■ 4連敗中で17位と低迷・・・。J2に降格して早くも10年目となるジェフ千葉は4節を終えた時点でエスナイデル監督が解任された。クラブOBである江尻監督が2010年以来の監督復帰となったが監督交代後の3試合は2勝1分け。結果を出すことが出来た。監督交代によってチーム状態は上向きになったが26節から4連敗中。29節を終えた時点では7勝13敗9分けで勝ち点「30」。17位と低迷している。クラブ史上初のJ3降格の危機を迎えている。
エスナイデル監督は「4試合を終えて0勝2敗2分け」という成績を残してチームを離れているので江尻監督になってからは7勝11敗7分けとなる。25試合で獲得した勝ち点は「28」なので1試合平均では1.12となる。言うまでもなく、J1復帰を目指すチームの勝ち点ペースとしてはかなり物足りない数字になる。エスナイデル監督が率いた2018年の1試合平均の勝ち点は1.31だったのでこの数字よりも悪くなっている。
「戦力的にはJ2の中で上位クラスと考えられる千葉が17位に沈んでいる。」というのは不思議な状態である。187センチのFWクレーベはJ2では上位クラスのCFで、MF船山貴はゴールゲッターとしてはJ2屈指である。MF熊谷アンドリューはJ2のボランチの中では最高クラスの選手で、MF為田の突破力はJ2屈指で、MF堀米勇の左足とイマジネーションもJ2有数。各ポジションにJ2では上位クラスの選手を揃えている。
「J2の22クラブの中で明らかに千葉よりもいい選手を揃えている。」と言えるのは首位独走中のライバルの柏くらいである。上位争いをする大宮や横浜FCや甲府などと比べても千葉は遜色ないレベルの選手を抱えているチームだと思うが今シーズンも噛み合わない。今夏の移籍市場ではDF米倉(G大阪)を再獲得したのみ。夏の移籍市場では積極的な動きを見せなかったがDF米倉も救世主になることは出来なかった。
■ 昇格経験が一度もないクラブ今年でJ2生活が10年目になるので当然の話であるが「9年連続でJ1昇格(復帰)に失敗しているチーム」になる。記憶している限りでは「J2に降格してからJ1昇格を目指さなかったシーズン」は一度もなかったと思うが「どういう感じになったらJ1に昇格できるのか?」の道筋が全く見えなくなっている。見過ごされがちな話になるがJリーグのクラブの中で「昇格経験が一度もないクラブ」というのはごく少数である。
J1のクラブだと鹿島と横浜FMはオリジナル10のクラブであり、一度もJ2に降格していないクラブなので、昇格経験(※ 降格経験も)は一度もないが、その他のクラブは少なくとも1回以上は昇格を経験している。J2のクラブも柏や大宮や京都などは何度かJ1昇格を経験しており、山口や町田やFC琉球などはJ2昇格を経験しており、古株になってきた水戸や愛媛FCやFC岐阜などもJFL昇格やJ2昇格を経験している。
ざっと見る限り、Jリーグのクラブの中で昇格を経験したことがないのは鹿島・横浜FM・千葉くらいである。「こうなったら昇格を達成できる。」という成功体験が一度もないことは近年の千葉にはマイナスに作用しているように感じられる。当然、鹿島と横浜FMはずっとJ1で戦っているので昇格経験がないことで生じるマイナス面は今のところは全くない。Jリーグのクラブの中では千葉だけが味わう苦しみと言える。
■ これからの日程はかなりハード今シーズンもすでに自動昇格圏内に位置するチームとの差は大きく広がっており、プレーオフ圏内のチームとの差も大きい。2017年は秋以降に大型連勝をしてプレーオフに滑り込んでいるので「奇跡が起こる可能性」はゼロではないと思うがかなり難しいのは確かである。10年連続でJ1昇格に失敗する可能性が高まっているが21位の栃木SCとの差が「6」なのでJ3降格を気にしないといけないポジションになっている。
今後の対戦カードを見ると本格的に残留争いに巻き込まれる可能性がある。次の30節は町田戦(A)になるがあまり相性が良くない町田とは全く同じ勝ち点「30」で並んでいる。町田も残留争いに巻き込まれつつあるがようやく直近の試合で岡山に大勝。未勝利地獄から抜け出した町田に対して千葉は4連敗中。チーム状態は好対照である。町田との直接対決で敗れるようなことがあると本当に大変な事態になる。
31節は新潟戦(A)、32節は水戸戦(H)、33節は徳島戦(H)、34節は岡山戦(A)、35節は山形戦(H)、36節は長崎戦(A)、37節は柏戦(H)なので、9月・10月の対戦相手はなかなかハードである。上位チームもしくは力のあるチームとの対戦ばかり。下位相手の試合や勝ち点「3」を計算できる試合は1つもない。この間、鹿児島や福岡や栃木SCや町田やFC岐阜などが勝ち点を積み上げるようだと黄色信号が灯ることになる。
38節は山口戦(A)、39節は金沢戦(H)、40節は東京V戦(H)、41節は京都戦(A)なのでその後もなかなか大変な日程である。最終節が栃木SC戦(H)になるがここまでJ2残留が確定しておらず、「最後の直接対決の行方で残留か?降格か?が決まる。」という状況になったら千葉が圧倒的に不利である。栃木SCと町田以外の下位チームとの対戦がすでに終わっている点も千葉にとってはネガティブな材料である。
・当初はJ1昇格を狙っていたチームであること。
・ここ最近のチーム状態の悪さ。
・すでに下位との対戦の多くを終えている点。(残りは上位との対戦が多い点)
などを考えると千葉がJ3に降格する可能性はあると言える。同じように上位候補だった福岡のサポーターは千葉のサポーターと似たような感情だと思うが、FC琉球や栃木SCやFC岐阜や鹿児島のサポーターが抱いているような「J3降格への恐怖」や「J3に降格するかもしれないという危機感」は千葉のサポーターにはあまりないだろう。「さすがに大丈夫だろう。」という楽観的な空気がマイナスに作用することは多々ある。
・2019/08/26 【J2】 「ジェフ千葉がJ3に降格しても不思議はない。」と思えるいくつかの理由
・2019/08/27 【J2】 「ジェフ千葉がJ3に降格しても不思議はない。」と思えるいくつかの理由 (補足)
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