■ 5戦全敗に終わったW杯の男子バスケ中国で開催されている男子バスケのW杯に出場した日本代表はNBAのウイザーズに9位で指名された八村塁を中心に「史上最強」と言われたが5戦全敗に終わった。GLは格上のチームとの対戦が続いたので3戦全敗というのも仕方がない気もするが順位決定戦でも2連敗。終わってみると32チーム中で31位という成績に終わった。5戦全敗だったのは他にはコートジボワール・セネガル・フィリピンの3チームになる。
結果はもちろん残念だったがどの試合も力を出し切れなかったのが特に残念だった。中でも4戦目のニュージーランド戦は30点差での敗戦となった。ニュージーランドの世界ランキングは38位。日本は48位なのでそこまでの大きな差はなかったが八村塁を欠いた影響もあって完敗を喫した。5戦目のモンテネグロ戦も15点差の敗戦となったので「5試合全てで二桁点差での敗戦」になった。惜しい試合すら1つもなかった。
当然、NBAでのキャリアをスタートさせる八村塁にはこれからの1年間で大きな成長が期待できるが、開幕まで1年を切った東京五輪までに「世界と互角に戦えるレベルまでチーム力を引き上げる。」というのはほぼ無理だろう。男子バスケに限らず、大半の競技にとって東京五輪というのは自分たちの存在価値を日本中に示す大きなチャンスになるが男子バスケが東京五輪で存在感を発揮するのは難しそうだ。
5戦目のモンテネグロ戦では3Pシュートを16本放ちながら成功数はゼロに終わった。昨今のNBAは「3Pポイント全盛時代」に突入しており、普通のシュート(2Pシュート)よりも得点効率が高いとされる3Pをどれだけ決められるのか?が勝負の分かれ目になる。フィールドゴールの半分近くが3Pシュートになる試合も珍しくない時代に入っていることを考えると「3Pの成功がゼロ」というのは考えにくい話である。
■ 慢性的な課題であるシュート力不足「世界との一番の差はサイズやフィジカルではなくてシュート力であるということが分かっただけでも大きな収穫だ。」と言われている。「シュート力さえ向上すれば世界と互角に戦えるだろう。」とも言われているが世界と比べてシュート力が大きく劣ることはずっと言われてきた日本バスケの課題である。今回のW杯に出場して初めて分かったことではない。慢性的な課題であり、解決するのは難しい問題である。
今回の日本代表はサイズ的にはまずまずだった。ゴール下を支配されて相手にオフェンス・リバウンドを取られまくる試合はなかった。ファジーカス、渡邊雄太、八村塁の3人が加わった効果はやはり大きかったがNBAになると2メートルを超える選手でも驚異的な身体能力を持っている。八村塁は父親がベナン人、ファジーカスはアメリカ出身になるが、「大きくて、かつ、動ける日本人」というのはやはり少ない。
「男子サッカーも初出場のフランスW杯のときは3連敗だった。同じように男子バスケもこれから発展するだろう。」という人も少なくないが「大きくて、かつ、動ける日本人」は限られることを考えると男子バスケがここから順調に成長してある程度以上の確率で世界大会(五輪やW杯)のGLを突破できるようになるとは想像しにくい。バスケットボールは番狂わせが起こりにくい競技であることを踏まえるとなおさらである。
■ サイズが求められる競技は・・・。日本人の一般男性の平均身長は171.5センチくらい。180センチあると大柄で、190センチ以上になると相当に目立つ。200センチを超える人は限られるが、NBAのポイントガード(PG)の平均身長は190センチくらいになる。シューティングガード(SG)は198センチくらい、スモールフォワード(SF)は203センチくらい、パワーフォワード(PF)は206センチくらい、センター(C)は213センチくらいが平均的な身長になる。
MLBで活躍する大谷翔平は193センチの長身。驚異的な身体能力を持っているが彼でもNBAだと小柄である。そして、彼と同レベル以上の身体能力を持った選手がたくさんいるのがNBAの世界である。「大谷翔平がバスケを選択していたら・・・。」と考えた経験のある人は少なくないと思うが、彼ですら、ポイントガード(PG)がせいぜいである。「化け物」というしかない選手が集まっているのがNBAの世界である。
同じようにサイズと身体能力を兼ね備えた選手が揃っていないと世界と対峙するのが難しい競技というバレーボールになる。バレーボールのW杯ももうすぐ開幕するが特に男子は世界と比べて圧倒的に身長が不足している。西田有志という19才のサウスポーの新エースの誕生で沸いているが彼も186センチくらい。並外れたジャンプ力を持っているが世界のトップと対抗するには身長が低すぎるのが難点になる。
■ サッカーならば180センチでも重宝される可能性大今後、男子バスケも男子バレーも世界はますます大型化が進んでいくだろう。そして、その後は「(大きいだけでなく)大きくて動ける選手」が求められる時代に入っていくことを考えると男子バスケや男子バレーあたりは相当に頑張らないと世界との差は広がる一方である。どちらも日本では人気のある競技ではあるが「サイズが大きなアドバンテージになる競技」というのはやはり日本人にはあまり向いていない。
他の児童や生徒よりも大きい子がいると「バレー部やバスケ部の顧問や部員が勧誘する。」というのは日本の学校ではありがちな話になるが190センチあっても小柄と言われる競技で生きていくのはなかなか大変である。前述の男子バレーの西田有志は186センチでも小柄と言われるがサッカーの世界だと186センチあればどのポジションでプレーするにせよ「大柄な選手」と言われて大きな期待を集めることになる。
200センチを超える身長で大成しているサッカー選手はキーパーを除くと限られる。「200センチを超えるとサッカーには不向き」になるがサッカーもサイズのアドバンテージはそれなりにある競技であることを踏まえると「背の高い小学生や中学生はバスケやバレーを選ぶよりもサッカーを選んだ方が幸せになる可能性が高い。」と考える。180センチあたりで身長が止まってもサッカーの場合は重宝される可能性が高い。
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