■ 7年半ぶりのダービーでの勝利大きな注目を集めた大阪ダービーは9月28日(土)にヤンマースタジアム長居で行われたがホームのC大阪が3対1で完勝した。リーグ戦のダービーに限定すると2012年3月17日(土)に行われた試合以来なので約7年半ぶりの勝利となった。C大阪が2点差以上でダービーに勝利したのは3度目。3得点以上を奪ったのは3度目。2万人以上の観衆が集まったホームのダービーで勝利したのは2度目。記録ずくめの勝利となった。
前半8分にFWブルーノ・メンデスのゴールで先制に成功すると前半11分にはFKからDFマテイ・ヨニッチが決めて大きな追加点を奪った。さらに後半11分にはMF柿谷のクロスからMF水沼がボレーシュートを決めて3点目を奪った。後半47分にG大阪が1点を返したが時すでに遅し。5連勝となったC大阪はついに4位に浮上。首位のFC東京との差は「7」なのでまさかまさかで優勝争いに絡んできた。快進撃を続けている。
C大阪はポジティブな要素が満載の試合になったがロティーナ監督のサッカーにフィットできずに5月・6月・7月・8月あたりはほとんどチームに貢献できなかったMFソウザとMF柿谷がともにスタメンで出場してアシストを記録するなど大きな存在感を発揮したことが最大のポジティブニュースになる。MFレアンドロ・デサバトとMF清武の怪我によってチャンスが回ってきたがどちらも違いを発揮して勝利に貢献した。
やはり、MFソウザがいると攻撃のバリエーションが豊富になる。今シーズンはMF藤田直がプレイスキッカーを務めるケースが多くなっているがなかなかセットプレーで点が取れていなかった。MFソウザの鋭いキックは大きな武器になる。MF柿谷はここ最近は左SHで起用されているが彼らしいテクニックで相手をかわして完璧なクロスをゴール前に供給した。自身のゴールはなかったがキレのある動きを連発した。
■ ダービーで輝いた2人の選手ここ5試合は全て複数ゴールを奪っているが27試合で32得点というのは上位争いをするチームの得点数としてはかなり少ない。J1で最少失点タイの守備陣に助けられているがMFソウザならびにMF柿谷は(今さら言うまでもない話ではあるが)得点力アップに大きく貢献できる選手である。ロティーナ監督のサッカーに馴染めずにいた2人が輝きを放ってチームの勝利に大きく貢献したことはC大阪にとっては大きな話である。
「残り7試合でどこまでFC東京や鹿島や横浜FMに迫れるのか?」は興味深いが敗れたG大阪にとっては最悪の試合になった。初スタメンとなったMFマルケル・スサエタは右サイドハーフで起用されてまずまずのプレーを見せたが攻撃は確率の低いミドルシュートで終わるケースが多かった。G大阪は相手を上回る12本のシュートを放っているが「勢いの差」と「完成度の差」を痛感させられる結果に終わった。
ダービーで敗れたことでG大阪は本格的に残留争いに巻き込まれた。14位に転落したG大阪は16位の鳥栖との差が「3」まで接近。17位の松本山雅との差も「6」に縮まった。次の28節が札幌戦(H)、29節が川崎F戦(H)。難敵との対戦が続くことを考えると降格圏に転落する可能性もある。前回、ダービーで敗れた2012年はJ1で17位になってJ2降格となっているが同じことになるのは絶対に避けないといけない。
連勝中のC大阪にとっては大きな1勝であり、残留争いをするG大阪にとっては大きな1敗となったが、今回の大阪ダービーは結果と内容だけでなくサポーターの質という点でもC大阪が圧勝したようだ。試合前に「リスペクト宣言」が行われたが、先に行ったG大阪のDF三浦弦の「リスペクト宣言」の後には大きな拍手が送られたが、次に行ったC大阪のMF柿谷の「リスペクト宣言」のときは殺伐とした雰囲気になった。
場内にMF柿谷の名前がアナウンスされた瞬間、G大阪のサポーター席から大きなブーイングが巻き起こった。結構な数のG大阪のサポーターがスタジアムに来場していたのでブーイングの音量は相当に大きかった。過去に何度かG大阪への移籍が噂されながらC大阪に残留しているMF柿谷に対する憎悪の気持ちがブーイングに結びついたのだと思うが「リスペクト宣言中のブーイング」は理解できるものではない。
■ 10月2日(水)にクラブが謝罪ただ、G大阪のコアなサポーターが暴走するのは決して珍しくない。「よくある話」だと思うが、問題視したいのはクラブ側の対応である。この件についてクラブは10月2日(水)に公式サイトで謝罪を行った。その内容は以下のとおりである。
