■ J2のクラブの補強は期限付き移籍が中心近年のJ2の中のクラブで「移籍市場で良い選手を獲得するケースが多いチーム」というと徳島や山口や金沢あたりになる。徳島はもともと「J2の中では資金力のあるクラブ」だったので他のJ2のクラブで活躍した有力選手を獲得して戦力アップに成功するケースも多かったが、なおかつ、2017年に監督に就任したリカルド・ロドリゲス監督が攻撃的で魅力的な攻撃サッカーを展開したので「人気の移籍先」になっている。
2017年は7位、2018年は11位。2年連続でPO争いに参加しながら終盤に失速してJ1昇格を逃しているが今シーズンも有望な若手を多く揃えている。一方、昇格4年目の山口は日本サッカー協会で技術委員長を務めていた霜田監督が就任してからは霜田監督の人脈をフルに生かした補強になっており、年代別代表で活躍したものの現所属クラブでは出番に恵まれていない若手をたくさん期限付き移籍で獲得している。
Jリーグのクラブとしての歴史が長くない山口のようなクラブにとって霜田監督のような豊富な人脈を持った指導者というのは有り難い存在である。もちろん、監督には監督の仕事があるので、出来ることならば選手補強の部分では霜田監督にあまり頼らずにGMを中心に選手補強を行いたいが現状は仕方がない。今夏もストライカーのFW宮代(川崎F)の獲得に成功するなど有望株がどんどんと山口に集まるようになってきた。
金沢も経験豊富な柳下監督の人脈を生かした補強を行っているが、近年は、J1のクラブで出場機会に恵まれない若手を獲得するケースが多い。しかも、FW垣田やDF庄司やDF石田崚など「金沢に期限付き移籍して出場機会を得て大きく飛躍した選手」がたくさんいるのでいい評判が伝わってさらにいい若手をJ1のクラブから借り受けることが出来るようになってきた。金沢も今夏はMF山根永(C大阪)の獲得に成功している。