■ 21位と降格圏に位置する。栃木SCは31節を終えた時点で4勝14敗13分けで勝ち点「25」。21位と降格圏に位置する。20位の鹿児島との差は「5」となるが次の次の33節が鹿児島との直接対決になる。ホーム戦になる点はポジティブに考えられるが直接対決で敗れるようだと「J2残留」はかなり厳しくなる。「2度目のJ3降格」の危機を迎えているが足を引っ張る形になっているのは攻撃陣になる。31試合で22得点。これはJ2の中では最少になる。
対して守備陣は31試合で42失点になる。1試合平均の失点数は1.35失点。残留争いに巻き込まれているチームの失点数としては多くはない数字になる。実際に12位以下のチームに限定すると42失点というのは最少失点タイになる。FC岐阜が53失点、鹿児島が54失点であることを考えると「守備陣は奮闘している。」と言える。DF藤原広が守備の要になっているが、やはり、GKユ・ヒョンの加入は大きかった。
彼の神がかり的なスーパーセーブによって栃木SCは何度も救われている。185センチというサイズは現代のキーパーとして決して大きくはないが反射神経が鋭くてビッグセーブの多いキーパーである。35才なのでベテランの域に入っているが身体能力が高い。これまでJリーグにやって来る韓国人キーパーというと「バリバリの代表クラスのキーパーか、20才前後の若手キーパー」が多かった。GKユ・ヒョンとは異なる。
近年のJリーグは外国人キーパーが激増しているが、今後、彼のようにKリーグのクラブで控えに甘んじている韓国人のキーパーやベテランと言える年代の韓国人キーパーを狙うクラブが増えていく可能性がある。こうなるとますます日本人キーパーの居場所がなくなるので「外国人キーパーの獲得に制限を加えるべき。」という声は必ず出てくると思うが彼らがJリーグのレベルアップに貢献しているのは確かである。
■ 1試合平均のシュート数は5.81本Jリーグの外国人キーパーというとGKシジマール(清水)が草創期に活躍。力を示した後、GKキム・ジンヒョン(C大阪)が登場。彼によって外国人キーパーならびに韓国人キーパーに注目するクラブが一気に増えた。その後、GKカミンスキー(磐田)とGKビクトル(FC岐阜)が欧州系のキーパーの存在価値を高めた。このあたりの選手が流れを作ったがGKユ・ヒョンの活躍も新しい流れが出来るきっかけになるかもしれない。
GKユ・ヒョンの活躍は今シーズンのJ2の中でも屈指のサプライズと言えるが「彼がいなかったら栃木SCはもっと苦しい状況になっていたのは確実」と言える。先のとおり、GKユ・ヒョンを中心とした守備陣は奮闘しているが、とにかく、今シーズンの栃木SCは点が取れない。ワースト2位の得点数となるFC岐阜でも31試合で27得点を奪っている。J2最多の得点数を誇る横浜FCと比べると総得点は41.5%に過ぎない。
得失点差「-20」はJ2の中ではワースト2位。最終的に得失点差の勝負になる可能性もあるが「シュートまで持ち込めない。」というのが今シーズンの栃木SCの大きな問題点になる。31試合で放ったシュートは180本のみ。1試合平均では5.81本になる。もちろん、J2最少になるが、ワースト2位の東京Vは31試合で227本。1試合平均では7.32本なのでブービーの東京Vと比べてもシュート数に関しては大きな差がある。
■ 歴代ワーストになる可能性大2018年は42試合で338本のシュートを放っている。1試合平均では8.05本。決して多い数字ではないがJ2の中では下から5番目だった。昨オフの栃木SCはGK竹重(横浜FC)、DFパウロン(新潟)、DF服部康(松本山雅)、DF福岡将(徳島)が流出。守備的なポジションの選手の流出が目立った一方で攻撃的なポジションはエースのMF西谷和の引き止めに成功したこともあってそこまで顔ぶれは変わらなかった。
開幕前に不安視されていたのは主力が大量流出した守備陣だったことを考えると予期せぬ展開になっているがDFパウロンやDF服部康の高さを生かしたセットプレーという大きな武器がなくなったのは痛かった。代わりに加入したDF藤原広やDF森下怜などは守備面では頑張っているがCBとしてはサイズのある選手ではない。セットプレーのときにはターゲットになりにくいのでセットプレーの威力は半減した。
当然、シュート数を競うスポーツではないので「シュートを打てればOK」というわけではない。確率の低いミドルシュートやロングシュートを多用しても効果的ではないが、やはり、「シュートを打たないとほぼ点にならない競技」である。シュート数と得点数は比例するケースが多くなるが、驚くのはここまでの31試合の中で「10本以上のシュートを放った試合は3試合のみ」という点である。これは異常な少なさである。
「11本以上のシュートを放った試合は22節の山口戦(H)のみ」という点にも驚くが、さらに驚くのは「今シーズンの栃木SCの1試合平均のシュート数」はJリーグで記録が残っている1999年以降では最少になる点である。「1999年~2019年の間にJ1もしくはJ2もしくはJ3のリーグ戦に参戦したチームは全部で814チームになるが5.81本というのはこの中で最少。これまでの最少は2014年の徳島の6.00本になる。
初めて徳島がJ1に挑戦して3勝26敗5分けと苦しんだシーズンになる。34試合で16得点だったがこの年の徳島よりも今シーズンの栃木SCの1試合平均のシュート数は少ない。4勝のみと結果が出ていないことは当然のことながらサポーターのストレスになっていると思うがシュート数が極端に少ないこともサポーターにはストレスになっているだろう。サッカーはシュートを打ったら何かが起こる可能性がある競技である。
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