが、鹿島戦(H)は0対4で大敗している。選考委員は「夏の移籍で北川航也が抜けた穴を上手くカバー。」、「西澤健太、河井陽介、金子翔太の2列目がどんどん飛び出す小気味の良い攻撃が出来ている。」、「順位を争ってるチームとの戦いの中で、沢山の得点をとって勝利を重ねた。」などと評価しているが今の湘南相手の大勝は割り引いて考える必要があるだろう。
■ 9月度の対象は26節と27節以上を比較すると「どう考えても9月の優秀監督賞はロティーナ監督」と言えるが調べてみるとJリーグの「月間」に関する考え方は特殊である。「節の開催日が2か月にまたがる時はその節の1日目の試合が開催された日の月とする。」という決まりのようだ。25節は8月30日(金)と8月31日(土)と9月1日(日)の3日間に渡って行われたが「9月1日(日)に行われた試合も8月度の試合とみなす。」という決まりのようだ。
なので、9月1日(日)に行われた25節の3日目の湘南 vs 浦和、C大阪 vs 川崎F、清水 vs 鹿島の3試合は「9月度の試合」ではなくて「8月度の試合」に含まれる。よって、2人の監督の9月度の成績を比較すると
・ロティーナ監督 2戦全勝 5得点/2失点
・篠田監督 2戦全勝 9得点/2失点
となる。この数字で比較すると「篠田監督が9月度のJ1の月間優秀監督にふさわしい。」と言えるので「Jリーグの選考は妥当だった。」と言えるだろう。「どういう理由でこういうルールになっているのか?」は分からないが月間で25試合程度は行われるプロ野球とは違ってJリーグの月間の試合数は非常に少ない。今年の9月度のJ1の各賞の対象となるのは26節と27節の2試合のみなので1試合の重みは大きかった。
各月の月間優秀監督に選ばれた監督が2019年の年間の優秀監督賞に自動的にノミネートされることになるが各月の月間優秀監督は以下の通りである。
2・3月 風間 八宏
4月 長谷川 健太
5月 ポステコグルー
6月 渡邉 晋
7月 大岩 剛
8月 城福 浩
9月 篠田 善之
このまま行くと「2019年の年間の優秀監督賞の有力候補」に挙げられる大分の片野坂監督やC大阪のロティーナ監督がノミネートされないことになる。「ノミネートされない=2019年の優秀監督賞の候補にはならない」ということだと思うがそうであるならばあまり宜しくない仕組みである。2017年からJリーグアウォーズのときに「J1とJ2とJ3の年間の優秀監督賞」が選出されるようになったが改善点はありそうだ。
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