■ 例年どおりで大混戦になっている。例年通りでJ2の残留争いは大混戦になっているが16位の千葉、17位の福岡、18位の町田、19位のFC琉球がいずれも勝ち点「31」で並んでいる。以下、20位の鹿児島が勝ち点「30」、21位の栃木SCが勝ち点「24」、22位のFC岐阜が勝ち点「23」となる。下位2チームが取り残されつつある中、9月7日(土)にFC岐阜と栃木SCが対戦する。「この試合で勝てなかったチームは相当に厳しい状況になる。」と言える。
同じ日にFC琉球と鹿児島の試合も行われるが「FC岐阜 vs 栃木SCは残留争いの行方を大きく左右する大一番になる。」と言える。J1は代表ウイークのためお休みになるのでいつも以上にJ2のリーグ戦に注目が集まる中、裏・天王山が行われることになるが、FC岐阜と鹿児島は23節の試合は雷雨の影響で中止になっているので1試合消化が少ない。31節の栃木SC戦(H)でFC岐阜が勝利するようだと混沌とした状態になる。
勝ち点「31」で並ぶ4チーム(千葉・福岡・町田・FC琉球)もプレッシャーのかかる状況になるが17位の福岡はここ4試合は2勝1敗1分け。結果が出るようになってきた。依然として残留争いに巻き込まれているが21位の栃木SCとの差が「7」まで広がったので一時と比べると安心できる位置まで浮上することができた。残りは12試合。「2試合では逆転されない勝ち点差」になると心理的な余裕は生まれるだろう。
■ 育成型期限付き移籍での加入直近の愛媛FC戦(H)で3対0と大勝して勝ち点「3」を獲得できたのは非常に大きかったが9月5日(木)にJ1の神戸からDF初瀬を育成型期限付き移籍で獲得した。2017年の12月に行われたE-1 サッカー選手権のときにフル代表に選出されているDF初瀬は昨オフにG大阪から神戸に移籍。主に左SBの位置でJ1で17試合に出場しているが夏の移籍市場で元・日本代表のDF酒井高が加入すると定位置を失っていた。
神戸は大卒2年目のDF宮大樹も今夏にJ2の水戸に期限付き移籍している。こちらもJ1では11試合に出場している。DFダンクレーとCBコンビを組むケースが多かったがフィンク監督に代わってやや出場機会が減っていた中、水戸に期限付き移籍することになった。DF初瀬もちょっと前では左SBのレギュラーとして起用されていたことを考えると「このタイミングで出すのか・・・。」と思える移籍が続いたことになる。
ここ最近の福岡は右WBはMF石原広、左WBはMF輪湖が起用されている。それなりに結果が出ているので定位置を確保しつつある。DF初瀬は左右どちらのサイドでもプレー可能。今シーズンの福岡はイエローカードが多くて今後は出場停止の選手がたくさん出てくることが予想されるので選手層を厚くしないといけない状況になるが、MF石原広のバックアッパーにもなれるし、MF輪湖のバックアッパーにもなれるだろう。
■ 五輪代表に復帰できるか?そう考えるとこのタイミングでDF初瀬を獲得できたのは良かったと言える。J1レベルで考えると判断力や身体的な能力やフィジカル的な能力の問題から守備の部分で穴になってしまうケースが多かったがJ2レベルであれば大きな穴にならない可能性はある。むしろ、持ち味である攻撃的な良さを発揮できる可能性はある。FWヤン・ドンヒョンは高さのある選手なので精度の高いキックが生きるチームなのかもしれない。
今シーズンの福岡はペッキア監督の意向だと思うが、とにかく保有する選手の数が少なかった。選手層が薄くてやりくりが大変だったことを考えるとある程度の実績があって左右両サイドをこなすDF初瀬を獲得できたのはプラスと考えられるがDF初瀬にとっては「(最初は控えになると思うが)神戸よりは出場機会が得やすいチーム」だと思われるので東京五輪出場のためのアピールはしやすくなったと考えられる。
DF初瀬は五輪代表の常連だったが直近の五輪代表のメンバーからは外れている。WBの選手で招集されたのはMF長沼(愛媛FC)、MF菅大輝(札幌)、MF遠藤渓(横浜FM)、MF杉岡(湘南)の4人になる。他にはDF菅原(AZアルクマール)、DF藤谷壮(神戸)、MF相馬勇(鹿島)などもWBの候補に挙がってくると思うがいずれにしても試合に出続けないと五輪代表復帰は難しい。DF初瀬にとっても勝負の数か月になるだろう。
■ 育成型期限付き移籍を悪用するクラブDF西大伍ならびにDF酒井高はいずれも代表クラスの実力を持っていることを考えると「福岡への移籍は良い選択だった。」と言えるが引っかかるのは育成型期限付き移籍になる点である。同制度は若手選手の出場機会を確保するためにJリーグが2013年から試験的に導入しているが対象となるのは「18才-23才の選手」になる。下部カテゴリーへの移籍に限定されるが移籍期限外でも期限付き移籍が可能となる。
よって、J1の選手の場合はJ2もしくはJ3、J2の選手の場合はJ3への育成型期限付き移籍が可能になる。ここ最近のFW山田寛(C大阪→FC琉球)、MF中坂(神戸→京都)、MF高畑(大分→鳥取)、FW大垣(名古屋→岩手)の移籍はいずれも育成型期限付き移籍になるが「J1のクラブで出場機会に恵まれない選手」がほとんどである。DF初瀬のようにJ1で主力としてプレーしていた選手の育成型期限付き移籍は珍しい。
すでに夏の移籍市場はクローズされているので今の時期に他クラブへの移籍が可能となるのは「育成型期限付き移籍のみ」となるが今回のDF初瀬の移籍は「もともとJリーグが想定していた育成型期限付き移籍」とは少し異なるように思う。今シーズンのDF初瀬のようにJ1で17試合も出場している選手が育成型期限付き移籍を使って移籍市場がクローズされたあとで他クラブに移るのは「どうか?」と思ってしまう。
懸念されるのは「育成型期限付き移籍を悪用するクラブが出てくること」である。今回のDF初瀬の件で神戸側が何かしらの悪意を持って育成型期限付き移籍を利用したとは全く思えないが、例えば、残留争いに巻き込まれているクラブが「1つ下のカテゴリーの昇格資格を持たないクラブの戦力アップを目的でたくさんの試合に出場している選手を選手を送り込んで降格枠を減らそうとする。」という方法は可能である。
また、J1のクラブでたくさんの出場機会を得ていた選手を夏の移籍市場が閉じた後にJ2やJ3のクラブが育成型期限付き移籍で獲得するケースが多くなると不公平感は出てくる。「出場機会に恵まれない若手を救済する制度」であることを考えると出場試合数など制限を設けるのも1つの方法だと思われる。「今シーズン、10試合以上に出場している選手は育成型期限付き移籍を利用できない。」などの改良はあってもいい。
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