■ 初の降格の危機を迎えるFC岐阜J2は残り7節となったが残留争いは20位の鹿児島と21位の栃木SCと22位のFC岐阜が中心になっている。残りは7試合なので17位の千葉、18位の福岡、19位の町田の3チームもまだ安心できる状況ではないが下位3チームのここ最近の戦いぶりや成績などを考えると「よほどのことがない限りは千葉・福岡・町田は大丈夫」と言える。下位3チームの勝ち点が伸び悩んでいるのは千葉・福岡・町田にとって有り難い話である。
10月30日(水)に予定されている延期分の鹿児島 vs FC岐阜(23節)は死闘になるだろう。38節と39節の間の週に行われるがFC岐阜が勝利したらさらに混沌とした状況になる。得失点差は栃木SCが「-20」、FC岐阜が「-29」、鹿児島が「-30」なので、得失点差の面では栃木SCがかなり有利である。栃木SCは26節以降はずっと21位なので定位置になっているが鹿児島との差は「1」。脱出のチャンスを迎えている。
2008年からJ2で戦ってきたFC岐阜は初降格の危機を迎えているが5試合勝ちなし中となる。直近の35節はホームで山口と対戦して前半43分にFWミシャエルのゴールで先制に成功。1対0とリードを奪ったままで後半のアディショナルタイムに突入したが後半50分にFW池上に同点ゴールを食らってドロー。目前まで迫っていた勝ち点「3」を逃した。勝っていたら鹿児島との差は「2」になったので痛恨のドローである。
■ 監督交代後は16試合で3勝8敗5分けなかなか勝てておらず、順位も最下位の22位。初のJ3降格の危機が迫っており、なおかつ、(いい時の)大木監督時代と比べるとはるかにつまらないサッカーになっていることもあってサポーターのフラストレーションがMAX付近まで高まっていることは容易に想像できるがここ最近の岐阜メモリアルセンター長良川競技場の雰囲気は良くない。35節の山口戦(H)は5,214人というサポーターが集まったが雰囲気は悪かった。
北野監督を招聘した時点でこういうサッカーになるのは誰にでも想像はできた。相手に先制されると挽回するのは難しくて、FC岐阜が先制ゴールを奪ったら極端なほど守備意識が高まって防戦一方の展開になってしまう。テンポよくボールが回るシーンは少なくて躍動感はほとんど感じられない。良くも悪くも大木監督の頃とは真逆のサッカーになっているがこのあたりは讃岐時代と同じである。全く変わっていない。
様々なことが犠牲になることを承知した上で北野監督を招聘していると思うが落差が大きいのでサポーターにはストレスになるだろう。真逆のサッカーであっても「北野監督→大木監督」だったら選手たちは大きなエネルギーを発するようになったと思うが「大木監督→北野監督」だとその反対である。SBが重要視される現代サッカーにおいて「最終ラインにCBタイプの選手を4人並べる。」というのは逆に新鮮である。
■ リプレーを見る限りでは・・・。山口戦(H)は選手がエキサイトする場面がいくつかあった。前半26分にはバックスタンド側でFC岐阜のFWミシャエルと山口のMF高宇洋が小競り合いを起こした。後半26分にはメインスタンド側でFC岐阜のFWミシャエルが振り上げた足が山口のDF菊池流の顔に当たってDF菊池流が激怒するシーンがあった。試合終了後には北野監督やDF甲斐が審判団に詰め寄って激しく抗議をしている様子も映し出されている。
また、後半14分にはMF三幸のタックル(判定はノーファール)を受けたMF宮本航が肩を負傷して途中交代するアクシデントがあった。さらに後半47分にはエリア内でFW前田遼が倒されて「PKか!?」というシーンもあったが逆にFW前田遼のファールと判定された。FC岐阜には5枚のイエローカードが提示されているが山口はゼロ。「何でうちのチームにしかカードが出ないのか?」という不満はFC岐阜側にはあっただろう。
後半の終盤になると1つの1つの判定に対してFC岐阜のサポーターが過剰に反応をしてスタジアム内は不穏な空気になったがリプレーを見る限りでは
・FC岐阜に出た5枚のイエローはすべて妥当。
・後半4分に山口のFW山下敬が倒されたシーンはPKが妥当。
・後半14分のMF宮本航が負傷したシーンはMF三幸のファール&イエローが妥当。
・後半26分のFWミシャエルのハイキックは危険。DF菊池流が激怒するのは当然。
・後半47分のFW前田遼のプレーはすでにゴールラインを割っているのでゴールキックが妥当。
だと思う。5つ目については大坪主審のジャスチャーを見ると「FW前田遼のファール」を取っていると思うが「誤審だった。」と思う。「ボールが少しでもラインにかかっている間はインプレー」というのが基本になるがDAZNで試合中に流れた映像を見る限りでは「ほぼ間違いなくゴールラインを割っている。」と言える。PKなのか?否か?はかなり微妙なプレーだったと思うが「すでにアウトプレーだった。」と考える。
■ 「何故、ここまで文句を言うのか分からない。」「山口側に与えられるべきだったPKを取っていない。」ということを考えるとFC岐阜側に不利な判定が続いたとは言えない。前半の早い段階から集音マイクが「FC岐阜側の監督やコーチなどの抗議の声」を拾っていたが「何故、ここまで文句を言うのか分からない。」というのが正直なところである。試合の終盤にスタジアム内が不穏な空気になった要因の1つは「FC岐阜側の監督やコーチの執拗な抗議にある。」と言える。
監督やコーチの振る舞いがサポーターにも伝染したように感じるが前半43分に先制ゴールを奪って1対0とリードを奪って試合を進めることが出来ていたことを考えると選手も監督もコーチもサポーターも冷静に対応すべきだった。相手に激しくチャージされる回数は相手の3倍~4倍ほどの回数の攻撃を仕掛けた山口の方がはるかに多かったが山口側はまずまず冷静に対応。それが後半50分の同点ゴールにつながった。
試合のスタッツを見るとパス数は山口が714本で、FC岐阜は210本のみ。30mライン進入回数は山口が65回で、FC岐阜は13回のみ。ペナルティエリア進入回数は山口が19回で、FC岐阜は3回のみだった。この試合の大坪主審のジャッジが素晴らしかったとはとても言えないがチームとして上手くいかないことを審判団など周りの責任にするのはプロとして良くない態度である。負のスパイラルに陥っているように見える。
高校野球の球児のように「審判がとんでもなくおかしな判定を下したときにも受け入れるしかない。」という状況はそれはそれで気持ち悪く感じるがサッカーに限らず、試合中に必要以上に抗議をする姿勢は見苦しくて選手やクラブ全体のイメージダウンにつながる。また、激しい抗議をしたらその後の判定が自分たちに有利になるとはとても思えない。むしろ、その逆である。短期的に見ても長期的に見てもマイナスである。
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