■ ストライカー2人を失ったFC琉球上位クラブやビッグクラブでも主力の流出が少なくなかったJ1のクラブとは対照的にJ2のクラブの大半は今夏の移籍市場で戦力アップに成功した。J2の場合は「J1のクラブで出場機会に恵まれなかった選手」でも主力となって活躍できる可能性があるので夏の移籍市場での戦力アップはJ1のクラブよりも容易である。水戸や柏や栃木SCやFC岐阜は今夏の移籍市場でたくさんの主力候補を獲得。明らかな勝ち組と言えるだろう。
DF櫛引(名古屋)やMFイッペイ・シノヅカ(横浜FM)を獲得した大宮、MF平戸(鹿島)やDF小林友(神戸)などを獲得した町田もいい補強が出来たと言えるが、今夏の移籍市場で苦しい展開になったのはFC琉球である。27試合で15ゴールを記録していたエースのFW鈴木孝(→C大阪)が流出して、守備の要だったDF増谷(→岡山)も期限付き移籍で退団。FW鈴木孝のバックアッパーだったFW和田凌(→鹿児島)も引き抜かれた。
ここまでの27試合はFW鈴木孝が全試合でスタメンフル出場を続けていたがフォワードはもともと少なかった。Jリーグで実績があるのはFW鈴木孝とFW和田凌以外ではベテランのFW上原慎くらい。彼にしても「CFの専門家」というわけではないのでFW鈴木孝とFW和田凌が抜けた後、CFを補強したかった。28節の横浜FC戦(H)ではアタッカーのFW上門をCFで起用しているがフォワード不足は深刻なレベルである。
新加入のMF風間宏矢(FC岐阜)は川崎F時代やFC岐阜時代にCFでプレーしているので、今後、彼を最前線で起用する試合も出てくると思うが、残留争いに巻き込まれつつある中、「フォワード2人を引き抜かれてその穴を埋めるフォワードの補強がなかった。」となると低評価せざる得ない。地理的な問題が影響しているのか、FC琉球は評価が高まった主力があっさりと他クラブに流出するケースが多くなっている。