いつもガンバ大阪をご声援頂き有難うございます。先日9/28(土)行われました大阪ダービーの試合において、キックオフ直前のフェアプレー宣言でビジターゴール裏からブーイングが発生しました。
一部のサポーターによるブーイングは、一選手に向けたものが発端ではありましたが、フェアプレー宣言中に行なわれてしまうこととなり、クラブとしても非常に遺憾に思っております。ガンバ大阪を応援して頂いているサポーター・ファンの皆様、スポーツを愛する多くの皆様に不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。
応援を統率するサポーターともこの件について話をしており、今後、このような行為が行われないよう、サポーター・クラブが一体となり努めて参ります。引き続きご声援よろしくお願いいたします。
昨今の日本は「一億総監視社会」なので様々な分野の人間が様々なことで世間から批判を浴びる。嫌な社会になっていると個人的には思うが、「何かをやらかしてしまったときにどういう対応が出来るのか?」というのがかなり重要になってきた。去年の5月に社会問題化したアメフトのタックル問題のときは加害者である日大の選手が真摯な謝罪会見を行った結果、世間の風向きが大きく変わるという出来事があった。
■ 謝罪文としては最低レベル日大の選手はやらかした後の対応が良かったので逆に世間のイメージが良くなったが今回のG大阪のサポーターのやらかしに対するクラブ側の対応は最悪に近い。ブーイングの音量を考えると「一部のサポーターによるブーイング」とは到底思えない。また、やらかしに関して正当な理由がある場合はしっかりと主張しないといけないが「一選手に向けたものが発端ではありましたが」というのは言い訳に過ぎない。
また、当事者であるMF柿谷やC大阪の名前を出していない点もかなり不誠実に感じる。ここで言う「一選手」というのはMF柿谷を差しているのは明らかであるがきちんと名前を出すべきであり、謝罪をしている対象が「ガンバ大阪を応援して頂いているサポーター・ファンの皆様、スポーツを愛する多くの皆様」というのもおかしな話である。『これならば謝罪をせずに開き直った方がマシだった。』と個人的には考える。
対戦相手のチームや対戦相手の選手をリスペクトできないというのは大きな問題である。さらに言うと、「クラブがコアなサポーターの暴走を制御できていないこと」も批判されるべき問題である。これはG大阪に限った話ではなくて、いくつかのJリーグの老舗クラブにも全く同じことが言えるが彼らに気を使い過ぎてスタジアム内外での彼らの暴走に対して毅然とした対応ができていない。情けないと言うしかない。
→ 2019/08/26 【天皇杯】 立派だったガンバ大阪のサポーターの試合後の振る舞い (vs 法政大)
→ 2019/08/26 【天皇杯】 見苦しかったガンバ大阪のサポーターの試合後の振る舞い (vs 法政大)
★ 現在の投票数 → 34票
→ 最大で20個まで選択して投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
クラブ別の人気エントリー・ベスト10 (セレッソ大阪編)
01位 2012/10/08 柿谷曜一朗(セレッソ大阪)の波瀾万丈なサッカー人生
02位 2010/05/16 【C大阪×神戸】 シンジ 旅立ちの日 (生観戦記 #4)
03位 2017/07/17 【有能?無能?】 大熊清チーム統括部長(セレッソ大阪)は正当に評価されるべき。
04位 2019/06/29 【Jリーグ】 FWブルーノ・メンデス(セレッソ大阪)のチャント炎上騒動について
05位 2013/11/26 記憶に残る指導者 レヴィー・クルピ監督
06位 2014/02/25 生・フォルランを観に行って来た。
07位 2019/07/29 【セレッソ大阪】 「ブルーの麺です」を食べに行ってきた。 (ファン感謝デー) (ラーメン編)
08位 2017/09/27 「セレッソ大阪のばばあサポーター(@キンチョウスタジアム)」が迷惑すぎる件
09位 2019/09/08 【Jリーグ】 本当にDF瀬古歩夢(セレッソ大阪)は「アホの子」なのだろうか?
10位 2007/04/29 【C大阪×草津】 柿谷曜一朗という才能
00位 2019/10/04 クラブ別エントリー (セレッソ大阪)
- 関連記事
-